【黒と白 -purgatorium-】煉獄という名の幸福な箱庭【観劇レポ】

堕天使七人と天使六人が紡ぎ出す、
煉獄という名の幸福な箱庭

神様ってのは、願い事を叶えてくれる存在ではないんだよね。
私たちの人生に起きる小さな奇跡の連続は、
神様じゃなくて天使の悪戯なのかもしれない。
ま、それくらいがちょうど良いのかな。

な〜んて、考えてしまうような観劇でした。
……と言うわけで!

『音楽劇 「黒と白」 -purgatorium- 』

を観劇して参りました。

今回の観劇場所は「青年館ホール」
昨年は「ガンダム00」や「サイコパス 」で、行ったことのあるところなんですが、
青年館ホールの良いところはトイレの動線が良いことと、座席が柔らかくて座りやすい……あと、割とどこの座席でも舞台上は難なく楽しめる気がします。
ただ、二階席は客降りがあるとちょっと厳しいかな……とは思うけれど……。
新しいホールなので、清潔感もあり、小さいですがカフェもコンビニも併設されているので、
割と好きな劇場です。
あ、気になる点は、「千駄ヶ谷駅」からだと結構遠いことかな。
遅刻しそうな時は気をつけてくださいませ。
オススメは外苑前。
これくらいの距離なら、全力疾走で頑張れるかな……まぁ、一番は開場時間の前に到着することですよね。
気をつけます。

今回も……毎度、チケットを用意してくれるお友達には
心から感謝です。

舞台の説明を軽めにしますね。

まず、この舞台はA〜Dのパートにわかれていて、各2パートずつ上演されています。
(オムニバス形式での上演ということですが、個人的にはAパートを見ないと、ちょっと話が分かりづらいかもと思う…)(すごく大切な話な気がするから)

ちょっとだけ、世界観の考察を。
自分用メモ程度ですが……

黒と白➡︎「7人の黒い天使(神様に逆らって堕天した堕天使)」と「白い天使(神様にとっての良い子)」

purgatorium➡︎プルガトリウム、意味は煉獄。黒い天使が面白おかしく暮らしている。旧知の仲である白い天使がたまに遊びに来る。
そして「死者の国から紛れ込んだ魂」と「これから生まれるはずなのに何故か紛れ込んでしまった魂」がふよふよしてる。

見たほうが良いAパート➡︎冒頭にある共通パートからすると、過去の話。堕天使が堕天した理由が描かれている。これは見た方が良いんじゃないかな。共通パートでだいぶ補填されてるとは思うけど……。

B〜Dパート➡︎黒天使(仕事として)と白天使(興味が強い)がプルガトリウムに迷い込んだ魂と結合して現世で人間として生きた時の話。
天使としての記憶はない。
天界にいた時の「住む世界が別れてしまった時に、主に天使側が感じていた絆の分断」を回収する……気がする。

私が観に行ったのは、この中で
2020/2/21 マチネ  ●+AC
2020/2/23 マチネ ●+CD
(Bパートだけ見れなかった;;お願いですから円盤を……!)
です。
各パートの前には共通パート(●)があって、「現状説明」があります。
これがあるので、各パートに移った時に1日目はちょいわかりづらかったなって思った(Aパートが過去の話になるので)……けど、舞台の後の挨拶で全部ぶっ飛んだんだよね。
そこがこの「音楽劇 黒と白 -purgatorium-」がスルメ舞台である理由なんですが、
次にそれについてお話しましょう。

私がこの舞台に行ったのは最近気になってる「橘 りょうさん」を見に行きたかったからなんです。
去年末にあった舞台で魅力的でチャーミングな姿を見せてくれたとあちこちで噂になっていたのもありますし、
その後の舞台でも可愛らしいお姿をTwitter等で発信なされていたので……。
ちょっと本物を見てみたいじゃない??
……と言う……。
……ただ、まぁ、これもまた舞台の面白いところなんだけど、一回観に行くと推しが増える。気になる役者さんが増える。
元々気が多い人間なんですが、
今回もいつも通り「岩永徹也さん」「岩佐祐樹さん」「千葉瑞己さん」
気になりますね〜……!
これ。
今回「黒と白」のレポを書こうと思った理由の一つなんです。
つまり……

「黒と白」はとても魅力的な俳優さん達で組まれた座組だった!!

……はい。
他の舞台が魅力的でないといということでは勿論ないんです。
ただ俳優さん達の中にも「演技が魅力的なタイプ」「本人の醸し出すものが魅力的なタイプ」があると思うんですが、この舞台には、
後者の「本人の醸し出すとこが魅力的なタイプ」が多いこと多いこと……!!
とても個性的で、良い意味で奇妙で不思議なキャストさんたちが揃っている……という感じなんです。
何が言いたいかわからないと思うが……あ〜「黒と白」の円盤がないのが本当に惜しい!!

あの座組の空気、舞台を沢山見ている皆さんでもきっと見たことないと思うんですよ。
座組のツートップである岩永さんと「平井雄基さん」がドを軽く超えてくる天然さんなのですが、囲む他のキャストさん達が二人の掛け合いを見ている図と言い……、
緊張なのか慌てて真っ赤になってる橘さんを補強してくれようとする岩佐さん(橘さんとのコンビは「吉田晃太郎さん」も良い見守るお兄さん感で素敵だった)と言い……、
遠くから見守るような感じでいる千葉さんと「堀田竜成さん」がまたいいバランスなんですよ……(そしてこの二人は歌も上手い…!)

今まで見てきた舞台には「素晴らしい演技を見せてくれて、最後の挨拶もつつがない」タイプが多かったんです。
もしくは
「舞台経験が浅くて、舞台の終わりに感極まって個人の個性が挨拶にまだ出ないけどそこが可愛い」タイプ。
どちらも舞台内容に影響はないし、俳優さんは演技を見せてくれるお仕事なので、魅力を感じるのはその部分だったりするはずなんですが、
どうにも……黒と白は舞台が終わった後に考察する気持ちを飛び越えてくる程、
キャストさん達の個性が爆発的だったんですね。
本当に、他の舞台でどんな表情をしておられるのか、気になってしまうほどに……。

とにかくこの舞台にご出演されてた俳優さんたちには要注目です。
皆さんもう人気のある方たちばかりですが、
知らない方は改めて。
どこかで会えることを祈っております。


そして、内容について。
おたくは好きですよね。こういうの…!
私は好きです…!

煉獄やら天使やら……どちらも00年代に漫画やゲームで流行ったテーマワードだったりしますが、これを上手に話を作ってお料理してもらって、最近の若手俳優さんが演じてくだされば……あら不思議。
令和の年にもおかしくない、お洒落な演目の出来上がりなんですね。
キャラクターデザインのイラストもとっても素敵でしたし、
まだまだ広げられる素敵なコンテンツだなって思いました!

ツートップ主人公である黒の天使「ルシフェル」と白の天使「ミカエル」の親友感って言うか、深友感っていうか……。
B〜Dパートはこの二人以外の天使の転生後の話だったんですけど、
ルシフェルとミカエルの二人はその間ずっと舞台の一段高いところから見守ってる設定なんです。
まぁ、その間のお二人はやることがないので延々とアドリブが続く訳なんですが、これがまぁ……距離が近いんじゃ……!
絆が深いっ……!
まぁ、ここに関してはAパートを観てしまうと、「あれ?そんなに(Aパートは)大した事件じゃなかったってこと?」って思ったりするわけなんですが、
よくある「シリアスな過去はあるけれど、現在ではコメディタッチな関係が築けている」という体で話が進む漫画(GIN●AMAとかね)みたいな感覚で観ることができれば、まあ問題ないかな、と。
辛い別れも、溝も、神のおわす天界ではまぁ、曖昧なものなんだろうな。くらいに。
そうでないと、この話は色々と破綻してしまうところもあるのです。
例えば、ミカエルが奇跡を連発してしまう場面があるんです(まぁ、本当はそれが神様にばれちゃうとやばいらしい)けど、
それも、大いなる神様がたまたま見ていなかっただけと捉えれば納得がいくわけで。
ルシフェルとミカエルはきっとこの関係のまま、ゆっくり天界で過ごしていくんだろうね。
それが、ルシフェルがミカエルの願望である

「また、昔のように13人の天使が幸せに天界で暮らす」

を叶えてあげられないことに対する贖罪なんでしょう。
ミカエルに関しては、純粋でバカがつくほど真っ白な天使なので、ルシフェルに対する気持ちも、前向きに汲み取って過ごしていくだろうけど。
人間的に考えればルシフェルが堕天するきっかけになったのは、ミカエルにあるのですが、まぁ、それが原因ではないとルシフェル自身感じでいるのかな。

そんなルシフェルとミカエルは神が手ずから作った二人の天使なので、他の天使たちとはまた一段違った「切っても切れない絆」があるように見えました。
っていうお話。
お互いがお互いでしかなくて、特別。という関係は「ベルフェゴールとラグウェル」にもあふのですが、ここは双子という……逆に考えればすごく人間的な関係にある二人に感じられたので……ルシフェルとミカエルはやっぱりもっと踏み込めない感じがあるというか……。
再演か円盤ないかなぁ……。
オリジナル脚本はともすれば野暮ったくなりがちなイメージがあるんですが、(くさいセリフの連発とか、ストーリーの説明に力を使うよりもわかりやすい内容を選んでしまったりとか)
そういう感じもなかったし。
(あえて言うなら、上演前に世界観の説明とか、キャラクター相関図とか、四コマ漫画とかをもう少し作って欲しかった気もするけれど)
まだまだ見ていたい作品だったな。と思います。

わ〜……すごく長くなっちゃった。
本当はもっと沢山書きたいことがあったんですけど、ノートはできれば2000字くらいにまとめたかったんですよね。
今回すでに今の時点でその2倍になっちゃってるし……!
キャストさんについてと、内容について分けて書こうかなとも思いましたが、
まあそうなると次いつアップできるのかわからないな……と思いましたので……。
それだけ記録しておきたいことが、沢山あったってことなんだよね。
スタッフさま、この作品を企画した皆様、あとなんか全体的な偉い人……!
できれば再演かコミカライズ か、小説版か……この13人の天使たちの今後に触れられる機会を作ってくださったら嬉しいです…!

「堕天使七人と天使六人が紡ぎ出す、
煉獄という名の幸福な箱庭」

音楽劇 黒と白 -purgatorium-

とても魅力的な、
もっと観たいという私たちの欲求を刺激してくる特別な舞台。
また会えることを祈りながら、
この記録をしめたいと思います。

最後に、
ほんとにこの舞台に出てたキャストさんたち、
一筋縄じゃいかないとか、一癖とかそういうことじゃなくて、爆発的にすごいから!!
是非注目して見てみてくださいませ!!!

いただいたサポートは次の舞台観覧への軍資金にさせていただきます…!