杖突きパパとアルハイママ、写真館へ行く
両親二人を連れて写真館に行ってきた。
8月に米寿を迎える父と誕生日のプランを話していたら、「実は遺影用にいい写真が欲しいのだ。」という。
元気なうちに死にゆく準備なんてするものじゃないと一般的には言うし、案の定、東京に住む姉は「パパったら、そんなこと言ったの?」としんみりしちゃったけれども、わたしは、そういう希望や申し送りをドライに言ってくれる父のこのスタンスが結構好きだ。
本人は床屋に行って小綺麗になったタイミングで、適当にポートレートを撮ってくれ、というつもりのようだったけど、折角だもの、プロにとびきりいい写真を撮ってもらうことにした。
調べてみたら子供の記念撮影専門かと思っていた写真館でも最近はシルバー用プランがいろいろあった。選んだグランパグランマプランは、両親揃っての写真とそれぞれひとりづつのショットが付いていたので、この機会に二人とも撮ってもらう。
「黒っぽいスーツの遺影写真は嫌なんだ。」と言い、父は何日も前からブルーのジャケットとシャツを準備していた。昔からおしゃれな人なのだ。
母に着てもらおうと思っていた服は、当日袖を通したら、どれも窮屈で見栄えも悪い。結局、普段来ているものの中から白と紺色でセレクト。
最近太り気味とは感じていたけれど、これほどまでとは。。。残念感が半端ないが仕方がない。遺影写真は後からフォトショップで着せ替えも自由、なはず。
写真スタジオのお姉さんたちは流石に慣れていて、手際も対応も良い。
しかしながら、杖をついてスローモーションで動く父は、立ったり座ったり、向きを変えたりするのにいちいち時間がかかって大変。体幹も弱っているので、どうしても重心がずれる。
アルツハイマーの母に至っては、「写真を撮るなら、もっといい服を着てきたのに」「お化粧もしてこなかった」とかなんとかを延々リピート。スタッフのお姉さん達がおだててくれるのを受けて大興奮で落ち着きない瞬間と、カメラ目線をリクエストされた途端に緊張して固まってしまうのとを繰り返して、なかなかいい表情が撮れずに苦労した。
付き添うだけでぐったりしてしまったけれども、最終的にはいい写真が残ったし、何より父の願いを叶えられた。母もいろいろ言いながらもモデル体験を楽しんだようだし、満足。いいプレゼントが用意できた。
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