人は何のために書くのか(ChatGPTと一緒に本を書こうプロジェクトをやって思っていること番外編)
「いやこいつ、番外ばっかだな」と思っている方、すみません。
ChatGPTで本を書こうとか小説を書こうとかしているのですが、いくつかやり取りをやっていて、思ったことがあるので備忘録がてらメモします。
「書いている気がしない」
……いやもちろん、書いていないので書いている気がしないのは至極当然、そのままなのですが、何のために「書く」のかについて、改めて問われている様な気もしました。
何のために書く?
正直「ChatGPTに書いてもらいまくって量産だぜ〜」的な文脈であればまあ多分問題ありません。今現在noteで出している分だけでも、もう少し捻ったらChatGPTで全編執筆、できそうです。
ただこうして作った本って、私の頭から出たものではないというか、投影されたものではないというか、「私じゃなくてもいいよね」という一般的な話しかないのですね。
もちろんネタを与えるのは私ですし、私のエピソードだって入れられます。ただそうじゃない。
「書く」行為そのものから来る「自分の中の情報の渦巻きを世に出す」という性質が、ChatGPTで全編書いた本にはないのです。
他の人はどうかわかりませんが、少なくとも私は常に脳内に色々な情報が渦巻いています。情報、というとエラそうですが、その時々の感情や過去とか未来を含めた思考、言葉にならない考えとか、とかく常に色々な情報が頭の中に渦巻いているのです。
パソコンで言うなら16GBメモリの13GBくらいが常に使用中みたいな、車で言うならガソリンタンクが変なもので埋め尽くされていて、タンクの1割くらいしか入れられないような、そんな感じなのです。そんな方、いませんか?
そんな私にとって、「書くこと」というのは実にスッキリすることなのです。
どうしてスッキリするのかを分解しましょう。何かしらの(コンテンツになる)文章を紙面(やモニター)には吐き出すためには、頭の中の情報の渦を紐解いて「ある程度まとまった形」にしないといけないのですね。その過程で頭の中がスッキリするのだと思います。
あと目に見える形に残ることで、そのことが一旦自分の中で「終わったこと」にもなって忘れられるのかなと。
ChatGPTに書いてもらう、ということ
で、それで行くとChatGPTに書いてもらうと結局、頭の中の情報がまとまらないのです。初めになんとなく頭の中にあった未編集の状態の情報がそんなにまとまっていない状態で「こんな感じの内容で書いて」とインプットし、ChatGPTからアウトプットを受ける様な構図になるので、「なんか違うな」となりがちなのですね。
そもそも自分の中に答えがない状態なので、こうなるのも当たり前かなと。もちろん、文章の生成AIは次に続きそうなもっともらしいことを返してくれるシステムなので、自分が書きたいことが「世の中的に一般的だと言われていること」であれば「そうそう、そうなんだよ!」と回答を見て自分が思っていたことを代弁してくれた形になりやすいとは思います。
ただ世の中の一般とちょっとズレたことを考えていると、ChatGPTからの出力を見て「あ〜うん、まあそうだよね、ただ思ったのとはちょっと違うんだけどな〜」と思ってしまうわけです。
「ChatGPTと書く」の可能性について
ということで、「ChatGPTに書いてもらう」については結構使う場所が限られるというか、こと「自分の考えやナレッジ(経験・知識)に基づいた本を書く」文脈においては筋が悪い、と言わざるを得ないかもしれません。
事前にChatGPTがめちゃくちゃヒアリングしてくれて、それに対してユーザーが懇切丁寧に回答して、その上でChatGPTに書いてもらう、みたいなフローを入れたGPTsを作れば「ChatGPTに書いてもらう」こともできなくもないのとは思います。
ただ「ChatGPTに本を書いてもらう」と考えている時点で「めっちゃじっくり考えよう」と腰を据えてChatGPTと向き合う姿勢になっていない人も多いと思うので、作ってもあまりウケないだろうな〜とも同時に思うのです。
なので、今のところ本については「ChatGPTと書く」がいいかなと思います。ChatGPTに企画を持ち込んで拡げてもらい、全体像を把握するために使い、執筆は自分で行う。そして編集、校閲、校正についてはChatGPTに行ってもらう、みたいな流れがいいでしょうね。そのほうがオリジナリティも品質も担保できますし、頭もスッキリすると思います。
あとがき
とはいえ、「執筆においてChatGPTはまったく使えない」というわけでもないのかなと思います。
誰が書いても同じ内容、みたいな部分って本の中でもいくつかあると思うのですね、そういう部分をChatGPTやBing、Perplexityなどに文章を構築してもらい、参考にしながら自分で書く。
あと、人によってはめちゃくちゃ細かいプロットを箇条書きで書いて「この流れを私風に文章にして」みたいな指令を与えることで、内容は自分の思った通り、内容の文章化だけAIに、みたいなことも可能かと思います。
まあ私の場合そこまでやるのなら自分で書くほうがいいかな、と思いますが、書き慣れていない人ならそのほうがストレスなく書けるかな。
自分っぽい文章の作り方についてはまた後々ご紹介します。
それではまた。
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