ハイボール

いつも、泡の向こうにいる。

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c.a.t.

「生まれ変わったら?」 「そう。もしも生まれ変わったら君は何になりたい?」 おかしな事を聞く男だ。この手の質問を投げかける男は人間を掌で転がしている錯覚に溺れているものだし、ましてやそれがベッドの上ならば、錯覚の度合いはより深刻であることが多い。 希望する転生先に本人が抱えている現状への不満や無意識下の欲望が内包されているのは事実だが、この男は出会って間もない人間が自分に本心を開示すると本気で思っているのだろうか。 鏡越しに視線を観察されている様子に気づいたわたしは天

    • ぷかり

      UMAって、油断すると現れる。 『時間は有限で、贅沢品だ。人生最高のゼイタクとは時間を無駄にすることだ』と、ネッシーが言った。 (こいつ、しゃべれるのか・・・) とわたしは思った。 彼(あるいは彼女)がどれほどの時間を有しており、その大切でゼイタクな時間をどれほど無駄にしたのかはわからないけれど、言いたいことはなんとなくわかった。 UMAにも知性があり、それっぽいことを語り、人間の興味を誘う。それからしばらくの間、わたしは人生の時間を無駄に費やしてみた。ほんの十七ヵ月