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台風を待つ休日

今日の休みは思う存分ゴロゴロしようと決めていた。
寝坊して、二度寝して、ダラダラ録画を見た。

10時頃、やっぱり起きて家事を始める。
窓を開けて、家中の扉という扉を開けて、湿った風を通す。
雨雲と競争するように、干せるものを干す。

お米を研いで炊飯セットする。
里芋のお味噌汁を作る。
しなびてきたゴーヤで副菜を作る。
朝昼兼、自分のためにゴハンを作る。
残っていた「ひじき」も食べてしまわなくては。

お風呂を掃除する。
アイロンをかける。
風は心配ない気がするけれど、念のためベランダのサンダルをしまう。
ペットの世話をする。
丁寧に歯を磨く。

その間中、ずっと、頭の中に【北の国から(1981~2002)】のテーマ曲が流れていた。
byさだまさし

【北の国から】の物語を反芻していた。

登場人物はみんな、それぞれ、なかなかの【ろくでなし】だった。
みんな、人間臭かった。
人間とは、人生とは、こうも不可思議で、業が深くて【ままならないもの】なんだな、と、
子供心に学んだものだった。
思春期には沁みたものだった。
矛盾だらけで、間違いだらけなのが人間なのだと。

あのドラマがSNS のない時代のもので良かったと思う。
今なら倍速で飛ばされてしまう【間】という【間】、
叩かれまくるだろう登場人物たちの言動、
行間にこめられた、言葉にならない想い、
そのすべてが否定されてしまうだろう。
「クズじゃん。」
「伏線回収してないじゃん。」
「何が言いたいのか分かんない。」
なんて。

広大な北海道の大自然と、人間の営みの生々しい姿は、私に【すこし黙れ】と教えてくれていた。
そもそも言葉にできないものなんだよ、と。


今朝、兄からLINEが入った。
『きのう自己破産の手続きをしてきました。』
『情けない兄でごめんね。』

優秀で人気者だった兄、
そんな人間が陥りやすそうな穴に落ちたにしては、想像の上をいっていないか。
自己破産て、あんた。。。
離婚だけじゃない。社会的信用も失う選択しか、残されていなかったとは。

【情けなくなんかないよ。
親のことは気にしないで、自由に生きたらいいよ。】

そう返信する。
(…自由に生きられるはずがない。)


♪あ~あ~ああああ~あ~
ああ~あああああ~~♪
byさだまさし

物語が続いていたとしたら、
純も、蛍も、その後の人生はどうだったんだろう。
漫然と、間違いながら、その人生を歩いているのだろうか。

…雨が降ってきた。
天気予報より早い。


雨降って、地固まることを願って。


#ドラマ
#北の国から
#兄の離婚
#台風
#雨



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