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地域は自分たちで守るもの、とわかった館山リサーチ【新しい働き方LAB研究員制度 千葉県館山市CIRCUSプロジェクト】

ランサーズ社が運営するフリーランスコミュニティ「新しい働き方LAB」のプログラムである今年度の「研究員制度」にて、千葉県館山市にある「CIRCUS」という不動産の再生プロジェクトに参加しています。

CIRCUSを活用してやりたいことをやっていい、ということなので、僕は不動産には1mmも関係のない「アート作品づくり」をしようと思います。

(ちょっと遅くなりましたが)7月の活動報告書として、7月に館山を訪れた際のレポートを書きます。

「作品づくりのためのリサーチ」と「ただただ館山で楽しく過ごす」ことを目的とした滞在だったので、その様子が伝わればいいなと思います。

那古寺から見る館山の海の景色

研究計画書はこちらです。


【なぜリサーチ?】

なぜリサーチに時間を使ったのか?ということですが、シンプルに「館山だからこその作品を作りたい」と思ったため。

館山の物件に飾ってもらうのなら、館山にちなんだ作品にしたいし、館山の一部でも知れるようなものにしたかったからです。

【何をリサーチ?】

「リサーチ」と一口で言っても対象は死ぬほどあるので、このプロジェクト期間中は以下を対象としました。

  1. 館山の歴史、文化

  2. 館山の地理、自然

  3. 館山に集う人たち

3は活動をしている中で自然に出会えると思ったので、今回は1,2をリサーチすることにしました。

館山市立博物館

【リサーチについて】

やったこと

7月15日〜18日の滞在の中で、このようなことをしました。

  • 図書館で館山(房総)に関する本を読む

  • 博物館で館山(房総)の歴史・文化を知る

  • その中で見つけた気になる場所に行ってみる

分かったこと

その中で分かったことは本当にたくさんありますが、特に面白かったものをかいつまんで紹介します。

①地域のピンチに地域住民が立ち上がって、街を守り抜いてきた

館山の歴史を本当に一部だけ抜粋して書きます。

30,000年前から人類が住んできて、ナウマンゾウなど食料になる生物を探し歩いて生きていた
→マンモスなどとの戦いで、人間が協力して人間の生活を守り抜いてきた

太平洋の入り口となる立地で、関東地域の貿易拠点として重要な役割を担ってきた
→船で往復できる鎌倉とは特に友好関係にあり、鎌倉幕府時代には幕府寄りの人物の里見氏が房総地域を統率していた
→秀吉の時代になって戦いがしづらくなり、徳川幕府からは里見氏は良いように思われなかったため、大坂夏の陣を口実に里見氏は房総から退陣させられ、地域時代の力も弱くなっていった
→その後食糧危機に陥った時には住民が立ち上がって一揆を起こし、複数の集落で協力して寺院を修復した

時代が違うこの2つのエピソードに共通して言えるのは、「地域の危機に地域住民が立ち上がって守り抜いてきた」ということです。

外から殿様がやってきたとて、抗えぬ力で勢力図が変わったとて、最後の砦になるのはやっぱりそこに住む人たちで、その人たちの勇気があってこそ今の館山市があるのだと感じました。

地域住民で再建した那古寺の多宝塔

②必要なものは自然の中にすでにある

図書館に行った時、僕はなぜか「千葉県の湧き水」の本を手に取って読んでいました。

大学の専攻が河川工学で、元々水に関することに興味があったのですが、湧き水の本を手に取るのが僕らしいな、と思った出来事でもありました。


で、館山市内にある湧き水スポットを見たくて連れていってもらったのですが、それが変わったスポットでして。

神余(かなまり)の弘法井戸(「塩井戸」とも呼ばれる)という井戸で、別名の通り、他の湧き水と比べて塩分がかなり高く、水温も5℃近く高い井戸になります。

詳しくは以下のページを見ていただきたいのですが、ざっくり書くとこのような井戸です。

ある女性が作った小豆粥を僧侶にあげると、塩気が少ないことに気づいた僧侶がその理由を尋ねる
→「貧しくて塩が買えない」と女性が答える
→川のそばに行き、僧侶が杖を地面に突き刺して祈祷しながら抜くと、塩辛い水が湧き出るようになった

「ホンマかいな」と疑いたくなるような話ですが、本当のことなのでしょう。

ちょっと飛躍した解釈ですが、僕はこのことから「必要なものは自然の中にすでにある」と思うようになりました。

人間も自然の産物の一つですし、人間が生きる上で必要なものも自然界にすでにある、ということなのでしょう。

この井戸は塩でしたが、僕たちが知らないところにまだまだ自然界から取れるものがたくさんあるのかもしれません。

神余の弘法井戸。泡がぷくぷく浮いていたので、今もなお湧いているのでしょう

【リサーチを踏まえてどんな作品を作るのか?】

ざっくりこのような、充実したリサーチでした。

これを踏まえてどんな作品を作るか?はまだ決めていませんが、イメージは少しずつついてきています。

今回は歴史・文化のみのリサーチだったので、ここに「自然」や「人」の要素を絡めた作品にしたいと思っています。

【その他】

今回初めて滞在したCIRCUSは、主宰の蓑口さんから前から話を聞いていた通り、「そこに集う人たちが普通に暮らせて幸せを感じる場所」になる気がしました。

「普通に」というのが重要で、豪華な家具とか特典とかなくったって、信頼できる人たちと一緒にいれば何もしなくても何もなくても楽しいんですよ。

みんなでご飯を食べながらテレビを観ている時に「普通っていいなあ」とめっちゃ思いました。

また、館山といえば夕日で、今回も夕日を観れてよかったです。

人間には太陽が必要だ。

【今後の予定】

8、9月は今住んでいる宮城で固定の仕事があるので、館山には行かない予定です。

なので、リサーチの内容を踏まえて作品の案を考えていこうと思います。

では。

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