【短歌】薪束の|文語の定型短歌を詠む 32
天窓を覆ひし雪の垂れ絹を透かし射し入る朝の光は
昨夜また新たに降りし雪の上に鹿の番ひの足跡のあり
暖炉の火首尾良く熾きて疾く立ちて良きにそのまま眺めて居りぬ
薪束の陰に隠れて眠りゐし越年蜻蛉覚めて飛び上ぐ
陽光に氷柱きらめく昼下がり夫の薪割る音響く森
2014年1月詠 『橄欖』2014年4月号 初出
天窓を覆ひし雪の垂れ絹を透かし射し入る朝の光は
昨夜また新たに降りし雪の上に鹿の番ひの足跡のあり
暖炉の火首尾良く熾きて疾く立ちて良きにそのまま眺めて居りぬ
薪束の陰に隠れて眠りゐし越年蜻蛉覚めて飛び上ぐ
陽光に氷柱きらめく昼下がり夫の薪割る音響く森
2014年1月詠 『橄欖』2014年4月号 初出