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アルハイママのTV感情移入が激しすぎて

12月は毎年、母の通院している精神科で長谷川式認知症スケールで検査を行う。今年のスコアは11/ 30。

去年と同じだった。

今年一年はみるみる母の記憶力が落ちてきているので、さぞかしスコアも悪いことと思っていたので、意外な結果。

「ふーん」という顔をしているわたしを見て、ドクターは「この数値だけでは測れない症状があるのはわかります。」と言った。
だからといって他の検査をする訳でもないし、同じ薬を出して、また3ヶ月後に会いましょう、というだけなのだけれども、ね。

ドクターはずっと同じスタンスだし、こちらも、いまさら何かを期待はしていないので、「お母さんの様子はどうですか?」と聞かれても「前より忘れたことが多いです。」くらいしか言うこともない。

実際の最近の母の様子といえば、

テレビへの感情移入が激しい。

以前から、野生動物ドキュメンタリーを見て「危ない危ない、早く逃げなさい。」などと言うことはあったけれど、最近は、泣いちゃうことも多い。

先日は、タレントさんが懐かしの場所を再び訪れる趣向の番組を見て、「お店の人が、顔も、頼んだメニューも覚えていてくれたなんて、嬉しいね〜」と涙ぐんでる。

番組が終わった後も、母はそのモードに没入していて、わたしの手を握って「ありがとうね〜。覚えていてくれて嬉しかった、ありがとう。」と言う。

大抵の母の行動には慣れたはずのわたしも、手を握られて涙ぐんだ目で見つめられると、流石にドギマギしてしまった。
えーっと、こう言う時は、どういう設定でお返事するのが正解か?

「もちろんお母さんのことは覚えてるよ〜」と言ってみたけど、ご本人はこっちのお返事は、どうでもいいみたいだった。

普段の母は、今、食べたものすら忘れてしまうのに、この日は随分長いことそのノスタルジックモードが続いた。

感情を伴う記憶は刻み込まれると言われるが、それって本当なのだなぁと、思いがけないところで確証を得た。

アルツハイマーの経過においては、感情の起伏は(多分)いいことなのだと思うけれども、TV番組の内容によっては、いい影響ばかりでもない。
悲しいとか怒りとかの感情は、長引いては欲しくないし、番組選考は少し気をつけたほうが良さそう。

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