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「負けるな」、それは子育ての醍醐味

息子①は中学3年生。
我が家にとって初めての受験生だ。

noteにも何度か彼のことは書いたけれど、
バカではないが、非常に不器用で
本人なりに一生懸命自分の人生を生きようとしている。

とにかくいろんなものにぶつかって
痛みや苛立ちを肌で感じてここまできた。

しかし、受験とはなんとも無情なもので
とった点数で偏差値が出る。
彼がこれまで超えてきた困難や
培ってきたコミュニケーション能力なんてもんは
1点にもカウントされない。

内申点(調査書って言うんだっけ)は
もう少し人間味があって、
先生の主観が入る事もあるけれど
先生という立場の人間とは
全くもって相容れずに生きてきた彼だから、
いやいや、どちらかというと
先生という立場の人間とは
対立関係にあり続けた彼だから、
それもなかなか厳しいもので。。

でも、彼には目指している学校がある。
だから、親としては必死で
「内申点で〇〇をとって、
北辰テスト(ご存じだろうか。埼玉県民のみぞ知るご当地テストを。)の偏差値で〇〇を取れば
確約なるものがもらえるらしい」
という情報を集めて、どの教科でいくつを狙うか
なんてことまで作戦立てて、
中間テスト、期末テストに挑んだわけです。

親から見ても、彼は彼なりに
出来ることは必死にやっておりました。

親としては、出来る限りのことはしてやりたいと
高い塾に行かせてはいるものの、
その塾は定期テスト対策は一切なし。
中間テスト、期末テストなんてもんは
自分で勉強しろとでもいうように
テスト前でも関係なく塾のカリキュラムに従って
どんどん授業を進めて行くなんちゃらアカデミー。

期末テスト数日前のある日、
少し風通しでもよくしてやるかと
荒れた部屋に入って、長男①の机を見ると
なんということでしょう。

スラムダンクのポスターのその下に
雑だけれど、はっきりと大きく
「負けるな」の文字。
I can do it. の心意気まで
書かれているではありませんか。
全ての単語が繋がって、Icandoitなのは
ご愛嬌。

それを見た私は
「あぁ、これこそが子育ての醍醐味なのだ」と
目頭を熱くしたのです。

結果はわからないけれど、
彼は彼なりに
自分の人生を生きているのだと実感したのです。

眠くて、サボりたくて、漫画を読みたくて
逃げたくて、甘えたくて、アニメを観たくて
何もかも放り投げてしまいたい気持ちと
戦っているのだと思うと、
あぁ、こんなにも大きく成長したのだなと
実感したのです。

息子の成長を
こんな形で知ることになるとは
母、15年目まで知りませんでした。

それから、数週間。
期末テストの結果も出て、
成績表も出て、
目指すところはなんとかクリアできたものの、
「クラスが下がります」と
なんちゃらアカデミーからの通達。

現実はなんとも厳しいものですね。。

なんだか妙に悔しくて
夜中の2時まで眠れなくなってる母をよそに、
寝言で「英語がムニョムニョむにょ」と
言ってる君のことを
母は陰ながら尊敬していますよ。

負けるな、てっちゃん。
やれるさ、てっちゃん。

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