終わり、そして始まり 5 (兄妹愛)
おばあちゃんの家と母のお墓には、妹の芽衣の車で行くことになりました。
宿泊先のホテルのチェックインにはまだ時間があったので、借りてきたレンタカーは、ホテルの駐車場に置き、母の形見として頂いたものは、車の中に置いておくことにした。
おばあちゃんの家へ向かう車の中で、芽衣と色々な話をすることができた。
芽衣の兄、直樹について、怖いお兄だったってよく言っていた。母の家で遺品の整理をしていた時も、同じようなことを言っていたので、二人がまだ小学生とか、中学生だった頃の話を聞いてみた。
「小さい頃とか、例えば、誰かにいじわるとかされた時とかに・・・」
(訳:お兄ちゃんに言ってごらん、絞めてくるから)
「そんな兄妹愛みたいなの、なかったの?」って聞いてみたら、
そうなのか、やはりそれは小説やマンガだけの話なのか。
妹が運転する車の助手席で、爆笑している妹を横目で見て、ちょっとだけ距離が近づけような、そう思える瞬間でした。
もし、兄妹三人一緒に暮らしている今とは違う未来があったら、しょうもない兄弟喧嘩をしたり、子供三人でしたイタズラがバレて、私が一番上のお兄ちゃんだからと、母にげんこつされたり、そんな未来があったかもしれない。
芽衣、直樹、一緒に大人になりたかった。
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