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ロンドンで本物のトトロに出会えたお話

ロンドンでやってる、トトロの舞台。本っっっっっ当に良かったから迷ってる在英日本人は全員見た方が良い。。。わたしが責任をとります。

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わたしも号泣だったけど隣のイギリス人のおばさんも涙ぐんでいた、前の黒人の女の子も母親にもたれかかって泣いてた。大のおじさんたちもみんな目を真っ赤にしていた。スタンディングオベーションの鳴り止まない拍手の中劇場を出て、帰る電車でたくさんの人がトトロをカバンにぶら下げていた。



ネタバレなしで凄さを説明すると、あまりにも人気すぎて「席が取れない」から「再々演」なんですよね…わたしも夏に行こうよって言って一回断ったんだけど、再公演やってくれてて良かった。12月に行ったけど昼夜の2回公演あって、ほぼ満員です。良い席は瞬で売り切れ。
ちゃんと行って良かったー!公式のポスターが緑トトロで「トトロは俺らの物語なんだが???欧米人が勝手に歌って踊っての作品にしていいものじゃないんだが!??」と思ってたのを本当に反省する。トトロは私たちみんなの物語です。 原作リスペクトさとクオリティは我らが久石譲監修なんで心配いらないです。

不安になる緑トトロ

公演はバービカンセンターでやってます。この建物もブルータリズムっていうコンクリ剥き出しの無骨の美しさがある建物で
…まあ見てください(公式サイトhttps://www.barbican.org.uk/


脚本はほぼ原作通りです。違うとこ、カンタの父が出てくるくらい。ていうかトトロ、脚本が最高だよな。まずトトロ自体の物語構成が素晴らしいことを再認識する。

作中曲もほぼ同じというかそれ以上!!!生歌生演奏なので!!!いやーすごい、歌ってるのは歌手1人なんだけどそれが本当にすごい。舞台の上で楽器隊もいて月の光の元輝いていた。

歌詞は英語日本語半々で、これは作中のセリフにも通じるんだけど「トトロのストーリーを分かってれば英語が分からなくてもわかる・むしろ日本語のニュアンスが伝わる分日本人が見た方がお得だな」という感じがしました。絶対観た方が良いと思うんだけど……。いただきますの挨拶とか、直訳すると妖精ってなっちゃいがちなススワタリのニュアンスとか、僕たちの方が掴みやすくないですか。


役者は全員・そのほかのメンバーもほぼアジア人・アジア由来の人で構成されているそうです。「トトロは本当に数え切れないくらい観た、こども時代の大切なわたしの一部だった」と語るサツキ役メイ役の演技は圧倒です。

サツキ役とメイ役

わかる、最初は「え、大人がやんの?」てこの写真に不安しか覚えなかったけど、観たらもうサツキメイにしか観えなかった……お父さん役もめちゃくちゃいい味出してた。


この、アジア人で構成されたメンバーで素晴らしい公演をこのロンドンで行ったこと自体が業界を揺るがす出来事だったと、インタビューでは語ってくれてた。

Okumura Jones says ‘This production says irrefutably to anyone who is still holding on to the excuses: there are no more excuses. 
This is an entirely East and Southeast Asian cast, many of the creative team are Asian too, and it’s a huge success.There are no more excuses for not making space for us, not allowing us to represent ourselves on stage.

オクムラ(サツキ役俳優)は言います。「まだ言い訳をしている人たちへ、言い訳の余地はもうありません。この公演を創りあげたのは、完全な東アジアおよび東南アジアのキャストであり、クリエイティブチームの多くもアジア系です。そして、大成功を納めました。私たちにスペースを作らせない、私たちが舞台上で自分たちを表現することを許さないための言い訳はもうありません。

バービカン月報

(壁側意訳 間違ってたらごめん、わたしはトイック250点)

書かれてはいなかったけど、やっぱりアジア人の立場は低かったんだよね。


結局何がすごいのか? 一言、「舞台演出がすごい」に尽きる。

音楽も脚本ももちろんすごいんだけど、舞台演出が何せすごい。もうここからは前情報なしで行ってほしいから読まないで欲しいんだけど、場面の移り変わりも大好きなあのシーンもこのシーンも全部多彩な表現で魅せてくれるのが良かった。ひとつとして同じ転換がない。

「映画でいいじゃん」じゃない、最新技術を駆使してるわけじゃない、舞台だからこその素晴らしい展開だった。

具体的にいうと、トトロとネコバスも全部「黒子さん」が動かしていて、その動かしをちゃんと観客が見えるようになってるんですよね。人形劇に近い。

この中小トトロは人形で動かされていた

この舞台の主役は黒子だと思う。黒子が家を動かしてまっくろくろすけを動かして、時々モブ役もやって……「黒子」なのに存在感バリバリなんだけど、それが舞台の要になってる。


日本の宗教観フィルターがかかってるのかもしれないけど、私たちの人生にも見えない妖怪たちが、いろんなところで私たちを支えてるかのように、黒子たちが楽しく舞台を支えてるのが、この物語におけるトトロのような。

わたしたちの人生にも見えない黒子さんたちが笑いながら助けてくれてて、それはもしかしたら知らない遠くの人かもしれないし、怪異と畏れられる異形かもしれないけれど共存して暮らしているんだ。

黒子さんがネコバスを動かすところはネブタ祭りだ〜てワクワクしたし、小トトロを動かすのは人形劇だ〜っかわいい!!!て感じ。それらがまっっったくチープにならないどころか、ひとつ一つの動きが全体の舞台を構成しているところが「舞台芸術として」最高峰を極めたところだと思う。

舞台観た興奮で描き殴ったレポ絵


「タネも仕掛けもわかってて」「それでも魔法にかかった」ような体験でした。トトロは森の中にいたし、空を飛んだし、夢だけど夢じゃなかった。


みんなに観て欲しいし、日本にも来てくれたらな〜〜と思う。
最高な舞台でした、ありがとう。

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