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トルコの若者音楽事情をなんとなく俯瞰&体感。とか言いながら十分ド真ん中で愉しんじゃったおじゃぴぃです。

ここでも、数日、書いてるのは、たまたま、私の住んでるカッパドキアで久々に野外音楽フェスが開かれて、息子がそう言うのに参加する年齢になったってこともあって、お母さんも便乗して楽しめたからです。

世界的に、やっとこさ、人権無視の検閲&規制が過去のものになってきて若者文化も息を吹き返してきました。
トルコもご多聞に漏れず、街中も活気を取り戻し、各都市で音楽イベントも開催されるようになってきました。
カッパドキアでは、数年前までCappadoxと言うミックスカルチャーなイベントが秋に行われていて、音楽だけではなく、演劇やダンスやアート系イベントなども網羅した数日間のカッパドキアジャックなイベントが行われていました。それはそれで楽しかったのですが、ちょっとだけ敷居が高いイメージもあって、どっちかって言うと、他所から来た意識高い系のお客さんがメイン、と言うイメージでした。
それでも、中身はなかなか興味深いものだったので、いつの間にかなくなってしまったいたのは残念でした。

で、今回は、今、トルコ中のあちこちの町で、大掛かりな野外コンサートを仕掛ける「MILYON FEST YAPMI(ミリオンフェストディレクション)」と言うイベンターで、毎月の様に、場所を変えて野外フェスを開催しています。
今回は5月の頭にカッパドキアで開催と言うことになり
全4日間、16アーティストがブッキングされていました。
それぞれ各日のメインアクトは、結構キャリアがあって有名な人気バンドが出演していて、どの日に行っても結構満足出来そうなバランスの良いプログラムです。ブッキングオーガナイザーは、なかなか心得のある人の様です。

私は、初日と、最終日に参加してみましたが
カッパドキアの田舎のホテルを舞台に、車のアクセスしかない立地にも関わらず、ちょうど良い集客と、入退場のチェックもシステム的に良く出来ていて動線もしっかり考えられていたし、若者も、お金持ちも、気持ち良くお金が落とせるセッティングになってた様です。
会場の外は、完全に軍警察に一任していて、入り口から中はイベンターのバイトの警備員が全部仕切っていて、上手く回せていました。
カッパドキアの大学には、なんと「警備・警察」を専門にする学科が在って、その在校生と卒業生が大量に雇われていたので、バイト教育が既に成ったスタッフばかりだったことも功を奏していました。
中には熱心過ぎる警備員に苦情もあったそうですが、はっちゃけ気味のイベント会場では、それくらいで丁度良かったんじゃないでしょうか。

そんな教育の行き届いた会場スタッフですので
教育が行き届いていたお蔭で、ホテルの宿泊客や、VIP客に対する態度もしっかりしていました。

もう、イベントが終わっちゃったので白状しますが
私は、初日と最終日に当日券を買って入場しました、
まごうかたなき一般客です。
が、「ガイジン」「おばちゃん」です。( ´艸`)

一日目の豪雨の中でのイベントも、最終日の良い感じに盛り上がった会場でも、なぜか、普通にVIP席と野外会場を自由に行き来していました。

と、言うのも、VIP客エリアのバリケードの前で直立不動で警備してるバイト君が、ガイジンでおばちゃんな私をVIP招待客もしくはホテル宿泊客、と勘違いしてしまっていたからでした。
この大騒音のイベントで宿泊客に絶対に迷惑を感じさせてはいけない、と言う通達が徹底されていたようでした。
その上で、アジア人顔で、しかも、昔取った杵柄で、それっぽい態度で堂々とそう言うゲートを通過する技には長けているおじゃぴぃです。

ゲートのバイト君は、いくら私がトルコ語で話しかけても
Your Welcom!とか Please go upstairs!とか英語で答えてくる。
( ´艸`)

そんなこんなで、カッパドキアでのイベントでは快適に野外フェスに参加出来たと云う訳です。おばちゃんになるのも、ガイジンとして暮らすのも悪くないってことですわ。( ´艸`)

さて、コンサートの感想ですが
今回、いろんなバンドを間近にみて
トルコのバンドのレベルが予想以上に高かったのが印象的でした。
どのバンドも、なんちゃってな勢い!とかカリスマ性!とか頼りではなく
演奏が全く危なげなく、若いバンドもその点で安心して聴いていられました。ちゃんと上手い!
で、ずっと前から、トルコのアーティストは、ライヴやってなんぼ、な世界で鍛えられてきたので(違法コピーとかがもう諦めの境地レベルなので)
長いキャリアのバンドも、若手売り出し中のバンドも、とにかくステージ慣れしてて、自分を出すのが上手い。安心して客がノッテいけるんですわ。

で、観客の方は観客の方で
とにかく、皆、一緒に歌う!
初日にもびっくりしたけど、それは最終日も同じで
会場を埋め尽くす4,5千人クラスのオーディエンスが
常に「大合唱」。(*_*;

バンドの持ち時間はだいたいそれぞれ1時間前後でした。
勿論、リハを重ねて、曲順のセットリストは練り上げてきてるはずですが
オーディエンスの皆さん、
その場で、アーティストに向かって「リクエスト」するんですよ曲を
なんなら、いきなり客が勝手に次に歌って欲しい歌を皆で歌い出していってしまう。
リクエストすれば、その曲をその場でやり始めてくれると、マジで客が信じてるんですわ。
いやいやいやいや、リハもやって、サウンドチェックもやって、照明プランやら、プロジェクターに映す絵まで決めてきてるんだから
ここでリクエストして、いきなりその曲が始まる訳はないんだけど
マジで、客は、その場で、自分達の好きな曲をやり始めてくれると信じていましたわ。おじゃぴぃ、ちょっとそのピュアなやり取りにグッときて、ウルウルまでしてしまいましたわよ。

あと、もう一個驚いたのは
ほぼ全バンド(ヴォーカリストの出演の際はその限りではありませんでしたが)照明が、メインボーカルをピンで抜かないんです。
あれは一体なんでなんだろう?
全体の照明プランの中でもちろんメインボーカルに光があたるタイミングはあるんだけど、日本だったら、絶対、取りあえずメインの方の表情はずっと客から見える様に照明が当たっていたはずですが
常時、メインに当たっているライトってのが無かった。ナンで?
客は、ボーカルと一緒に歌いに来てるんで、別にボーカルは一緒に歌う仲間でしかないから?
なんて、ことまで考えちゃったくらいですわ。
どっかで、この謎を関係者に質問してみたい。
もしかして、そう言う照明プランが今、イケてるのか?ううむ。

あと、トルコの歌って
歌詞が、とっても含蓄あって、言葉数少なく表現されている曲が多い。
これは、トルコ人の詩に対する愛と重なってる気がする。
トルコ人って、たいがい皆、自分の好きな詩人っているのよね。
若い子が、普通に本屋で詩集を買う。
自作で詩を書いている子とか、全然珍しくなくて
日本だったら、詩を書いているとか言うと、ちょっと変わった子だと思われてしまう空気無くはないと思うけど
トルコだと、詩を書いてる子とか普通に沢山いる。
で、ロックバンド!なんてもんは、その詩がメロディにのってしまっているんですから、若者が熱狂するのも当たり前ってゆーものです。
だから、歌詞に対する愛着が凄く強くて、勢い、一緒に歌っちゃうんだと思うんです。

初めて、コンサートイベントに参加したうちの16歳に訊いたら
やっぱり、コンサートと言うものは、皆で一緒に歌うもので
一緒に歌わないコンサートなんて、コンサートじゃない、と思う、とな。

アーティストと声を合わせて、一緒に大合唱するコンサートイベント
これって、もう、トルコ人アーティストのコンサートで
トルコは十分満足出来てしまうってことなんじゃないかしら?
敢えて、外タレの招聘とか、いらなくない?

てな、ことも考えちゃいました。
確かに、それはそれで、別の楽しみ方とするので
あればあったでいいのでしょうけれど
ここまでトルコリラ安が進んでいる昨今、
音楽カルチャーもしばし、地産地消で( ´艸`)愉しめばいいじゃん、って
思っちゃいました。

このイベンターの会場内でしか使えないキャッシュがやや残っているので
はやく又カッパドキアでイベントを組んで貰いたいものです。
息子が言うには、このキャッシュは先々、このイベンター絡みに他の何かにも流用できる限定的(若者文化内の)仮想通貨として機能していくそうな。
きっと、なんか企んでいやがりますね、大人は…。
ちょっとそっちの動きにも注視していきたいと思います。

いきなり、肌寒い冬の気温に逆戻りのカッパドキアです。
全ての友人たちに健康と幸運を!


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