『第4回知識検定』受験記

知識は財産である。

…などと勿体ぶった言い方をするつもりはないのだが、子供の頃から「頭の良い人になりたい」という気持ちは常にあった。
ここで言う「頭の良い人」というのは決して「勉強のできる人」ではないということを、声を大にして言いたい。
それで一才の勉強を放棄して、えらいことになったのはまた別の話なので今回は省略するが、「頭の良い人になりたい」という気持ちは、大人になってしまった今となっても持ち続けている(ということはつまりまだそうなれていないということに他ならないのだが)。

そんな訳で色んな本を読んでたり、Wikipediaを読み漁ったり編集したりして遊ぶなどしていたこともある。
本当にWikipediaは楽しい。一日中いつまでも読んでられる。
言うまでも無いがWikipediaの情報を全て鵜呑みにしてるわけではなく、個人的にある程度の裏付けは取っているつもりであるが、最近はWikipediaの精度もかなり高いのと、やはり面倒臭いので若干サボりがちなのも事実。反省。

閑話休題。

そんな私なので「第1回知識検定」という何やら怪しげな(まったく怪しくないです)検定が行われるという報を聞いて大変に興味を持った。
そりゃあもう毎日調べるくらいには興味を持った。

受験したい。

自慢ではないが(自慢になってしまうのだが)知力にはそこそこの自信がある。
初等教育など退屈すぎて、先生に飛び級させてくれと申し出たくらいだ。思い返すと恥ずかしくて死にたくなる。
国語の教科書を全て暗記して、音読の際に暗唱して注意されていたくらいだ。イヤな子供である。そんなんじゃ軽いいじめにもあっても文句言えんかもしれん。いや、いじめた側が絶対悪いだろ。大人になって今更教師に言われた「お前にも問題がある」っていう言葉を認めかけてんだ。っていうかいじめてたのは先生、オメーだろ。

…閑話休題。「出題範囲は"森羅万象"」

知識検定。
なんと魅力的な響きだろうか。
そして出題範囲は森羅万象。なんとも心惹かれる。
そんな知識検定には2級と1級が存在する。

2級…中学生以上。義務教育終了程度の学問知識を習得している。日常生活で知る機会のある、社会、生活、カルチャーについて基本的な最低限の知識を有していると認められる。(執筆当時の原文ママ。終了じゃなくて修了だと思うんだが)

1級…大学生以上。応用的かつ深い学問知識を習得している。社会、生活、カルチャーについて、日常生活で知る以上に造詣が深く、詳しい知識を有していると認められる。

なにこれ。高低差ありすぎて、耳キーンてなるわ。

これ2級受けるわけにはいかないけど、1級受けるのは相当ハードル高いと思う。でも2級で置きに行くのもかなり嫌だ。
英検や漢検だったら義務教育修了レベルが3級、高校卒業レベルが2級なので、そのイメージで見ていたら段差がとんでもないことになっている。

そして全10ジャンル1000問(2級は250問)の出題に対して、10ジャンル全てで40%以上正解し、かつ、全体で70%以上正解することで合格する。
極端な話、9ジャンル満点だったとしても1ジャンルが39%なら不合格なのだ。

流石にひよってしまって、記念すべき第1回知識検定は受験しないまま通り過ぎてしまった。(尤も、それどころでないくらいバタバタしていたということもあるが…)

蓋を開けてみれば…そして第2回。

なんと合格率は約30%らしく、大変に狭き門である。
しかもわざわざこんな試験を受けてやろうと息巻いている猛者が寄ってたかっての30%である。これは大変に恐ろしい試験に違いない。
そんな訳で第2回知識検定も見送るのに十分すぎるくらいの言い訳を得た。世の中にはすごい人がいっぱいいるんだなあ…と思っていた。

そして第3回。

やはり見送った。
「チキン野郎」と罵ってくれて構わない。だって受かりそうに無いんだもん。
受かるかどうかギリギリのラインで受験したとして、出題のブレのおかけで、運任せで受かったとして、それは本当に受かったと言って良いのだろうか。そもそもどれくらいの難易度の問題がどれほど出るのだろうか。怖かった。

そして、過去問を買ってチクチク解いた。
1000問である。解くのにも大変な労力である。やってて飽きてくる。嫌になる。ジャンルによってはさっぱり分からん。これはなかなかしんどい。

結果、第一回の過去問を解いてみたら…

案の定不合格であった。
40%未満のジャンルこそ無かったものの全体で5点足りないということが判明してしまった。
やはりこんな試験受けない方が正解だったのだ。「君子危うきに近寄らず」という奴だ。

って、え? 5点ですか?

これいい感じなのでは?
さすがに第2回、第3回の過去問を解き続ける気力はなかったものの、まかり間違えば受かってしまうのではないかという高揚感が私を支配した。
さっきまでの運任せで受かったのは本当の合格とは言えないという気持ちはどこへやら、なんとなく4回目を受けてやろうかという気持ちになりつつあった。

そしてようやく第4回

それでもなお、実際に受験するに際しては怯んでいた。
合格率は30%。仮に不合格であったところで何もないのはわかっているのだが、実際にそのような場所に足を踏み入れるのは相当の勇気を必要とした。

しかし、いつまでもうじうじしていてもしょうがないのでこの度1級に出願して受験を行った。

ノンストップ5時間1000問の苦行

1000問である。
泣いても笑っても1000問である。1000問といったらそれはもう膨大な量である。
しかもそれを5時間である。1時間200問ということは1分につき3問解かないといけないのだ。なんだそれ。ちょっとでも迷ったり考えたり、マークシートを丁寧に塗ったり、思い直して消して塗りなおして…なんてしていたらとても時間が足りない。

恐ろしいことに休憩なしの5時間である。
集中力は切れる、腹は減る、脳は痺れる、補給はできない。
こんな環境でガリガリと脳髄を掻き出していくような作業を続けるのは非常に骨が折れた。
そして、だんだんと冷静な判断力を失い、簡単な数学の問題が溶けなくなったりしていきながら、「ジャック・オ・ランタンの原料は何か」というサービス問題ですら「キャベツ」と即答して慌てて回答を修正するという体たらく。

辛いだろうなとは思っていたけど、これほどまでとは思ってなかった。
別に舐めてかかっていた訳ではないのだがこれほどまでにしんどいとは思っていなかった。

終えてみて

脳みそがピリピリ痺れている。脳内をあっちこっちにかき混ぜられて回路があちこちでスパークしているようだ。
そして猛烈に腹が減っていて、とんでもない消耗感に襲われてしまった。

学生時代は勉強してテスト受けての繰り返しだったわけで、よく身体が耐えていられたなと感心したものの、そういえば学生時代は遊びまくってたし、5時間ノンストップ1000問なんてなかったので全く比較にはならなかったのだった。

あとはやはり休憩がないのはしんどい。空腹もしんどい。10:40〜15:40って何考えてんの。何やるにも空腹はダメだってば。

ぼくがかんがえたさいきょうのじかんわり

0900-1030 250問
1030-1100 休憩
1100-1230 250問
1230-1330 休憩
1330-1500 250問
1500-1530 休憩
1530-1700 250問

個人的にはやはりこれくらいのタイム感で取り組みたい気がする。1日仕事になってしまうが仕方ないだろう。というか既に1日仕事なわけですしお寿司。

あと、ジャンルがあっちこちに飛んでくのしんどいから同じジャンルは同じジャンルでまとめて出題してほしい…
頭が数学モードにしたのに、次は国語モード、その次は歴史…といった様子で、ギアチェンジだけでエネルギーを消耗する始末である。
まあもっとも、そんなようじゃ合格への道のりはまだまだ遠いという事なのかも知れないが。

そんなわけでひさびさに脳みそフル回転で疲弊してきたっていう話でした。正直ドMの行事と言っていいレベルでしんどい。脳みそがフルマラソンしてる。

結果は4月に出るそうなのでそのうちまた報告します。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?