遺影

葬儀の遺影はマイナンバーカードのものから顔だけ切り取って、葬儀社のカタログから無難な女性スーツの胴を選んで合成したものなので、若干の違和感もあり、表情もぶすくれているので未だに見るたび辛くなる。
(と、いいつつ同じ写真の小さいものを仕事用デスクのそばに置いているのだけれど)

わずかに残った笑っている写真もないではないが、すごく小さかったり角度が変だったりでポートレートには向かないし、これを飾っちゃうとなんかあの子が苦しんだことをなかったことにしようとしているような後ろめたさがある。

もっと可愛かった小学生くらいのときの写真も飾りたい気もするのだけれど、それをしてしまうと晩年の娘を否定しちゃうような気がしてできない。

このあたりのしんどさは、娘を辛いまま死なせてしまった罰だと思って諦めている。

とにかく、娘の晩年に碌な写真がないので成人式の時にちゃんとした写真を無理やりにでも撮っておかなかったのが悔やまれる。
華やかなのを嫌がって、私のワンピで行ったんですよな……。

そんなこと思う成人の日。
Xのタイムラインに流れてくる成人式の楽しそうな写真を見てまた泣いた。

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