【短歌】邯鄲|文語の定型短歌を詠む 28
山荘の朝ブラインドを引き上ぐれば窓の硝子に邯鄲一頭
窓硝子の外側の面に貼り付きて邯鄲は森の緑に浮かぶ
深夜まで読書してゐし昨晩の窓の灯に邯鄲の来ぬ
邯鄲の身に透き通る早朝の光に夏の終はりを帯ぶ色
表戸の格子に小さき枯葉かと見れば擬態の得意な蛾なり
枯葉色の蛾と赤蜻蛉と虫の音に短き山の秋始まれり
2013年8月末 詠 『橄欖』2013年11月号 初出
山荘の朝ブラインドを引き上ぐれば窓の硝子に邯鄲一頭
窓硝子の外側の面に貼り付きて邯鄲は森の緑に浮かぶ
深夜まで読書してゐし昨晩の窓の灯に邯鄲の来ぬ
邯鄲の身に透き通る早朝の光に夏の終はりを帯ぶ色
表戸の格子に小さき枯葉かと見れば擬態の得意な蛾なり
枯葉色の蛾と赤蜻蛉と虫の音に短き山の秋始まれり
2013年8月末 詠 『橄欖』2013年11月号 初出