見出し画像

詩が書けたことに感謝 - 2

- 机上での 彼のスケート -


それにしても  他の面においても
やはり 彼は すごいなと 感心したことは

2012年頃に 練習拠点を
コーチ・ブライアン オーサー氏のいる
カナダのトロントに移し
そこで暮らしてられることは、
ソチ後の情報で  知っていたのだけれど

そのカナダからの テレビ番組の取材で
大学は スケートに専念するため
早稲田の通信大学へ…と
紹介されていた

驚いたのは  そこで彼が学んでいたこと
動きを 数式に表す力学
なんだか難しそうで
私には よく分からなかったけれど

自分が スケーティングしている時
ジャンプしている時、
どこに どんな力が
どれだけかかって
どういう衝撃があるのかを 数式に表して
(人に出してもらうのではなく 自分で)
研究してられるという凄さ

体感だけのスケートではなく
自分を客観的に見て
理論上のスケートは どうなのかを
自らが 数値に出して 自分の身体を研究する
こんなことまでやってるの ?  と驚いた。

まさに極めるためには
あらゆる努力を 怠らない人なんだなと
その視野の広さにも 感心するばかりだった

書き留められた 何冊ものノートもあった
彼がノートの内容を 説明してくれている

確か
赤色のペンは 解答で
青色が 質問
緑は何だっけ…

ちゃんと使い分けしているところも
分かりやすくて
よく考えられた工夫だなと。

でもやはり  他の勉強をするよりかは
スケートに関係した勉強をしている方が
楽しいのかなと
微笑みながら 取材に応えている彼を見て
そう思えた。


- 机上での彼のスケート - 2


もうひとつ驚いたことは
番組で映った 彼のパソコンの画面には
何やら音楽ソフトのような音の波形が…

フリーで踊るプログラム
「SEIMEI」の曲の編集を
なんと自分で やっちゃうという徹底ぶり
と言っても  いくらやりたいと思っても
音作り といった別畑の
その技術や才能がなければ
普通は 立ち入れない分野

自分の ひのき舞台で踊る
プログラムの 曲の編集までしていたとは

彼がスケーターになっていなければ
何か一つを極める学者のような人に
なられていたのだろうなと。

ちなみに
「SEIMEI」の
原曲「陰陽師」サウンドトラック
コンプリートを 買って 聞いてみたら
かなり違う気が。

具体的に 細かな所が どう違うのかまでは
素人の私には 分からない部分もあったけど、

サウンドトラックの中から
7曲 ( 陰陽師Ⅰ メインテーマ / 荒ぶる神 / 日美子と須佐 /
一行の賦 / 日美子残影 / 五芒星 / 陰陽師Ⅱ メインテーマ )
を 取り入れ 繋ぎ合わされ出来たのが 「SEIMEI」だそう。

彼が イナバウアーを決めた時に
バーンと鳴るあの音も 原曲には入っておらず
もしや 自分で音を入れられたのかしらと。

もっと調べてみると パーカッション  和太鼓
そしてテンポまでも 演技する動きに合わせて
色々と変えられたとのこと

原曲も素敵だけど 「SEIMEI」は
迫力がついてカッコいい感じ

原曲が  さらに壮大に、
欲しい音が 欲しい所に
感動的に入っていて
メリハリが凄くついた と言うか

彼自身も 動く芸術のようだけど、
美的センスがすごいんだなと感嘆

取材では
彼が リュックからスマホを取り出し

これで こうやって…  ほらっ…て感じで
スマホに フゥー と息を吹きかける
「…てやって 録りました」と言って
プログラムの冒頭に 自分の呼吸音を編集して
入れたことをインタビュアーに伝える姿

ひのき舞台「SEIMEI」での演技の時
「自分が緊張してても  呼吸を整えるのに
良いと思ったから」
と解説されていた

全ては自分の演じるものを
最高のものに持って行く
そのためには…との
心意気を強く 強く感じた。

天は二物を 与えたんだなって

才能がなければ
こんなこと いくらしたくても出来ない
彼の洗練された多才性
そして
可能な限り
完璧を こだわりを 目指す世界を知り

私たち凡人が 立ち入っては行けない区域が
あるように 感じた。
そして それを 大切に そっと見守っていたいな
これからも その多才性を発揮して欲しいなと
感じさせて貰った


- 野村萬斎 さんとの 対談 -


そして確か ソチ後間もない   2015年前後

その情報を知り
とてもワクワク 楽しみにしていたのが
映画「陰陽師」で
安倍晴明(アベノセイメイ)を演じた
狂言師 野村萬斎氏と 羽生くんとの対談

自身で踊るプログラム名を
「SEIMEI」
と命名したのも
羽生くんと知った時も 驚きだったけど

「うわー  凄いオーラ同士が  いい意味で
火花を散らしそう  私たち凡人にも
彼らの会話の意味が 理解できるだろうか」と
真剣に 二人の会話に耳を傾けた

どちらも 極めた者同士

あのプログラム 「SEIMEI」について
どんな会話がなされるのだろうと
少し興奮するも
気持ちを落ち着かせ  一生懸命 見た。

まず挨拶で  羽生くんが
「マジ 緊張するヤバい
本当  緊張してるんですけど」と

萬斎さんに
大きくリスペクトの意を 表わされる

そして  萬斎さんから
羽生君へのアドバイスは

まずはじめに
萬斎さんが  能舞台でなされている
動きの  1つを披露

飛ぶ方向とは、逆の方向に 手をかざされ
それに 観衆の目を  引き付けておいて
まさかの展開で その手とは真反対の位置に
飛んで
人々の意表をつく

動きとしては こういうベクトルになると、
実際飛んで見せられた

「ふぉ~」と その美しい所作に  酔いしれ

これって例えて言うなら
鮮やかなる裏切り って感じなのかな
なんて思いながら 深くうなづけた

これは 凡人の私にも 
よく分かるとうれしく堪能

そして次に 羽生くんが 萬斎さんに
プレッシャーの 乗り越え方
について聞かれていた

萬斎さんは  型を極める
型(基礎)を 身体に叩きつけ
どんなことがあっても
動きに誤作動がないように
オートマチックに 動けるようにしておく
と言われていた。

これもまた 凄く納得のいくお答え

つまり めちゃくちゃ調子の悪い時でも
基礎を必ず自動的に 動けるようにしておけば
それ以上のことも 余裕をもって
プラスアルファでこなせる
その為  もう一つ上の演技が
出来やすくなるって事なのかなと

またまた 理解できたようで嬉しかった。

そして、萬斎さんが さらに仰られたのは
押すだけではなく
引く演技

特に見て欲しいところを  際立たせるために
他を 引いてみせるという動作

三番叟(さんばそう) と言う
演目の 3回ジャンプする動きをされ
着地音の大きさによって
押すと 引くの
絶妙なバランスを披露

これを見た  羽生くんは
一呼吸 おいた後

「すごいなぁー 
すごい所に来てしまったなぁー  俺 」と

何だか  萬斎さんのアドバイスが
深く刺さり過ぎたかのように 感極まられていた。

彼の受け取る感性も  また凄いから
こんな言葉が出るんだろうなぁーと
恥じらう彼が まぶしいほどに新鮮だった

そしてもう一つ 型について

萬斎さんは
「型には それぞれ意味があり
どういう意味が こもっているのかを
常に感じながら  演技をするのが大切 」

というようなことを仰られていた

「ただ何となく こんな感じかな ?」
という感じで  ポーズを取るのではなく
1 つ 1 つの型に  意味合いを持たせてと。

凡人の私が 聞いていても 
これも 深く理解できた

どのアドバイスも
神がかりすぎていて
やはり 放つオーラが違うなぁ 
と しみじみ思えた

本当に 勿体ない程の 番組が見れて
録画も しておいて 良かったなと
お宝物になった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?