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スルメ女が釣れる場所はどこ??

食べて。

私を食べて。

食べたら分かるの。

だって私はスルメ女だから。

保育園の先生を夢見て、やっと働き始めた20代前半。働くのも、先生になるのも初めての経験。毎日行くだけで必死で、クタクタになって、気が付いたらリビングで転がっている毎日だった。

保育士にとっての問題点は

・給料が低い

・重労働

最大の問題は、

自然な出逢いが全くないこと。

社内恋愛をしたいなら、恋愛対象を女性にするしかない。

学生時代の友達(もれなくみんな保育士)と土日になると、飲み会という名の合コンを開き、出逢いを求めて回った。

「こんばんは…」

扉を開けると

「あー!!おいで!おいで!」

ジャケットを脱いで、あぐらをかいている男性が呼んでくれた。

「ありがとうございます」

静かに座り、様子を伺っていると

「おー!こっち!こっち!」

続々と男性陣がやってくる。

「こんばんは」と会釈するくらいが、自分の限界だった。

人見知りは激しくない。ただ、男性としゃべるということに、極度の抵抗感があった。

女として高すぎる172cm

切れ長で、睨んでるみたいな一重

ぽっちゃり体型…

自己肯定感0なのです。

今思うとひどすぎますが、

かわいくない私と話すことが楽しいと思う人なんて

いないと思ってました。

「乾杯ー!!」

しっとりとグラスを合わせ、

「よろしくお願いします」挨拶する。

「サラダいりますか?」

「えっ!?いいの?気効くね」

「いえいえ」全員分を取り分ける。

別に人の役に立ちたいとかそういうのではない。

気配りは私の唯一の武器だと思っていた。

見た目で勝負出来ないなら、中身で。

自分から話すことも出来ない。

「そうなんですねー」と相槌するくらいが精いっぱいだ。

人の皿とグラスを見て

適度にメニューを渡す。

気になる人にも、そうすることしか出来なかった。

「アドレス教えてよ」

帰りに連絡先交換する。

話せなかった。今日も話せなかった。メールでやりとりすれば、話は出来ると思った。

帰り道

”今日はありがとうございました。またお話したいです”

メールする。

電車に揺られて、窓に映る自分と対面しながら

私は一体何をしているんだろう。

お金を払って

人のごはんばかり気にして

にこにこしてて…

電車から降りても、その人からの返事は来ない。

風呂に入って、布団に入る頃になっても

結局来なかった。

問い合わせして、3日間画面とにらめっこして、念じてもその人からのメールは来なかった。

何度も合コンに行って思った。

私は一発勝負に向いてない。

合コンは、プレゼン能力がいる。

自分のよさを理解し、

狙っている人にアピールする。

ぱっと見て、分かりやすい

断面萌えケーキみたいな人が行く場所だ。

私はスルメ。

瞬間的においしさを分かってもらえない。

時間をかけて、話して、やっと人間性を分かってもらえる。

もうプレゼン会場に行くのは疲れた……

どこか自分のよさをじっくり味わって

分かってもらえるところはないのか……

釣りは漁場で50%が決まる。
どんないいエサをもっていても
いいサオを持っていても
魚がいない所に、糸を下ろしていても釣れない。

合コンなのか
お見合いなのか
紹介なのか……

キレイじゃないとか
性格が悪いとか
自分を責めて、落ち込む前に。
自分がどこの漁場で釣るか。
見極め、選ぶことがしあわせへの最短ルートだと思う。


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