うさぎとりすと時々ハリネズミ

自作でパソコンが作ることが趣味だという彼が
見かけとは全く一致しない、
メルヘンチックな直方体の箱をもってきてくれたのは
お昼休みに入ったくらいだった。
側面の正方形の面には「HAPPY」と書かれていて、
何処で手に入れたのかを聞いてみると、
近所の100均らしかった。
それを選ぶ彼を想像するだけで、
なんとなくふんわりした気持ちになる。

昨日1日、仕事に付き合ったお礼と
今日が上司が誕生日ということを聞きつけて、
どうやら作ってくれたらしい。
箱の中に規則正しく並んでいる
かたぬきのクッキーはなんとも彼らしかった。

このひと箱に収まるクッキーの数からすると
渡す人数分のクッキーを焼くには
かなりの数のどうぶつのかたぬきを
しなければならなかったと思う。

上からみると
うさぎの列にハリネズミが１匹、
りすの列が1列、
隙間を埋めるように
うさぎとハリネズミが収まっている。
箱によっては
うさぎとりすとハリネズミの割合はちがうらしい。

なんとなく昼休みにも食べることは出来なかった。
これを口にするには私の仕事量がまだ、
追いついていない気がする。

この仕事にはまだ、奥行きがあって、
伸びしろも存分にあると思った。