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フリーランスとして残るのに必要なのは自走力と想像力かもしれない

「結局『自走力』がないと厳しいよね」
先日2人の実力派Webライターとお話ししたときのこと。
とあるライターのAさんの話になりました。

Aさんは2人のうちの1人の知り合いで、ライター歴も数年と決して短くはない感じ。
にもかかわらず、Aさんは全然稼げていないらしく「Aさんに何かできることはないかな〜」という相談だったのです。
クラウドソーシングで高単価案件が取れず、Twitterで案件に応募するも単発で終わってしまう、とのこと。

話を聞くと、自走力に問題があるのは明らかでした。

自走力とは物事を自分主体で進めていく力のこと。
もう少しいうと「何かしらマスターしようとしていることについて、自分主体で情報を引っ張ってきて情報の正確さや優先順位について仮説検証し、その結果をもとに自分の考えや進め方を修正し目標達成に近づいていく」プロセスを考え遂行する能力のことだと思っています。

すごく難しい言い回しをしてしまったので端的にいうと「Webライターとして稼ぎたいなら、それには何が必要か考えて、実際に試してみた!?」みたいな感じ。

というのも、Aさんの知識としてはSEOとは何かすら知らないレベル。
だから私に相談してくれた凄腕ライターさんがAさんの記事を添削しても、Aさんにはチェックした部分の意味がうまく伝わっていないようで、同じミスを繰り返すそう。

(多分Aさんと私たちとでは見えている世界が違いすぎて、同じ日本語を使っていながら同じものについて話せないんだな……。)

そう判断した私は、Aさんをそれなりのリテラシーのあるライターにするにはどうすればいいかという相談に対して「正直自走力のある方じゃないと、フリーランスって厳しいよね」という結論に一旦落ち着けたのです。


ただなんとなく「すべてにおいて自走力のない人間なんているのだろうか」という疑問もあり、もう少し考えてみました。

「すべてにおいて自走力がない」というのは人生常に待ちの姿勢、指示されなければまったく動けない、趣味も仕事もすべて他人任せ、ということになります。

猿でさえ必要に迫られれば道具を自作する現実を鑑みるに、そんな自分の人生に対して当事者意識がない人なんて存在するのだろうか……。
そもそもAさんは誰かに相談しているということは、漠然とした悩みは一応持っていたはず……。

反対にどこかしらに自走力があれば、その環境を再現することでAさんも自走力のあるフリーランスになれる可能性があるということです。

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ということで、ここで一旦話を整理しましょう。

今回のケースにおいては「自走力」を取り上げましたが、結局これだけ情報が有料・無料問わず溢れているWebライター界隈において「稼ぐために『スキルの向上が不可欠である』ことをまったく理解していなかった」点が問題なんですね。

Webライターが稼ぐために必要な事は「コスパのいい案件の探し方」だけではないはずです。もちろんコスパ案件をすすめる人もいますが、ライターに本質的に何が必要かについては、私を含め多くの人が発信しています。

それにもかかわらず「ちょっと待てよ、全然稼げない。これは案件選びではない『何か』が私に足りないみたいだぞ」と気が付けないのは明らかに想像力不足。

そこで私が立てた仮説が「想像力」

想像力とは読んで字の如く「想像する力」。なのですが、それで終わってしまうと「じゃあ想像力が足りなかったんだね、よかったよかった」で話が終わってしまうのでもう一歩踏み込みましょう。

ここでは「無知の知」というか「きっと私には何か知らないことがあるのではないか」と想像する力とします。何を知らなければいけないのだろう、と想像する力は「今からコレをマスターするにあたって、その『全体像と肝』はなんだろう」と考えるきっかけになります。

今までで何かしら成し遂げた(資格の取得でもゲームのクリアでもなんでもいいです)経験のある人ならわかると思うのですが、何かに新しいことに挑戦するときにまず把握するべきは「全体像」と「肝」ですよね。

全体像が分からなければ目指すべきゴールがわかりませんし、肝(ボーリングから「センターピン」と表現する人もいます)がわからなければ、かなり回り道をすることになります。

ちなみにフリーランスにおける肝とは、クライアントに対する価値提供だと信じています。

価値提供に重きをおかないフリーランスは、どれだけスキルがあっても長くは続かないでしょう。せっかく持っているスキルがクライアントに向いていないんだから、いずれ選ばれなくなります。

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さて、ここで「まずは全体像と肝の把握が必要だよね」と聞いた人は、今後何かを始めるときに「何もわからず立ち尽くす」ことがなくなります。

本なりWebなり誰かに聞くなりして「自分なりの全体像と肝の把握」をすればいいのです。

で、実際やってみて想像していた全体像や肝が現実とどう乖離しているのかをチェックし、方向性を修正する。

この流れってつまり自走なわけで、つまり知識さえあれば想像力がなくても自走はできるんですよ。

もっというなら「全体像と肝を探そうね」という知識すら必要ありません。

すでにそのジャンルで全体像と肝がわかっている人から直接、知識として全体像と肝を教えてもらえばいいのです。

世の中にはピアノや英会話スクールなどの習い事を始め、ライター界隈でも最近流行りの薬機法講座をはじめコピーライティング講座、SEOライティング講座など様々ありますよね。

これらは結局のところ全体像や肝をその道のプロから直接聞くことにより、想像力がなくとも自走できるだけの下地を最速で身につけるために需要があったのです。

「ピアノを独学でここまで弾けた」
「英会話教室は意味がない」
「コピーライティング講座とか不要、そんなの習ってないけど私の文章から物は売れている」
「SEOライティングとか知らなくても稼げている人もいる」

このようなことを言う人も中にはいますが、そういう方はスタートの段階で「自走力」も「想像力」も十分にあったのです。本当におめでとうございます。

もちろん高額にもかかわらず得るものの少ない「詐欺まがいのスクール」は、さすがに私も反対ですよ?
ただすべての講座に共通するメリットが言語化された以上「自分にとって不要だったもの」が「万人にとって不要」かどうかはよく考えたほうがいいかもしれませんね。

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さて。
「想像力は最悪なくても知識でカバーできるよね」とは言いましたが、ここで重要なのは「自走力は絶対必要になる」こと。

想像力や知識の有無にかかわらずです。

どれだけ素晴らしい学歴の人でも社会で通用しない例があるように、同じスクールやオンラインサロンを利用してもフリーランスとしてやっていける人といけない人がいます。

その違いは「自走できるだけの下地を持った上で自走するかしないか」にかかっています。

ゲームでいうなら攻略本を読み込んでゲーム本体も持っているのに、ゲームを実際にはプレイしないようなイメージ。

やっぱりゲームの攻略本を読むのと、ゲームを実際にやるのは違うじゃないですか。動体視力の問題や、どうしても攻略本に載りきらない細かな部分は自分で対処する必要がある。

フリーランスにおいても、攻略方法を知って満足する人が多いこと多いこと。

現実はゲームのように勝手に難易度調整がなされるわけではないので、簡単に成果は出ません。だからこそ仮説を立てて地道に軌道を修正する必要があるのです。

この過程を自分主体でやることが「自走力」。

自走力が生まれ持って完璧に欠如している人を私は見たことがありません。
ただ趣味とかゲームには遺憾なく発揮している自走力を、仕事ではうまく発揮できていない人はそこそこ見る印象です。

このnoteが今困っている人のちょっとしたヒントになれば嬉しいな、と思います。

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