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プロバイダ変更とHP移転

学生のころから始めたHPを移転することにしました。(リンクは移転先)

since1996。普通に生まれた子供が成人してるよ。

正確に言えば学生の頃の業者は買収があってURLもメアドも初期に一度変わってるんですが、仕事として始めてからはほぼこちらでやってました。

結構前から移転準備で無料サーバにミラーサイトとして置いてあったんですが、プロバイダのメアドがずっと仕事用で使ってたものだったので月千円ほどで維持してました。

このたびスマホをついに買うことにして、大手三社系列全部に分散してた回線・ネット・携帯を統一することにしたのでふんぎりがつきました。

あとすごい迷惑メール増えて困ってたので。

さすがにこの二十年で時代は全然変わって、今はHPなんて構えなくてもSNSですぐ消息も分かれば連絡も取れる時代になりました。

そしてサーバもメアドも基本無料。

だいたい僕が学生の時はデザインの授業で一切パソコン使わず全部手書きでやってましたからね。マスキングテープ(今のおしゃれグッズではなく本当に色塗りではみ出ないためのテープ)で周囲をふさいでからムラにならないように色塗りしたり、楕円定規や曲線定規、スイープを使って三面図を描いたり。卒業生で未だに使ってるの俺だけなんじゃないかなあ(まだ半アナログなんで)

それでもこれからは課題はパソコン使ったものと見栄えが全然違うからと自腹で買ったのが廉価版のパワーマックでした。これでもわりと端境期で、一個上の先輩や院生と就活用の作品集並べるとやっぱ年代の差みたいなのが如実に出てしまう感じでした。

そんな最先端だったネット時代も今はいちいちIDやらサーバ指定やらしなくてもつなぐだけで開通するわ、クラウドでアドレスも履歴も全部引き継ぎ共有できるわ、でえらいらくちんでした。


そんで、HP上で自分が漫画家としてデビューしてからかかわった仕事を年表にしてたのですが、実は連載してない時期を働いたように見せるためのハッタリで始めたものでした。

それが気が付きゃ二十年越えでえらい長さに。

これを見直して自分で気づいたのですが、2005-2007年の間ほとんど仕事してません。これはそれまでデビュー以来いた雑誌を離れる決意をした時期でした。最終年は翌年発売されるアメコミの仕事をしたりデジタル化を進めてた時期で実質仕事をしてたんですけど。

で、2015-2017の間も、実は実質連載作家としての仕事はやっぱりほとんどないんです。十年周期。幸いにもMr.プレミアムやサイコミのねこはなはなしの仕事をさせていただくことはできましたが、本来のフィールドである物語の連載形式の仕事をしてません。

この二つの時期の共通点は共に三十代、四十代を迎えるにあたって今までの考え方を変えねばいけない、変化を自覚しなければならない時期だったことにあります。

二十代でそれまでの雑誌で結果を出せないまま終え、このフィールドでは敗者が確定したことを受け入れなければならない時期でした。そして三十代前は転職できる最後のチャンス、実際漫画家辞めるつもりでした。

ちょうどその時期に偶然舞い込んだアメコミの仕事は日本人で経験した人の少ない現地の出版社との直接取引でした。それができたのは二十代の自分の仕事があってこそでした。経験を活かし新しいフィールドで、プロ週刊作家の経験がある上での漫画と世界のかかわる仕事をしようとか考えてました。

結果は、漫画描いてたほうが楽しいなーと。

自分で異国の出版社とやり取りする上で、今までいかに自分が周囲のサポートの上で仕事してたか思い知りました。その上で裏方大変。今まで漫画にかかわりたくて仕事してた人に描けるんだから描いたほうがいいと言われてましたが、ほんとそう。自分裏方向いてねえな、と。

漫画家としての成功がすでに自分にない、ということに囚われてたことに気づきました。成功しなくていい。いやしたいけど、それはついでだ。本当に描けなくなるときが来たらそれは誰からも必要とされないときだ、描いていいうちは描いてみよう、どうせなら死ぬまでに描きたかったものを今描こう、と。

こうして肩の力を抜いて描けたのがモチモチで、転職してからでもこつこつ描うと思ってたのがトガリの続編である咎狩白です。

で、今。

四十代になる前の連載が終わったとき、いくつか原作付きの企画もののお話をいただきました。そのときの僕は、四十代になったらそういう仕事を全部受けよう、ただ三十代のうちはもう少し自分にできることを探そう、と思っていました。それで一つ大きな企画に断りを入れました。

これが甘かった。めっちゃスランプになりました。そして結果、気を取り直してその後の企画を引き受けたものが全てとん挫しました。

やべーなーと思いながら自我を保つためにLINEスタンプつくったりここで描いてた一円にもならない子育て記録がまさかの仕事に。

そして今、次の仕事の準備をしている最中です。詳細はまだ出せませんが、やはり成長や成功を切り離した、今しかない、死ぬまでに描いておきたいものに戻ってきました。

それまでは自分の経験や個性を分析し生き残れるフィールドというような、成功とは別の戦略的な継続に囚われてた気がします。不惑を迎え、程よく羞恥心や功名心がなくなってきました。もういいや、何言われても。

自分も一応経験上技術論やら知識はそれなりにあると思います。でもダメなんです。最終的には精神論、心のスイッチが入るかどうかです。それが今ようやく入りました。1を十に見せる技術はあっても、0から1は生まれない。読みやすい正しいお話にしても全く踊らなかった心が、主人公が勝手に僕の用意した筋書きを変えていくようになりました。

時期が来たらこちらで発表できる時が来るかと思います。

(それまでに仕事とは別に手を動かす予定です。それもこちらで発表します)




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