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【再掲】髭切も“ういろうを売った’’のだろうか?/ 双騎出陣2020から考える

お久しぶりです。

現在、国際交流基金より「ミュージカル刀剣乱舞 髭切 膝丸 双騎出陣2020~SOGA~」全編公開されてます。しかも、タダでYoutubeで観ることができます。ありがたい!

さらに字幕も付けられるのでとっても観やすい!​

​今回は髭切膝丸双騎出陣2020~SOGA~のDVDが発売された時に別のところで書いた記事をこちらにも載せようと思います。(別のところでは消してしまったので)書いてから結構経ってるのでもし相違があればご容赦下さい。


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髭切膝丸双騎出陣2020~SOGA~の円盤が発売されました。
おめでとうございます!!
本編にバクステにフィーチャリング映像に回変わり映像にと盛りだくさんな内容。しばらくは双騎に籠れそう。

双騎出陣2020は劇場でも配信でもライビュでも観劇して寝ても覚めても双騎!公演期間中にブログを5個も書くほど双騎に夢中でした。

さてさて今回は今までとは違う別視点から双騎を見てみます。
(以下、あくまで個人的な考えです。ご了承の上読み進めて下さい。)


ところで、『外郎売り』というのをご存じでしょうか?

"拙者親方と申すは、お立合いの中にご存知のお方もござりましょうが、お江戸を発たって二十里上方に、相州小田原一色町をお過ぎなされて青物町を登りへおいでなさるれば~"

から始まる、俳優さんや声優さん
が滑舌や発音の練習で使われるものです。
(俳優・声優のファンの方なら一度は聞いたことがあるはず...)


さて、この『外郎売り』ですが、どうやら曽我ものに登場するらしいのです。

でも、双騎で「拙者、親方と申すは~」という台詞は出てこないです。
(※注:双騎を曽我ものと考えている)

では、曽我もののどこに登場するか説明すると、
十郎と五郎が工藤祐経がいる富士の巻き狩りへ向かった後、(仇討ちの前に)十郎が外郎売りとして工藤祐経一行の宴会侵入した時の外郎を売る口上として登場します。

双騎では、宴会のシーンはなく、十郎と五郎が母上に今生の暇乞いをした後、工藤祐経が「迎え撃て~」と登場しそのまま仇討ちの戦闘シーンに入ります。つまり、双騎では外郎を売るタイミングはありません。

そこで、これから
【もし双騎に宴会のシーンがあったら、十郎(髭切)は『外郎売り』をするか?】
を考えてみたいと思います。


①「外郎」って何だろな

◯そもそも『外郎』とは?
「ういろう」といっても、
「和菓子のういろう」ではなく、「薬のこと」を指します。
つまり、『外郎売り』は『薬売り』ということになります。

『外郎売り』の中にはこのように登場します。


"元朝より大晦日まで御手に入れまする此の薬は、昔、珍の国の唐人外郎と云う人、我が朝へ来たり。
帝へ参内の折から此の薬を深く込め置き、用うる時は一粒ずつ冠の隙間より取り出だす。
依ってその名を帝より「透頂香」と賜る。
即ち文字には頂き・透く・香と書いて透頂香と申す。"

つまり、「珍の国の唐人外郎が服用する時に一粒ずつ冠の隙間から取り出だしたのが透頂香(とうちょうこう)という薬」だった。


◯ところで”ういろう”の効能は?

”されば一粒食べ掛けて、その気味合いを御目に掛けましょう。先ず此の薬を斯様に一粒舌の上に乗せまして、腹内へ納めますると、イヤどうも言えぬわ、胃・心・肺・肝が健やかに成りて、薫風喉より来たり、口中微涼を生ずるが如し。魚・鳥・茸・麺類の食い合わせ、その他万病即効在る事神の如し。
さて此の薬、第一の奇妙には、舌の廻る事が銭ごまが裸足で逃げる。ヒョッと舌が廻り出すと矢も盾も堪らぬじゃ。
そりゃそりゃそらそりゃ、廻って来たわ、廻って来るわ。アワヤ喉、サタラナ舌にカ牙サ歯音、ハマの二つは唇の軽重。開合爽やかに、アカサタナハマヤラワ、オコソトノホモヨロヲ。一つへぎへぎに、へぎ干し・はじかみ、盆豆・盆米・盆牛蒡、摘蓼・摘豆・摘山椒、書写山の社僧正。”

つまり、「服用すると胃・心臓・肺・肝臓が健やかになって、さわやかな風が喉の奥より吹き口内は少し涼しい。
~中略~
第一の奇妙は舌が回る。銭ごまが裸足で逃げる。ヒョッと舌が回り出すと矢も盾もたまらない。」
その後に続く「そりゃそりゃ~」は舌が回る様子。

早口言葉のようなものでしょうか。

『外郎』は江戸時代に人気があった薬で、小田原の名物として知られていたそう。

ちなみに、「和菓子のういろう」は「薬のういろう」と関係があり、

外郎(ういろう)とは元来、小田原の外郎家が製造・販売する薬を指し、和菓子のういろうはその口直しのために出されたと伝えられる。
(ウィキペディアより引用)


②"双騎"の曽我十郎とは?

双騎は他の刀ミュと違い"物語を演じている"刀剣男士として登場します。そのため双騎の十郎には髭切のキャラクター性が強く影響してると感じました。

そこで双騎の十郎を読み解くためにまずは髭切の性格を台詞から読み取ってみると、

「他人に嫉妬とかよくないよ。鬼になっちゃうからね。もっとおおらかにゆったり過ごそう」
「弟の……うんーと何だったかな? えーと、まぁ名前はド忘れしたけど、ともかく弟もよろしく頼むよ」


と、おおらかでゆったり過ごすのを好む傾向がありますが、弟の名前をど忘れしちゃう一面もあります。穏やかでマイペースな性格であることが読み取れます。

そうなると、早口言葉のようなのが出てくるの外郎売りは髭切の口からは出てこなそう。早口で捲し立てるようなところが興味をそそられる外郎売りですが、髭切だとゆったりとした口調になりちゃんと外郎が売れるかこっちが心配になりそうです。

また戦闘時の台詞では、


「ぎゃあああああ!」
「その腕貰った」
「鬼だろうが刀だろうが、切っちゃうよ」


さっきとは打って変わって激しめで血の気多め。穏やかな口調とのギャップに驚きます。

仇討ちの前に敵の屋敷に潜入するなんて面倒な段取り飛ばして、すぐに斬りかかりそうです。

今までに名前が何回も変わったり逸話も沢山あったり...そして何より総領の元を渡ってきたキャリアもある。いつもは穏やかだけど怒らしたら恐い。敵に回したら一番ダメな感じがします。


③双騎で十郎は外郎を売るのか?

以上に書いたことから考えてみると、
「双騎の十郎は外郎売りをしない」と考えます。

双騎での曽我十郎は兄としての自覚があり幼い頃に仇討ちを決意するなど、執念深いしっかりした一面がありますが、戦闘時は弟・五郎のシャープでスタイリッシュな戦闘スタイルに対し、兄・十郎は優雅な振る舞いだが発言は激しいめの戦闘スタイルで時に余裕すら感じることができます。さらに、煩わしいことは嫌いそうなのでいきなり戦闘を希望しそうです。
そして何より外郎のような珍しい薬を手に入れたら、まずは弟に飲ませそうな気がします。



Written by アレキサンダー李乃 / Alexander Rino

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