「コスパ案件」にモヤるのは、そこにミイラを見るから
コスパ案件とは、私が勝手に命名した「単価の割にラクな案件」のこと。
・工数が少ない
・報酬が高い
以上2点があればコスパ案件と言えるのではないでしょうか。
正確な定義はまあどうでもいいんですよ、ここでは重要ではないので。
最近SNSなんかで「案件選び超重要、自分にスキルなんかなくてもコスパのいい案件を選び続ければ稼げる」とか「コスパのいい案件探さなきゃ」みたいな文脈で語られることが多い気がして、正直結構モヤってました。
別にコスパを求めるのはいいんですよ。
「無限にクライアントに尽くせ」とか「若い頃の苦労は買ってでもしろ」みたいな老害コメントするつもりはありません。
ただ、なんか大事なことを忘れているような気がする。
ずっとモヤり続けること一週間「いや、やっぱコスパって大事だよ、ビジネスなんだから。クライアントだってライターにコスパを求めてくるじゃん」となったところで、ようやくひらめきました。
ライターはクライアントにコスパを求め続けられてきたのです。
初心者のうちは文字単価0.5円でひたすら根拠があやふやな修正を言われ続け、ちょっと自信がついたからと挑んだ1.2円とかの案件では「どこまで使い倒すんや」といいたくなるようなカバー範囲を命じられた経験をした方、少なくないと思います。
私も同じような経験を何度もしました、本当に辛いですよね……。
多分「コスパ案件」の概念は「案件を選ばなければクライアントから搾取される。こっちだって案件を選んでやる」が根源にあるのでしょう。
もちろん案件は選ぶべき。
だって、それがフリーランスです。付き合いたい人とだけ付き合えばよし。
ただコスパを求めるがあまり、相手に損を押し付けるようなことがあっては、Webライター界全体の損失です。
我々ライターは損を押し付けれられてきましたよね、
使い捨てに、されてきましたよね。
同じことを別の善良なクライアントに、してしまう側に回るかもしれないのですよ。
たとえばあなたが営業かけて取った案件、あなた以外の誰かに頼めば同じ値段でもっと成果が出たかもしれませんよ?
もし自分の実力に自信があれば大丈夫。あなたはきちんとクライアントに価値を提供し、クライアントはあなたに相応の対価を支払う、それだけです。
ただ実力も勝算もないのに、とりあえず報酬がいいから、楽そうだからと言ってクライアントに平凡な記事を納めて「一人勝ち」する人が出てきてしまったら、同じフリーランスとして本当に悲しい。
「目には目を、歯には歯を」を地で行く姿勢は嫌いじゃないけど、我々を使い捨てにしてくるクライアントは、あなたが騙そうとしているクライアントと同一人物ではないんです。
ミイラ取りがミイラになるとは、よく言ったものですよね。
「それでも一人勝ちしたいんだ、私はやるぞ!!」というパンピーの方。
いいんじゃないですか。人間普通に生きていれば、何かしら守らなくてはならないものが出てくるものです。
ただ、必ず確実な価値提供をお願いしますね。
あなたのせいで「フリーランスライターとの直契約の営業は地雷であることが多いので、弊社は法人としか契約しません。会社を通してください」
みたいになる企業が増えれば、それだけ(介在価値の薄い会社も中にはある)Webマーケ会社みたいなのを太らせるだけで、フリーランスWebライター全体で見たとき損失です。
そうするとどうなるか、今度はWebライターを使い捨てにするWebマーケ会社が今より増えます。
だって、我々個人は会社を通すしか無くなるのですから。
「ミイラになってもコスパを追い求めるぜ!」をすると、長期的に損なのですよ。
一応私個人としては、一応この問題の解決方法は持っているつもりです。
それは「コスパ案件を求めるにふさわしい人材になる」こと。
ふさわしい人材ってなんやねんって話ですが、最低限仕事内容に関する知識と経験を持っている人物です。
プラスαで実績もあるといいですね。
Webライターの8割9割は「SEO記事(検索からの集客目的の記事)」を書いていると思われるので、この場合の仕事内容に関する知識は「SEOライティング」です。
どこまで勉強して一人前かの基準は人それぞれですが、こと「高単価案件を受けるにふさわしいだけのSEOライティングの知識」は、ハブ式SEOライティングメソッドで十分。
文字単価5円の案件を取り続けている私すめしのSEOライティングのナレッジを全部言語化して詰め込んでいるので、手前味噌ですが本当におすすめ。
https://writers-hub.com/lp/hub-seo-methodplus/
もちろん知識だけではダメですよ。
鬼滅の刃でも「知識を頭に入れただけだ。血肉になっていない」みたいな台詞がありましたけど、まさにこれ。
知識だけ頭にある状態では、まだコスパ案件に突進してはいません。
せっかくのコスパ案件なのに、知識が血肉になっていないせいで時間ばかりかかる上、相手に提供できる価値も下がります。
まずはコスパは一旦度外視して、鍛錬と経験を積みましょう。
炭治郎(鬼滅の刃の主人公)が鍛錬の末に大きな岩を斬ったように、書き続けているうちに「今岩斬ったわ」という瞬間が来ます。
その瞬間からコスパを意識し始めればいいのです。
即金性が高いことで有名(?)なWebライター業ですが「らくらく月収30万円」なんて幻想です。
日々SNSには嘘か真か『華々しい』ことだらけなので、結果を焦る気持ちも非常にわかります。
ただ一歩一歩、確実に進んでいきたいですね。
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