なんでもないことを、歌っているから

数日前、旦那さんからこんなLINEが来た。

「この曲のサビで、なんか子供たちのこと考えちゃう」

そんな言葉の下に
Apple Musicのリンクが貼られていた。

それは「茜色の夕日」という名前の曲だった。

私も聴いてみた。

泣いた。

１番だけ、歌詞を抜粋してみる。

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茜色の夕日眺めてたら
少し思い出すことがありました
晴れた心の日曜日の朝
誰もいない道　歩いたこと

茜色の夕日眺めてたら
少し思い出すものがありました
君がただ横で笑っていたことや
どうしようもない　悲しいこと

君のその小さな目から
大粒の涙が流れてきたんだ
忘れることは出来ないな
そんなことを思っていたんだ
＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝＝

お洗濯物を畳みながら
数回リピートして聴いて。

手元にあった洗い立てのタオルで
涙を拭いた。

＊

今朝、ご飯を食べながら
この曲の話になった。

「聴いていたら私も泣いちゃったよ。
でも、なんで泣いちゃったんだろう？」

旦那さんはお茶を飲みながら
サラッとこう答えた。

「なんでもないことを
歌ってるからじゃない？」

「・・・」

そうなんだ。

なんでもないことなんだ。

私は、なんでもない日々に見る
なんでもない景色に心動かされ
涙を流す。

そんな人間なんだ。

だから、なんでもないことを
淡々と歌われると、泣いてしまうんだ。

そして私も、なんでもないことを
言葉にしていきたいと、思っている。

なんでもない日常が
どれだけ色鮮やかに心に届いているのかを
言葉にしていきたいと、思っている。

それはなんでかって

「なんでもないこと」に
「そうそうそうそう！」と頷き合える人と
出会っていきたいと、思っているからだ。

または「なんでもないこと」に対する
感受性の違いを面白がって
生きていきたいと、思っているからだ。

そして私の人生の名場面はいつだって
「なんでもないこと」だったりするからだ。

旦那さんの一言から
そんなことに、気づかされたのだった。

＊

昨日、娘が悲しくて泣いていた。

１０代ともなると
泣き始めても
すぐに、涙を拭き取ってしまうんだな。

きっと、将来の私は

こんな娘の姿を思い出しながら
「茜色の夕日」を聴いて
また、泣くんだろうな。

※茜色の夕日 / フジファブリック
https://www.youtube.com/watch?v=vYo-hpzuS2c