俳句メモ|季語を主役にする方法
先日「季語とは?」の記事で
季語はそれだけで一つの世界観をもっているということがわかりました。
では、実際に
その季語をどうやったら立てられるのか?
プレバトで夏井先生が添削する際に
説明してくださっています。
というわけで、今回は
季語を主役にする方法に焦点をあてて
まとめてみました。
(作者敬称略)
✨季語を主役にする方法✨
〇ステップアップ
💭夏井先生「上を目指すのにやれることはまだある」
💡
①鼻と吾子の位置を近づける
②汗をクローズアップ(季語を際立てる。主役にする)
③最後にグミの光景を添える
【プレバト!!】2022/06/09放送より
〇季語を立てる
💭夏井先生「季語が置き去り」
切れ字「や」によって俺がはしゃぎ過ぎ!
💡切れ字を消して、季語の位置を変える
こうすると
(はしゃいでいる)俺よりも青葉木菟が前に出てくる。
💭
【プレバト!!】2022/06/23放送より
〇季語を変える、描写をつけたす
💭夏井先生「季語の表現が不十分」
引き分けを「残念がっている」のか
「よく引き分けた」なのか
それは季語を使って表現できる。
(表現できてこその永世名人)
💡【季語を変える】
夏の月 → 月涼し
💡【季語に表現を追加する】
夏の月 → 夏の月赤し
季語でここまで表現できる!
💭
【プレバト!!】2022/06/23放送より
〇季語が脇役になっている
💭夏井先生
「梨」よりも「大地」が主役に、
季語の「梨」が脇役になってしまっている。
💡具体的に描写する。
(千賀くんの説明にあった「梨のみずみずしさ」を描写する。)
💭夏井先生
「幾度のところに千賀くんの思い(言いたかったこと)は乗ってくる」
「それでいて梨は主役で、みずみずしい果汁が口の中に溢れてくる」
「これやっていたら1位だった」
【プレバト!!】2022/09/15放送 金秋戦2022予選Cブロック より
〇季重なり(季語の強弱のつけ方)
💭夏井先生
「季重なりに挑戦している句」
「季語に強弱をつける。これはセオリー通り」
「ただ強弱のつけ方がちょっと不足」
「順番は良い」
「三年を「登山靴」にくっつけたので損している」
💡季語に強弱をつける
「三年」を「山粧ふ」にくっつける。
(そうすることで見える光景が変わってくる)
💭夏井先生
「今年で3年目、山が粧う。3年間の季語を描いておいて、登山靴はぽつんとそのままある」
「強弱のつけ方はほんのちょっとしたことですから、勉強次第でいくらでもできるようになりますよ」
【プレバト!!】2022/09/08放送 金秋戦2022予選Bブロック より
〇季語の言葉の比重を高くする
💭夏井先生
「惜しいのはコート(冬の季語)が入るからどうしても冬の句かな?と脳が思っちゃうんですよね」
「せめてコートを消すだけで全然変わります」
「季語(爽か)の言葉の比重を高くする」
💡季語(爽か)の言葉の比重を高くする
トレンチコート → トレンチ
風爽か → 風は爽かなり
【プレバト!!】2022/09/01放送 金秋戦2022予選Aブロック より
〇時候の季語の場合(+取り合わせの基本)
💭夏井先生解説💭
🌟基本をちゃんとおさえている。
取り合わせの基本
12音+季語 (上5中7でワンフレーズ+季語)
季語+12音 (季語+中7下5でワンフレーズ)
時候の季語
「秋浅し」は時候の季語で、これ自体は映像を持っていない。
なので必ず残りの12音で明確な映像・音が必要。
〇良いポイント
・「フリーペーパー」で場所が想像できる。
・「色褪せし」の描写も良い。
季語の「秋浅し」が出てきた瞬間に、夏が終わっての「色褪せし」ということが分かる。
【プレバト!!】2022/08/25放送より
〇季語を生かして物語が描かれている。
💭夏井先生の解説💭
🌟上手になると季語を自由に色んなところに置く力ができてくる。
この句は、季語「サイダー」が中七にある。
2位以下のみなさんはちゃんと勉強して基本形を守っている。
(基本形:季語+12音、12音+季語)
--
🌟必要な情報がきっちりと入っている。
サイダー(季語)
従弟(人物)
もの言わぬ(心情)
渡す(動作)
駅(場所)
--
さらに読み解いてみると
🌟一つの物語がたった17音に入っている。
従弟の年齢まで思い浮かぶ。(もの言わぬ→思春期)
⇒サイダーを渡す人物も想像できる。(いとこのお姉ちゃん)
そこから
淡い恋心・憧れが季語(サイダー)の向こう側に見えてくる。
駅という場所。(今日ここでさよなら)
俳句はここまで表現できる。
【プレバト!!】2022/08/25放送より
〇季語が添え物になってしまっている
💭夏井先生
「季語の存在感がちょっと添え物になっている」
その理由はどこかというと
「の目」をわざわざ書いた点にある。
これを書かなければ、鰯雲を描写できる。
💡ほんの数音描写するだけで季語の力が変わる
・「の目」 → 削除
・季語に描写を付け加える。
鰯雲 → 鰯雲はるか
鰯雲 → 鰯雲はろばろ
(はろばろ:「はるばる」と同じ意味)
なぜ「はるか」「はろばろ」にしたかというと
「はるか 箸鉄」と
「は」の音がリズムを刻む
💡季語を描写。
💡リズムを軽やかにする。
そうすると、子どもたちの生き生きした感じも
音の力で伝わってくる。
💭
【プレバト!!】2022/08/25放送より
〇季語を主役にし、五感を刺激する
・昇格試験ポイント・
季語「涼風至る」が主役になっているか否か。
💭夏井先生の解説💭
🌟五感を刺激する取り合わせの句になっている!
涼風至る:「涼しい風が吹く頃ですね」という時候の季語
💡時候の季語はほとんど映像・音を持っていないが
これは「風」という情報が入るので触覚の情報はある。
💡季語が7音なので7・5・5のリズムを取らざるを得ない。
💡「駅弁の木箱の香」→爽やかな秋の気分を感じている。
⇧
季語を表現するために、この10音は出てきている。
💡色んな所を刺激してくれる情報が入っている。
・駅(場所→視覚)(ざわめき→聴覚)
・木箱(手触り→触覚)(香り→嗅覚)
・駅弁(弁当→味覚)
⇩
五感の情報がさりげなく入っている。
【プレバト!!】2022/08/25放送より
以上
プレバトから、季語を主役にする方法をまとめてみました。
そして、テレビを観ていて
どんな季語にどんな情報を足したら(描写したら)いいのか?と思っていたんですが、
そのヒントは、先生の『夏井いつきの季語道場』という本に書かれていました✨
(そうそうこの情報が欲しかった!と嬉々としている私😆)
最近、読み始めたばかりですが
いつき流「季語の六角成分図」という方法で季語の本質が理解しやすくなったり、推敲のコツや類想を超える秘訣が書かれていて勉強になります。
先週(9/22)のプレバトは「47都道府県ふるさと戦2時間スペシャル」ということで、いつもとは違って写真俳句というジャンルでしたが面白かった!
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次回は一週間とばして10/6(木)予定ですが、楽しみです♪
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