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2010年 阪神タイガース(2位)

2010年のプロ野球はどこも打高投低でした。中でも阪神タイガースは12球団1の得点数である718得点を記録。圧倒的な攻撃力有する打線は「第4次ダイナマイト打線」と言われていました。そんな2010年の阪神を振り返りましょう。


2010年シーズン前(09オフ)

前年大怪我を負い、わずか9年という短い期間ながらその現役生活で381盗塁を記録した不動のセンター・赤星憲広が引退。さらに2003年,2005年優勝の立役者ではあるものの成績が下降していた今岡誠が構想外に。そして藤本敦士がFAでヤクルトへ移籍。そして投手陣ではJFKの一角、ジェフ・ウィリアムスが退団と2000年代前半の2度の優勝を支えた選手たちが次々に引退。
ドラフトでは1位で二神一人を獲得。(今もなお現役の秋山拓巳は4位、原口文仁は6位で同期入団してます。)

外国人投手はランディ・メッセンジャー、ジェイソン・スタンリッジ、ケーシー・フォッサムを獲得。そして野手ではロッキーズからマット・マートンを獲得しました。
そしてなんといってもこの年メジャー帰りの城島健司を獲得。2005年ぶりの日本球界復帰となりました。ちなみに城島はマリナーズでメッセンジャーと同僚関係で当時登板機会が減少していたメッセンジャーに日本球界入りを勧めたそうです。

野手陣

2010年 阪神タイガース野手陣「第4次ダイナマイト打線」

まずはマートンの活躍が大きいでしょう。春季キャンプ時は解説者から軒並み酷評されていたマートンですが打率.349 17HR 91打点と1番打者とは思えないくらいの打点を稼いでいます。そして極めつけは214安打で現在に至るまでNPBの右打者の最多安打記録となっています。
マートンの次を打つ平野恵一も打率.350という高打率(なおこの成績で首位打者ではない。)
そして3番の鳥谷敬、4番の新井貴浩、5番のクレイグ・ブラゼルが揃って100打点以上を稼ぐというとんでもない活躍を見せています。これは前を打つマートン、平野が4割に迫る出塁率を記録したのも大きいでしょう。なお47HRのブラゼルですがホームラン王ではありません。
6番にはレジェンドの金本知憲がいますがこの年以降だんだん聖域化しつつあり、全試合出場ながら規定未到達という珍記録をしてます。
この年の金本はオープン戦の練習で若手野手と衝突したりしてますし42歳という高齢になっていたので仕方ないかもしれません。4月18日にはスタメンに金本の名はなく自身が持つ連続フルイニング出場が1492試合でストップ。一時代の終わりを感じる出来事でした。
7番を打つ城島はさすがの成績。打率3割、28HRと圧巻の成績を残しています。8番には前年から定着しだした桜井広大がいます。
チーム打率は.290とリーグトップ。野手のみの打率では.2996とチーム打率が3割に迫るという強力打線ぶり。2000年以降の最強打線の5本の指に並ぶんじゃないかと勝手に思ってます。(そこは異論も認める)

投手陣

2010年 阪神タイガース 投手陣

圧倒的な打線を有している影響で投手陣の成績がよくないということはありますが、2010年の阪神で規定到達したのは久保康友のみ。そもそも100イニングを投げたのが久保、スタンリッジ、42歳になる下柳剛の3人でした。前半8勝を挙げた能見篤史も怪我で離脱。また前年も先発ローテの一角で投げていた岩田稔も怪我をしていました。メッセンジャーは中継ぎとしての起用も後に先発起用でローテーションを回っています。
リリーフでは渡辺亮、大卒2年目の西村憲が60登板以上投げ一定の成績を残すと久保田智之と藤川球児が締めるという形が続きました。
ただ全体的にコマ不足という感じは否めず、投手陣の不安定さがこのシーズンでの優勝を取り逃したのかなと思います。

一時代の終わり

前述の通り金本知憲の連続フルイニングが1492試合でストップ。
さらに2003年、2005年優勝の際の正捕手矢野輝弘が引退。
1997年のオフに中日からトレード移籍すると正捕手のポジションをがっちりと掴み、40歳を超えても衰えない打棒でチームを牽引しましたがこの年は8試合9打席のみの出場に終わりました。
矢野の引退時代といえば湯浅明彦アナウンサーの「行くな!行くな!越えるな!」が有名ですね。甲子園での横浜戦、マウンドには藤川球児。そしてバッターは(引退試合クラッシャーでおなじみ)村田修一。藤川が四球などでランナー1,2塁とすると村田修一が藤川のボールを振り抜きホームラン。優勝争いをしていた阪神は結局矢野輝弘を出せずゲームセット。なんともいえない引退時代となってしまいました。矢野は打たれた藤川に「これまでお前のおかげでいっぱいええ思いさせてもらったよ」と声をかけるのでした。

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