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【短歌】鹿が来てるよ |文語の定型短歌を詠む 11


2012年2月 詠


先に起きしつまに呼ばれぬ低き声で「静かにおいで鹿が来てるよ」


五頭のうち二頭は子鹿山荘の向かうに遊ぶ雪のあした


雪の下のやはらかきものを透視する能力ちからを鹿は有すると聞く


美しきこの生き物も有害獣駆除の対象ニホンジカなり


降りしきる雪の森へと帰る鹿白き尾を立て軽やかに


雪原になりし田んぼを凝視するふくろう一羽森のの木に

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初出:『橄欖』2012年5月号 一部を加筆修正しています