キンタマvol.1

こんにちは、スミイチ荒井です。

以前、ライブMCでこんな話をした。

「僕のキンタマが可笑しいので入院することになりました」

可笑しいと言っても形や色ではない。

形や色は皆と同じ。

なにが可笑しいと言うと種がないらしい。

種と言うと分かりにくいかもしれない、精子のこと。

要するに種無し。

競走馬は走って賞金を稼ぎ、競走馬を引退した後は種牡馬として未来を繋いでいくのに。

要するに馬以下の人間。そんな人間。

自分自身では全く悲観していないので大いに笑える。

けど、他の人からしたら「えっ…」ってなるみたい。
なんでだろう。

自分のことで本人がこんなに笑ってるのに他人が笑ってくれない。

笑ってくれる人はいるけどそれは俺が芸人だからだろう。

一般の方だったら笑ってもらえることもなかったと思う。

でも俺は腐っても芸人、これから書く内容については悲観することなく大いに笑ってほしい。

前置きが長くなりました。

こうなった経緯をゆっくりと書いていこうと思います。



この事実が発覚したのが22歳の時。

当時、僕には2年ほどお付き合いしている女の子がいた。

年齢で言うと俺のひとつ下、天真爛漫で可愛らしい子、いろんな人に愛されるような子だった。

そんな子とお付き合い出来たのは俺の人生でトップクラスに運が良い出来事だったと思う。

そんな運を手放したのは俺、自分自身だった。

当時の俺はイケイケで女遊びが激しく、落とせない女の子なんていないぐらいに思っていた。

実際のところ、言い寄った女の子はほぼ意中にしてきた。

そんな有頂天な俺の目の前に現れた女の子、それがその女の子だった。

有頂天だった俺は人が変わったようにその子を愛し始めた。

誕生日には旅行へ連れて行き、SNSを使って彼女の友達に連絡をして好みのアクセサリーや今欲しがっている物のリサーチ、普段の会話で何気なく情報を入手して趣向を感じとる。

あれだけ遊んでいた自分がここまで女の子の為に出来るんだなと自分でもびっくり。

ここまでしたという自負があったので当然、頭の片隅に「結婚」と言う文字が浮かんできた。

だが、「結婚」と言う「空想」が「現実」を「否定」してくるようになった。

こうなったら俺の股間は脳とリンクしなくなる。

俺の脳は「もっと大事にしないと!よく考えて行動しよう!」と股間に問いかける。

俺の股間は「今が楽しくないとダメでしょ!避妊?知らねえ!知らねえ!」と聞く耳を持たない。

避妊などしなかった。2年間のお付き合いで一度もない。飛ばしまくり。出しまくり。20代前半。若気の至り。

最初は感動した。こんなに違うものかと。

だがその感動は会うたびにだんだんと薄れていき、「日常」になっていく。

これが「日常」となったらもう歯止めが効かない。

そんな2年間を過ごした。

色々あり、そのお付き合いに別れの時がきた。

悲しかったが前を向くしかない、そう思っていた矢先、俺とその女の子の共通の友人から一本の連絡。

「◯◯ちゃん、妊娠して結婚するらしいよ」

続く


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