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青と橙のキャンバス(くじらぐも)

今日の空は、梅雨というのに、爽やかな青空と綺麗な白い雲でいっぱいだった。
私は思わず、小学生の時の自分のクセを思い出した。

私は1974年生まれ。今でも小学1年生では国語の授業で「くじらぐも」(中川李枝子さんの作品)を習っているのだろうか。くじらぐもにむかって「天まで とどけ、一、二、三」というセリフは懐かしい。
小学1年生の時の担任N先生は絵が得意な人だった。今、思えば、美術専攻の先生だったのだろう。N先生は、「くじらぐも」の授業では、国語なのに、文章よりも挿絵について、しっかり語りかけてくれていた。青い空にくじらぐも。
「あの青い空は、青いキャンバスだよ。『くじらぐも』じゃないものを空に書いてみようよ。みんな自由に白いクレヨン使ってごらん」
小学1年生の想像を掻き立てる、N先生の言葉。私は、この「くじらぐも」の授業がとても好きだった。おかげで、授業の後も、空を見上げては、雲に届かない小さな手で雲を動かしては、動物や食べ物を創作していた。

今でも、青空に白い雲があれば、何に見えるか、何を創作しようかとついつい、長く空を見上げてしまう。
夕暮れ前のウォーキング中、空を見上げると、そういうシチュエーションだった。私はN先生に教えてもらった青いキャンバスに、楽器のサックスを創作し、形取った。JAZZを聴きながらウォーキングをしている私は、演奏もできないのに、自分がサックスを気持ちよく演奏している気分になっていた。N先生は笑って見ているだろうな。
そして、コースの終盤、夕陽が西の空へ帰る頃、そのキャンバスは青ではなく、橙色だった。橙色のキャンバスと思って見上げた夕焼け空は今日が初めてかもしれない。創作意欲が湧くのかなと思っていたが、あまりの美しさにそのままのキャンバスを楽しんだ。

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【あとがき】
私の主軸は、消防防災の活動について考えることです。
この投稿で、あらためて白い雲の有り難さを感じました。私が住んでいる場所は、今、梅雨に突入していますが、まだ、荒ぶるような雨は降っていません。それどころか、今日は「くじらぐも」を思い出させてくれた素晴らしい空が広がりました。
日本では、ここ数年、梅雨末期に災害級の大雨が降っています。災害級の大雨の時は、キャンバスが全く見えません。限りなく黒に近い鉛色の厚い雨雲が一面に広がるのです。想像するのは記憶に残る災害の跡だけです。創作意欲は残念ながら湧きません。
気象技術が向上している現代、雨雲の動きはある程度予想できます。この投稿を読んでいただいた皆さんが、この鉛色の雲が近づく前に防災・減災の行動を起こしてくれることを切に願っています。

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