彼氏恐怖症

私には高校生のときから付き合って4年になる彼氏がいます。

まわりのみんなには、うわー結婚するんだろうなー!とか、4年も一緒にいられるのすごい!どうしたらそんなにずっといられるの?とか、羨ましがられることが多いから、その度にドヤ顔してるんだけど、正直彼と結婚は考えられないし、悩み事は絶えない。


今年の1月の終わり、彼に振られたことがある。

私にときめかなくなったとか、結婚してうまく行く未来が見えないとか、傷つけるばかりで大切にできないとか、色々言われた。

私が2月まるまる海外に行く予定があったから、その1ヶ月物理的にも精神的にも距離を置いて、それから別れるかどうか決めるのでも遅くはないんじゃないかって提案したけど、もう決めたことだからの一点張りで却下された。

でも空港まで送ってもらうことになっていたし、渡航前の土日で一緒にイベントバイトに入る予定もあったから、別れてから渡航するまでは今まで通り会って、空港でちゃんとお別れすることにした。

次の日は、午前中はずっと泣いてた。いままで色んなことがあって、色んなところに行って、たくさん作った思い出が、全部元カレとの思い出になったことが悲しくて、

今まで一番近くにいてくれた人が急にいなくなる不安も大きくて、ただでさえコロナ禍の1人での渡航で精神が不安定だったから、追い打ちかけられたように泣き続けた。 


でも、昼間帰ってきてた姉に全てを話した瞬間、どうでも良くなった。

自分でも思いもよらなかった。

肩の荷が降りたような、もう気を使わなくていいんだという解放感というか、てかどうせ後悔するのは彼の方だし、遊びたいなら遊べばいい、遊びきって後悔して泣きついてくればいい、その頃には私が誰の手も借りずひとりで幸せになっていればいいと思った。


それから、ひとりで山中湖にドライブに行っていいホテルに泊まって、日の出見ながら温泉に入って、ひとりって最高だなって思ってた。


別れてから初めて会うバイトの日。

いつもみたいに会って電車に乗って現場に向かう。前日にLINEで話したいことがあるって言われてて、空港まで行くのはやっぱり無理とか言われるんだろうなと思って、でも親は仕事入れてしまってるから電車で行くしかないかとか考えてた。

※ちなみにうちに週1以上のレベルで泊まりに来てたから、私の親とも仲が良くて、親には別れたなんて口が裂けても言えなかった。


行きの電車で、とっとと聞いてしまいたくて、話って何?と聞いてみた。そしたら、私が泣きそうだから電車の中では言えない、と。

余計気になって、泣かないから言ってみてと伝えたら

「やっぱり別れるのはまだ早かった、日本に帰ってくるまで考えたい」

今冷静になって考えると意味がわからない。
その提案は別れ話をされた時に私がしたし、別れたらもう戻らないことは忠告していた。

でも、悪戯をした少年が、親にバレそうで顔色をうかがってるときの顔みたいな顔をしてて、断ることは自分の中の選択肢になく、だから言ったじゃん、と言って承諾した。


結局、渡航中に会いたくても会えない状況になり、好きを「再確認」し、何事もなかったように帰国後も付き合って、今に至る。


別れなくてよかったな。


って思ってると言ったら完全に嘘になる。


その事件以前は、男の人がいる飲み会に行くときは事前に連絡したり、男女混合の泊まりのイベントには参加しなかったり、それなりに気を遣っていた。

でもその事件以降、どうせ振られるくらいなら、あの時のクリスマスパーティー行きたかったなとか、後悔することも多かった。

だから男がいるとか女がいないとか関係なしに、誘われて楽しそうな飲み会には全部行くようにした。

すごく楽しかった。


そんな中で、私のことが好きな後輩ができた。

嬉しかった。

普段からあまり彼から愛されているという実感がなくて生きているから、男から愛されるということが嬉しくて、サシで誘われて断りきれず、みんなでならいいよと言ってしまった。

仲の良い男友達に事情を説明してからそれに誘ったら、彼氏いるんだからそんなんだめでしょって言われて、その子にも彼女がいて、お前がそういうのに行くようになって、周りからそういうレッテル貼られたら、俺がお前と飲みに行きにくくなるって言われて、それが嫌だったから結局断った。


自分が恥ずかしくなった。


なんでだろう?


その後輩は全くタイプじゃないし、まともに喋ったこともないからどんな人かは全く知らない。でも自分のことを好きになってくれたことが嬉しくて浮かれてしまった。彼氏がいるのに。


振られる前は、彼氏が大好きで一途な彼女として周知されていたレベルで、彼氏が大好き女だった。

なのに、「お前、振られてから緩くなったよな」って先輩に言われるようになってしまった。


よく考えてようやく気がついた。


私は彼氏恐怖症。



つづく



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