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ファミコンハウスの思い出

 俺の卒業した中学は、小学校の校区的に少数の卒業生だけが行く中学だった。逆に別の小学校からはほとんどの卒業生が進学する、超アウェーの中学校だったのだが、気の合う友達も出来た。

 学校が終われば、友達と遊びに行くこともあった。それこそゲーセンに行ったり、釣りに行ったり、ラジコンを走らせに行ったりもした。
ある日、「ファミコンハウス」と言う店に誘われた。なんでも、30分100円で家庭用ゲームがどれでも遊び放題らしい。
「行かいでか!」と友達と連れ立って行った訳なんだが、すごかった。中にはテレビが数台ならんでいて、大勢の同年代ぐらいの子供が各々やりたいゲームで遊んでいた。当然ゲームも売っていたし駄菓子も売っていて、小腹が空けば駄菓子を買って食べた。俺は持っていなかったメガドライブをよく遊んでいた。

 ただ、俺は子供心ながら気になる事があった。店員がどう見ても怪しいのである。スキンヘッドで目つきがやたらと鋭い。俺達には超愛想よく接してくれていたし、みんな懐いている様だったが、俺はどうしてもこのオッサンを好きになれなかった。当時俺は空手を習っていて、試験とか合宿に行くと段持ちの先生が稽古を付けてくれる。上級者や師範クラスになると佇まいから強そうなオーラが伝わってくるのだが、似たようなモノを感じていた。

 後にメガドライブを買い、この店にも行かなくなっていったのだが。今よりおおらかな時代だったとは思うが、やっぱり家庭用のゲームで金を稼いでいるのはおかしい。絶対あのファミコンハウスはヤクザのシノギだったと思う。

 ゲームがらみの記事をいくつか読ませてもらっていて、ふと思い出した青春の1ページだった。

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