役目に気づいたら、前向きになれた話。
こんにちは、スミレです。
卒業式の答辞を任された私ですが、清書が完了しました。なので今日、送辞の後輩と一緒に読む練習をしまして。
ひと足先に送辞を聴かせてもらった感想もありますが、今回は一旦置いておきます。
先生、私、後輩の3人だけの教室で、それぞれ2回ずつ読み上げる練習をし、その時に考えていたことを書きます。
あの、ただの練習なのに、めちゃんこ緊張してしまいまして。
もう、手汗で紙がヨレるんじゃないかってくらい。いや、緊張さんに対して「ああ、いつものやつね」と言って出迎える癖がついたので、これでもマシになった方なんですけれど。
原稿を読み上げるだけなら比較的イケるのですが、いかんせん早口になってしまうのです。「読んでもらう」文章なら自信があるのですが、「聴いてもらう」文章はまだまだ勝手が分からず……下書きの時点で苦労がありました。
しかも、聴いてもらうということは、文章だけがしっかりしていても意味がありません。話し方にも技量が求められます。
まあそれ以前に、緊張さんによる通せんぼを躱せないのが私ですが。
おかしいなぁ、今日は黒板に向かって喋っていたはずなのに、こんなにも緊張する。会場の様子を具体的にイメージしすぎたのかしら?予期不安ってやつ?
1回目のトライで早口を発動した私に対し、先生はこんなアドバイスをくれました。
曰く、助詞で一呼吸置くくらいのつもりで丁度いい、とのこと。
〜で、〜に、〜を……が出てくる度に、「やりすぎかな?」ってくらい一時停止を繰り返す。そうすると、本番の緊張と合体した時には聴きやすさ抜群になるんですって。
めちゃくちゃタメになるアドバイスや、と嬉しくなる反面、諸々の準備全て吹っ飛んでパニックになる私に実行できるだろうか、と不安になりまして。
緊張すること前提で、のんびり読みの練習をしておく……緊張することが悪ではないと思えただけでも十分すぎる収穫ですけれど、結局失敗に終わっちゃ世話ないんです。
答辞を成功させるためには、さっきよりゆっくり読まなければいけない。さてどうしたもんか、と悩みそうになった時、ふとこう思いまして。
「生まれてきてくれた言葉たちが、より輝くように、より大切に読めばいい」。
はて、なんだか覚えのある捉え方だ、特に「生まれてきてくれた言葉たち」っていうところが、「おかあさん」みたいで……。
あ、これ、くりすたるるさんの記事で読んだやつか、と。
ずっとこの記事が心に引っかかっていて、今日は手を差し伸べてくれたんです。
どうして私が緊張するって、聴いている人間がいるからなんです。
なんというか、恥をかきたくないっていうのも、そりゃあるんですけれど。反応が気になるっていうのも、なくはないんですけれど。
いつの間にか「人前=聴かれている=怖い」という感覚が染みついてしまったみたいなんです。
答辞でいうと、聴き手視点で失敗のないスピーチこそが正義、みたいに思い込んでいました。形式として完璧なものにしないといけない、みたいな?
そして、私は緊張するだろう→噛んだりつっかえたりするだろう→失敗するだろう→失敗への恐れから緊張がわく、と勝手に負の連鎖を作り出すんです。緊張は増していく一方です。
でも待てよ、それはちょっと、前提が違うんじゃないか。
答辞って、テストじゃないから。そりゃ式典の一部だしキッチリしている必要はあるけれど、メインはそっちじゃない。
形式として完璧って、それが1番になっちゃいけない。
下書きの時、私は「感謝の念が伝わるように」「聴いてくれている人たちへの祈りが届くように」……と、文字にならない感情を込めていました。
今までの私の経験と、どうしても最後に伝えたい想いによって生まれてきてくれたのが、私からの答辞です。
だから私の役目は、式典らしさの演出ではないのです。
今は文字で表現されている言葉たちが、感謝たちが、祈りたちが、声によって表現されるために読み上げる。それが私の役目であると気づきました。
式典らしさを演出するだけでは、言葉たちの輝きが誰にも伝わらない。それでは、言葉たちは幸せになれない。
感謝と祈りを伝えるために生まれてきてくれたのに、伝わらないんじゃ言葉たちが報われない。
私がやるべきは、聴き手がどうとかよりも、式典がどうとかよりも、言葉たちを輝かせることの方が大事だと思うのです。
だって私が、答辞として生まれた言葉たちのおかあさんだから。
そんな思いを胸に、2回目の読み上げ練習に臨みました。
聴いてくれていた先生と後輩から、「1回目より断然良くなった」と褒めてもらえました。ゆっくりで聴き取りやすくなっただけでなく、声のトーンの変化で言葉に説得力が増したのだそう。より言葉の重みが伝わったのだそうです。
1回目よりも誠実に言葉たちを声にできましたが、それでも数回ほど噛んでしまいまして。こればかりは慣れですかね、自主練も頑張ります。
ただ読み上げるんじゃなくって。感謝と祈りが伝わることで言葉たちを幸せにできるように、大切に、声にする。
私が私だったから生まれてきてくれた言葉たち、一緒に答辞を頑張ろうね。
ここまで読んでくださりありがとうございます。
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