壽乱舞音曲祭で長曽祢虎徹に落ちた話

あまりにも突然の出来事で理解が追いついていないので、記念に記しておこうと思う。

私と『刀剣乱舞』

『刀剣乱舞』というコンテンツに対して、私はずっと浅〜いところにいるオタクであった。もともと日本刀とか殺陣が好きなのでコンテンツとして興味はあったものの、審神者に就任して以降、周回メインのゲームシステムが得意ではなく、池田屋の手前でずっと足踏みしていた。また、ストーリーがはっきりあるジャンルで心奪われることの多いオタクなので、ゲームではそこまでキャラクターが深堀りされないというのもとうらぶに深くハマらない一因だったと思う。就任は2015年だけど、なにか刀剣が話題になったときだけ本丸に帰ってくる「検非違使？なにそれ？」って感じの雑魚審神者が私だった。

とうらぶオタクとはとても言えないにわかだったが、一応始めた時からの推しは土方組だった。初期刀が歌仙だったので、之定繋がりで兼さんに興味を持ち、そしたら「兼さんはいませんか？」と堀川が追いかけてきて、わかりやすくニコイチの土方組を初期刀と一緒に可愛がっていた。二次創作も結構食べた。

そんなわけで、ずっと距離を保っていたはずが、昨年5月頃、突然刀ミュに沼った友人（以下：友人A）による布教が始まった。

「キャラクターを深掘って欲しかったら刀ミュか刀ステを見ればいいのよ」と差し出されるまま、この半年で歌合、らぶふぇす2017と2018、みほとせ、むすはじ、葵咲あたりを一通り見させられた。歌合なんか10回は見せられたせいでもう篝火講談の台詞ほとんど覚えたまである。

語弊を恐れず言えば、"普通に"おもしろかった。
もともとライブや舞台を見るのは好きなのでそれだけでも楽しめたし、ストーリーも面白いし、何より歌が上手い。これにハマる人がいるのはわかるなあ、という感想だった。

しかし、そんな感想の通りに、やっぱりどこか他人事であった。
布教されるうちに私もどんどん詳しくなり、刀ミュの楽曲をApple Musicでダウンロードしてプレイリスト作ったり、役者の名前も全員覚えたりしていたので友人は「やっとハマったか」と言いたげだったが、まだこのときはよくある「友人がハマっていて自分も履修した一ジャンル」に過ぎなかった。

壽乱舞音曲祭

そんな態度を一瞬で覆されてしまったのが、友人Aと同時視聴した壽乱舞音曲祭の千秋楽だった。

いつもより見知った顔が少ない壽に新鮮さを感じつつ、２部始まりの奉祝曲の演出がエモすぎてしっかり泣き、その直後にmistakeのイントロが鳴り響いて「風邪引くわ！」とかツッコんで楽しんでいたら、幕末組のScarlet Lipsが始まった。

天狼傳2020はアーカイブ期間に駆け込みで二部をメインに見ていて、その時からジャズ調の曲が大好物な私にとってScarlet Lipsはめちゃくちゃ好きな曲だった。だから曲が始まった時点でテンションが上がったし、「これでマイクになりたいオタクが続出してるのよ」という友人の情報には笑いながら共感した。

でも、そこまでは覚えているのに、そこから先の記憶がほとんどない。

Scarlet Lipsの長曽祢さんの色気に刺されてしまったからだ。
刀ミュを見ていて初めて「かっこよすぎて死ぬ」と思った。

待ってどうしよう、長曽祢さんってこんなにカッコよかった？

この人、表情差分がananの表紙では？？

とりあえずえっちすぎるので指を一本ずつ曲げるのやめて？？？

そう口にしたらもうダメだった。
長曽祢さんに壁ドン床ドン顎クイバックハグされたい全世界（推定）２億人の夢女子の一人になってしまった。

その後にSecret Signを見てみても、全員曲を見てても、もう曽祢さんにしか眼がいかない。それまで「豊前江マジ彼氏の擬人化じゃん」とか言ってた記憶を押しのけて、脳内の７割くらいを『長曽祢虎徹』が占めていた。

正直、混乱である。

いやでも、なんで今更？？
まだはじめましての浦島くんとかに落ちる方がわかる。
でもむすはじ何回も見たよな？らぶふぇすも見たよな？
うちの本丸にだって何年も前からいたよな？
なんで今長曽祢さんなの？？遅くないか？？？

マジでなんかやばいフェロモンでも出てたんじゃないか？普段和装で露出面積の多い長曽祢さんの燕尾服（私たちは服の下に隠された肉体を知っちゃってるってエロが過ぎません？）というギャップ萌えとScarlet Lipsという好きな曲が奇跡のマリアージュを見せてしまっただけなんじゃないかとも思ったし、なんなら最近中村悠一のYoutubeばかり見ていたせいで顎ヒゲのもらい事故を起こしたんじゃないかと自分の脳細胞を疑った。

冷静になれよ。今まで曽祢さんを見てもなんともなかったじゃないか。

そう思って真剣乱舞祭2018を再生してみたら、mistakeが担当回でしっかりmistakeを犯されてしまった。そしてそこだけ数十回見て数十回死んだ。Youtubeで『ユメひとつ』と『決戦の鬨』のPVを見てみたら「曽祢さんって本当に瞳が綺麗だな…」と思った。ついでに伊万里くんのインスタを数年分遡ったせいでカメラロールがひどいことになった。

これは本当にダメかもしれん…。

どうしちゃったんだろう、ヘラヘラしてて胡散臭い強キャラ（cf.五条悟）とか陽に見せかけた陰のいじられキャラ（cf.寿嶺二）みたいな典型的な自分の推しのタイプとは合致しないし、特別マッチョが好きなわけでもないのに何故…………

幕末天狼傳2020

そうこうしていたら2月1日になり、幕末天狼傳2020の配信が始まった。先述した通り、まだ天狼傳をしっかり見たことはなかったので、こんな長曽祢さんに魅了デバフがかかった状態で一人で見る勇気がなく、友人に同時視聴してもらうことにした。

結局、一部だけで一ヶ月分泣いた。

長曽祢さんへの解像度も高まり、ここ数日の疑問も解けた。
大勢に囲まれてはいるけど実は絶対的なシンメがいないタイプの強いひと。強さの裏に寂しさとか悲しみを抱えたひと。リーダーシップA++++だけど、そう在らなければならなかったひと。そう在ることを決めたひと。顔で笑い心で泣くひと。影を抱えた人間らしいキャラクターばかり好きになる自分が、長曽祢さんを好きになったのは宿命だったのだと。

これ、喩えなんですけど、幕末組が飲み会行くために二列くらいで道を歩くとして、「行くぞ〜！」って先陣切っていくのって多分兼さんで、それに堀川がついていって、真ん中で沖田組がキャッキャしてて、長曽祢さんって多分それに微笑みながら一番後ろを歩くタイプじゃないですか。私は！！！そういう人に！！弱いんだよ！！！！！！！！！

長曽祢さんが言うところの、自分を誇ってくれた主がいたから 贋作であろうと"虎徹として"本物に劣らない働きを見せることと、"虎徹として"他の虎徹を兄弟として扱うことは、決してイコールにはならないと私は思っていて。「ちゃんと働くけど、自分は贋作なので兄弟はいない」という長曽祢虎徹だってありえた。でも、虎徹であろうと決めたからには"虎徹兄弟"でもあろうとする今の長曽祢虎徹の在り方は、まさに"局長の刀"たる長曽祢さんの器の大きさを象徴している。正直、かっこいいが過ぎる。

天狼傳の最後、蜂須賀が曽祢さんを殴ってくれたのだって、きっと長曽祢さんがずっと兄弟ムーブをし続けたからだ。長曽祢さんがもしもはっちに一切構っていなかったら、複雑な雰囲気にもならなかったかもしれないが、あのエンドにはならなかった。長曽祢さんの決めた道が、巡り巡って一人で抱え続けた悲しみを仲間に分け合ってもらえる日に繋がっていて、本当によかった…と思った。

劇中の兼さんの台詞にあったように、悲しみを抱えた数だけ強くなるから長曽祢さんは強いんだってこと、新撰組はみんな知ってるし尊敬してるけど、そういう曽祢さんをずっとリーダーとして頼ってきた節があるから、やっぱりあそこで曽祢さんを殴れたのははっちしかいなかったんだなあと思う。近藤さんも新撰組の刀たちにとっては元主の仲間だから、あそこで彼を斬れたのもきっと蜂須賀だけ。

そう考えると、長曽祢さんの周りには「守るべきもの」ばかりで、頼れるものが全然ないんだなあと思う。チーム新撰組を５振り並べたら、どうしたって沖田組と土方組のシンメ力の前に長曽祢さんは一人になってしまう。夢女子人格の私はいつもそういう人の寂しさを埋めてあげたいな…と思ってしまう傾向にあるので、やっぱり曽祢さんを好きにならないわけがないんだよな。

歌合の『君待ちの唄』、改めて観てみると長曽祢さんのパートが「守れ守れや〜／"その役目"」だったんですけど、これ本当に無理じゃないですか？？？私は無理です。

降参。

壽乱舞音曲祭と幕末天狼傳を経て、自分、長曽祢虎徹に落ちました。

好きが定まったところで、ゲームの方も開いて近侍を長曽祢さんにしてみたら、６周年ボイスで「まだ５周年で浮かれたままの奴もいそうだが、その分の穴埋めは俺がやるさ」と言われ、割とマジではっちの「あなたのそ〜〜〜〜〜いうところが嫌いなんです！！！！！！！！」って声が聞こえた気がした。

あなたのそういうところがかっこいいけど寂しくて、強いのに不器用で、悲しいけど好きなんですよ。マジで文久から令和までどの時代の辞典でも「男前」って調べたら「長曽祢虎徹のこと」って書いてあると思う。

それから今日までの間にしたこと。
・久しぶりにゲームでレベリングして長曽祢さんを本丸で一番強くした
・友人Aに真剣乱舞祭2018の円盤をもらった
・Scarlet Lipsを長曽祢さん盤で予約した
・ローソンプリントで天狼傳のブロマイドを印刷した
・超次元音楽祭のチケットをとった
・天狼傳2020のペンライトを買った
…etc.

いつも友人に「行動力の化身」と言われるので、これ沼落ちがあと1年早かったら髪の毛下半分金髪のウルフカットにしてたと思う。危なかった。

まさか布教してきた友人より先に自分が刀ミュを見にいく未来が来ようとは、微塵も思ってなかったな…。今、マジで曽祢さんを見ると全身から汗が吹き出すというヤバイ症状を抱えているので、ぴあアリーナで吐かないように頑張って目を慣らしていこうと思います。

それから、壽の配信で曽祢さんの美しい悲劇を観れるのも楽しみだ……！

あれからずっと

二度と戻れない魅惑のNight
強く抱きしめもう離さないよ

と頭の中でスカレリがこだましているわけですが、まさに歌詞の通りになってしまったな…と頭を抱える今日この頃です。

【2/8 追記】

あまりに壽の記憶がないので友人Aに聞いてみたが、結局秒で沼に落ちていたことしかわかりませんでした。アーメン。