GRAPEVINEのファンクラブに入った

かれこれ20年GRAPEVINEというバンドが好きだ。何が好きとかどこが好きとかは今はさておき、あらゆるバンドの中でずっと一番好きだ。そしておそらく、ずっと同じ熱量で好きが続いている。
シングルやアルバムが出れば買い、ライブがあれば行き、特に活動がなくても突発的に「いいよね~~~~!!」と発している。そんなのを20年くらい続けている。

20年も好きだが、さすがにこれだけ長いと「もしもGRAPEVINEが解散したらどうなるんだろう」とよく考える。

Wikipediaを見たらGRAPEVINEはだいたい以下の来歴になっていた。

・1993年 西原誠(ベース)、西川弘剛(ギター)らが結成、田中和将(ボーカル&ギター)、亀井亨(ドラム)が加入。
・1997年 ミニアルバム「覚醒」でメジャーデビュー
・2001年 西原誠がジストニア治療のため一時離脱。サポートメンバーの金戸覚(ベース)、高野勲(キーボード)を迎える。
・2002年 西原誠が復帰するも、ジストニアが再発したため脱退。以降金戸、高野を加えた5人編成となるが、バンドとしては田中、西川、亀井の3名のみが所属する形となる。
・2014年 ポニーキャニオンからSPEEDSTAR RECORDSへレーベルを移籍。

これだけ見るととても薄い。20年以上続いているバンドとしてトピックが少ない。
彼らがやっていたことは、ほぼ毎年アルバムを出し、ライブを行うということであった。(2006年と2014年意外毎年アルバムを出していたらしい。とびきり偉いと思う!)

普通20年という時間があったら、どんなに続いているバンドでも
①誰かが脱退し、誰かが加入する
②メンバーがソロ活動をする
③別バンドの人とユニットなどが組まれる
④活動停止(後に再開)

これくらいはよくあることだと思う。
(これらは別に悪ということではなく、私の嗜好として、①~④は起きない方がありがたいという気持ちの元書いていく)

①については、西原氏の一時離脱&脱退に尽きる。これについてはすごく悲しかった記憶がある。なんというか、GRAPEVINEはデビューしたときから成熟していて、若手バンドらしく縦横無尽に伸びていくイメージが良い意味でなかった。
たぶんこのバンドはずっと「こういう感じなんだろう」と思っていたところに、はじめて目に見える変化があったのがすごく怖かった。
そして実際西原氏が一時離脱したときの「Circulator」というアルバムはやや苦手だった。「もしかしたら好きじゃなくなるかもしれない」と思った。復帰後にでた「another sky」はとても好きだったけど、その後にすぐ脱退が発表されたのでやはりその次のアルバムが出るのも怖かった。
結果それは杞憂というか、なぜかその次に出た「イデアの水槽」というアルバムはすんなり受け入れて、結局今になるまでずっと好きでいる。(でも未だにCirculatorはあまり聴かない気もする)

まあ、西原氏の離脱&脱退で得た気持ちはさておき、これ以外に起きたネガティブ気味のニュースと言えばレーベル移籍くらいだろうか。(この発表がされたライブも行ったが、さすがに解散かと思った)
20年もやっていて、よくもまあここまで安定しているものだと思う。

②、③についてはないわけでもない。
田中氏は今年ギタージャンボリーでソロで出ているし、高野氏と2人でパーマネンツというユニットでたまに出演しているし、詳細はよく知らないが田中氏、亀井氏、金戸氏とThe Birthdayの藤井氏によるバンド「FTK&K」というバンドがあったりもする。
とはいえ、田中氏ソロもパーマネンツもやるのはほぼGRAPEVINEの曲だし、FTK&Kは洋楽のコピーバンドだ。
GRAPEVINE以外の場所でGRAPEVINEをしている印象が強い。それが演奏される曲のためか構成されるメンバーのためかはきちんと考えていないが、なんとなく「GRAPEVINEありき」という形に見える

④の活動停止はありがたいことに本当になかった。
なんなら最近ライブに行くと、ボーカルの田中氏は「また来年」とか「(21周年ライブ?を終えてのMCに)22周年もよろしく」などを言う。(書いてみたけど21周年ライブってなんだ)
なおこれはなんだか恋人に「ずっと一緒にいようね」とか言われてるのに近いような気もしていて、ファンとバンドの間に契約などはないので「そんなこと言ってもいつかいなくなるんでしょう」とうがって見ていた。
穿った見方を続けて20年経ったので、そろそろ来年の約束を言うMCを信じてもいいのかなという気持ちになってくる。(ちなみにそれでも別に解散してしまったとして自分たちはなにも責めることができない。そしておそらく「来年もって会おうって言ったじゃない!!」とも言わないだろう。たぶんそのときには「ああ、やっぱりそうなるんだろうなぁ」とあきらめるだけなのだろうと思う。)

さて、社会人になって10余年ほど経つが、「安定した継続」というのは存外難しいものだと思う。「安定」して「継続」させていのだが、あらゆる環境がそれを許さない。
そしてそれはあたり前のことであり、「安定した継続」をするならばその意志を持つものの馬力が何よりも必要になってくる。「安定した継続が必要である」と伝える説得力と、それを先導する推進力と、実行する持続力が求められるのだ。(と、思っている)

おそらくGRAPEVINEには説得力と推進力と持続力があるのだろう。本人たちは曲を作りアルバムとして発売し、それを用いたライブをするというのがルーティーンになっている。
田中氏の言葉を集めたbotでもこんなことが投稿されていた。
https://twitter.com/tanaka_kzms_bot/status/1199696382820417536

続けてること自体もうみっともないですよ、ある意味。ある意味かっこいいことだと思うんですけど、ある意味みっともないことだと思うんですよ(笑)だからみっともない部分も含めて、ここまで来ると20年目指したいですね (ROCKIN'ON JAPAN 2012年4月号)

あと、これはリンクが見つからなかったが、何かのインタビューで以下のことも言っていた。

血肉化みたいな感じですかね。ロック・バンドはルーティーン・ワークであるべきやと俺は思ってるんですよ。ライブやってレコード作ってっていうのは絶対なんです。どっちかだけやってても何もわからないんです。(MUSICA Vol.1 2007年3月号)

正直言うと私はとてもかっこいいと思っている。本当に継続させることは難しいのだ。継続することが正しいと続けていくのはものすごく辛い。
「ライブやってレコード作って」だけでなく●●とのコラボやらなんやら望まないことが起こることもあるし、「ライブやってレコード作って」に飽きがくることだってあるだろう。外部からも内部からも続けていくことを乱す要因はあるはずなのだ。

それでもGRAPEVINEは続いていた。なんだかもうここまできたら解散を疑うことのほうがナンセンスな気もする。
一方、ここまで続いたGRAPEVINEというバンドは本当にバンドなのかと思う。バンドなんだけど。人間5人が集まっているはずなんだけど。ただ、それでもこれはバンドというよりもう「GRAPEVINE」という一つの生命体のようにも見えてくる。

バンドがバンドとして安定・継続を続けると、一人ずつの人間の個性が別の生命体を作り出すのかもしれない。田中和将はGRAPEVINEだが、GRAPEVINEは田中和将ではないみたいな…。

きっとGRAPEVINEという生命体になったのなら、もう解散とか一人のメンバーの突出した目立ち方などを心配することはないだろう。私の好きなGRAPEVINEのままずっと好きでいることを許されるだろう。

それでもいつかGRAPEVINEが終わるときは来るのだろう。それはもう、きっとメンバーの誰かの死とかになるのだろう。誰かが死んだらたぶん新しい曲を聴けることはさすがになくなりそうだし、ライブとかも難しくなるかもしれない。
別れが死でなくても、老いに勝てずどうやっても姿を見ることが叶わなくなる日はあるのだろう。だめだ、悲しい。

できることなら一日も多くGRAPEVINEのアルバムを聴いてライブに行きたいと思う。それをするためにはGRAPEVINEが健康であってほしい。

そうだ、ファンクラブに入ろう。GRAPEVINEの収入を安定させ、しっかり健康ドッグに通ってもらいたい。病気が見つかったらどうするかは自由だが、病気を見逃すようなことにはならないでもらおう。

というわけでファンクラブに入りました。みんなも入ろうBALLGAG。

https://fc.grapevineonline.jp/

2020年もたくさんライブやってほしいなぁ。




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