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【嘘日記】咲いた日

マシュマロちゃんの「虚構力」(だったかな)の鍛え方として嘘日記ってのがあったので、面白がって挑戦します。
まあ気楽に。

定型文

この話はフィクションです。
現実のいかなる団体、個人、事象その他とは無関係です。
嘘っぱちです。

似た「なにか」があったとしてもそれはあくまで「似たなにか」でしかありません。

つまるところ架空です。

それでは皆様。
架空の世界の、架空の人物の、架空の日の、架空の記録をどうぞお楽しみください。

定型文終わり


クリスタルガラスの花が咲いた。

もしも、私が将来今日のことを完全に忘れてこれを読んだり、もしくはなにかに巻き込まれて手がかりとしてこの日記が読まれたりしたら、
「こいつ気でも狂ってたのか?」
と、思うと思う。うん。いや、だって花が咲くこと事態は普通だ。(珍しくはあるけど。)
高いけども観葉植物の類いは売ってるし、ヒーリング効果も認められてるからまあある話ではある。
この間もみーこが
「サボテンに花が咲いた!やったー!」
って大喜びしてたし。

目の前の出来事があまりにあり得なさすぎて横道にそれた。
これだ。
目の前で咲いている花は「クリスタルガラス製」なのだ。
平たく言うとただの置物。
今朝までは、蕾をつけた一輪挿し(一枝挿し?)を象ったクリスタルガラスの置物。
帰ってきてみたら花が追加されてたけど。
そしてその花もちゃんとクリスタルガラスだけど。

土台についてしまっているキズから今朝も見た二年ほど前から有る貰い物の置物、そのものであることがわかる。
恐る恐る触ってみたがなんの変哲もない。
いつも通りの感触である。ちべたい。

とりあえず、腹が減っては戦はできぬ。
ついでにメイクもまだ落としていない。
お肌の曲がり角なんざとうの昔に過ぎ去ってはいるが、わざわざ老化を早める道理もないだろう。

顔洗ってごはん食べたら元通りかも知れないし。

そんなことはなかったぜ。

洗顔してごはんを食べてお風呂入って戻ってきて、やっぱりクリスタルガラスのお花は鎮座ましましてる。
なんだっけこれ。
あ、桜……だったかな?
台座に書いてたかな……あった。
桜…品種:ソメイヨシノ
ライブラリで見たことはあるけどなぁ記録。
なんかうっすーーーーーーーいピンク色の可愛い花。
でも季節になると木にぶわぁって咲くんだったか。
へえ。
枝の先ひとつだとこんなものなのか。

当たり前だが考えてもわからない。
常識の範疇からはまあまあ外れた事象だし。
こんなときは(二年前だし覚えているかは怪しいが)くれた人間に確認するのがよかろうと
「二年前、引っ越し祝いにくれたクリスタルガラスの桜が咲いたんだけど、なんか知ってる?」
と、写真と一緒に送ってみた。
我ながら怪文書である。

もしかすると貴重な友人を失くすかもなぁなんて柄にもなくヒヤヒヤしながら返事を待つと
「え、ほんとに咲いたの?冗談だと思ってた!」
…………なんのこっちゃ。

彼女いわく
「大事にしてたら良いことの兆しを開花で教えてくれるかもしれない」
と、説明を受けて購入したらしい。
まあ、私だって冗談だと思うしもしかしたら貰ったときに聞いていたかも知れないが普通に忘れる。

確かに傷がついてしまったのはもらった日の翌日。
それ以降は経年劣化以外の傷はない。
(ちなみに、翌日早速傷つけてしまったのは引っ越ししたばかりでものが溢れていたせいもある。)
まあ、大事に………していたと言えなくもない…か??

なんにせよ、この不思議現象は良いことの兆しらしい。
まあ綺麗だし、これ事態が良いこととも言えるかもしれないが、まあ明日も早い。
なんとなしの恐れは消えたので心安らかに寝てしまおう。

それじゃあおやすみなさい。


(見出し画像はぱくたそ様より)

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