ペアーズが切ないのはどうしてか
「マッチングアプリとかウケる」って思ってたけど、要するに出会いを提供してくれるサービスというだけで、あとは普通に人間関係だった。だからペアーズは時として切ない気分になる。細分化して眺める。
① 選ばれなかった男の子を憐んで辛くなる
これに尽きる。好意がある相手に受け入れられないショックは、ジェットコースターの急降下みたいに、または口がカラカラに乾いて目が醒める悪夢みたいに、不快なのに拭い去れなくてどうしようもない。気晴らしをして記憶が薄れるのを待つしかない。そういう状況を、自分の采配で生み出していることに罪悪感を抱く。
② 女の子に人気のない男の子をたくさん目撃した
いいね5以下の人が多すぎる…。プロフィールを代わりに書いてあげる屋さんになって救いたい…。
③ ほとんどの人と友だちですらいられない
恋人ができたら、せっかく仲良くなった男の子と会えなくなっちゃう。共通の話題と感覚で分かり合える人には友達でいてほしい。でも、危うい関係性をこそこそ続けたり、恋人の信頼を勝ち得ながら、自分の好きに振る舞う方法を私は知らない。
④ ネットで物を買うみたいに、気安く効率よく人間を扱う
これが令和の方法と思って受け入れるしかないのか。
⑤ タイプというか昔好きだった人の要素を追い求めていることに気がついた
ときめく要素が前に好きだった人と一緒だった。そういうのが何個も何個もあった。焼き直しというか、二番煎じというか、昔に胸の中にあった恋愛感情を眺めるための、エセ感情みたいなときめき。
⑥ 面接みたいなデート
話題、表情、顔の作り、振る舞い等々を実際に見てジャッジするためのデート。「理想の恋人テスト」みたいなものにクリアできるかどうかを、ちょこちょこ思い出して、試して品定めする、そういう駆け引きをするときの、自分の偉そうな態度が嫌だった。判断しないで受け入れる優しさがどこかに行った。
だからこんな場所にはいつまでもいられない。もう退会しちゃったもんね。
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