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シン・ウルトラマンを見て

先日、シン・ウルトラマンを拝見させて頂きました。
その感想を綴らせて頂こうと思います。

・表現や描写について

物語に触れることなく感想を言わせて頂くと、
シン・ゴジラのように「今の日本にゴジラが現れたら」というものが近く、近年のウルトラマンに比べると現実的な話も多かったのではないでしょうか。
また、シン・エヴァンゲリオンで見られたCGなどの技術も健在で、「AAAヴンダーみたい」と思わされる芸術的かつ、存在感があり、とても心が躍りました。
個人的に、超おすすめできる!と言える内容となっております。
見た後も余韻に浸れました!

・世界観(以下本編序盤内容を含みます)

この世界はシン・ゴジラの世界観から少し進んだ世界、とでも言うべきでしょうか。
「怪獣が突然現れたゴジラ」に対して、
「巨大不明生物(のちに禍威獣)が突如現れ、自衛隊の力で倒しており、本編の時点で6体倒した実績のある世界」でした。
その中でも禍威獣事件に対処するためのチーム、禍特対が作られ、その中に主人公である神永(演:斎藤工氏)在籍しているという話です。
メンバーは室長含め4人で、生物学だったり、非粒子物理学者だったり、神永は公安からの出向でした。(作戦立案担当)

物語開始直後で7体目禍威獣の出現でした。
それまで自衛隊や禍特対の力で禍威獣を倒しており、兵器も米軍などから買っていたりとシンゴジラとはちょっと進んだ世界かなと思います。

それで、どうして神永がウルトラマンになったか、というところなんですが、
これ、Twitterやらネットで感想見て気付いたんですが、
「そもそも最初から神永がウルトラマンじゃなかったの?」
って思われてる方もいるみたいで、
いやいやいやいや、違うんですよ。
勿論、そういうウルトラマンもいなくはないのですが、ウルトラマンって基本的に「ウルトラマン(もしくはウルトラマンという力そのもの)」と「現地人」が別に存在していて、その2つが合わさって一緒に戦うお話なんですよね。(パッと思いつく例外はメビウスとジードでしょうか)

初代ウルトラマンも、現地の「ハヤタ隊員」と合体して地球で活動していました。

閑話休題、どうして神永がウルトラマンになったかという話ですが、
禍威獣が現れた際、禍特対は現場の近く(今回は結構山奥のところ)まで向かい、現場の自衛隊と連携を取りながら対処について指示を出します。
そして禍威獣が現れたら勿論一般人を避難させた状況で禍威獣に攻撃したり対処をするわけですが、
何と禍威獣が移動している方向の村に子供が逃げ遅れていることに気付きます。
神永は「子供を助けに行きます」と一人少年を救いに村へ向かいます。
怪獣は村のある方へ向かっていきますが、神永は少年を確保に成功、禍特対本部に戻っているであろうその最中でした。

突如空から、銀色の巨人降ってきます。
そう、降ってきたのです。

巨人、のちにウルトラマンと命名されますが、
ウルトラマンは自衛隊の攻撃でびくともしなかった禍威獣を圧倒的な力で倒します。
その後、空へと戻りましたが、自衛隊での観測から消えてしまう突如消失。
禍特対含めた人々にとって、未知の存在が増えてしまったことになります。

そして、怪獣が居なくなった後神永が戻ってきます。

このウルトラマンの対処を担当するために長澤まさみさん演じられる浅見が禍特対に加わることになり、神永とバディ関係を組むことになりました。
しかし、神永とコミュニケーションがうまく取れず、浅見はやきもきしていました。

・以下ネタバレ含みます(ウルトラマン知らない人にとって)



どうして神永が上手くコミュニケーションを取れなかったのか。
それは実は神永はウルトラマンが降ってきたときの衝撃で周囲の木々や石などが飛来し、子供を庇うためにその命は失っていたのです。
その様子を見ていたウルトラマンが、「自らの命を投げうってでも他人を守る人類」に興味を抱き、また、彼の命を繋ぎとめるために光の国の掟で禁止されている「現地人との一体化」を図ったのです。
そのため、浅見が会った後の神永は人格はウルトラマンのもの。記憶は残っているようですが、人間の常識などは持ち合わせていなかったのです。


と、ネタバレと記載はしましたが、これは初代ウルトラマンと同じような展開です。(常識とも思ってます)
というより、初代ウルトラマンはもっと酷くて、
地球を守るためにジェット機でパトロールをしてたハヤタ隊員に怪獣を負っている途中、事故でぶつかってしまい、ハヤタ隊員を殺してしまったのです。
そのお詫びとして一体化を図り、ハヤタ隊員として活動しながらウルトラマンとして地球を守ることにしたんですよね。

空を飛んでるときに事故でぶつかって殺してしまった初代ウルトラマンと、
地球に訪れた際、その衝撃で神永を殺してしまったシン・ウルトラマン。
とまぁ、初代のオマージュを行っているんですよね。

余談ですが、ウルトラマン達(ウルトラ族と呼ばれています)は宇宙の色々な星(というよりは宇宙の秩序)を守っています。
その理由についてウルトラマンゼロは「別に理由なんてねぇよ!ずっと昔からそうやってきた、ただそれだけのことだ!」と答えており、理不尽な悪意から弱い存在を守ろうとしているようです。

・現れる異星人(本編の大事なところ)

本作で禍威獣は現れますが、見どころはどちらかというと地球人にとって未知の科学力を持った外星人との関係性です。
外星人第一号、ウルトラマンが現れた後、
外星人第2号、ザラブが現れ、日本国政府と条約を結ぼうとします。
日本人からすると圧倒的に化学力の進んだ相手と一刻も早く手を結び、その技術をおこぼれでももらえれば大きなアドバンテージとなるのです。
実際ザラブは神出鬼没に現れたり、そこに出現しただけで電子機器を壊し、逆にそのデータを治すことも可能な存在でした。
今の日本、いや世界で考えると電子機器を好き放題操作できるというのは経済や生活、その全てを脅かされるということになります。
そんな存在が現れたら諸手を振って従うしかないですよね。
地球人の気にしていたウルトラマンについての情報も教えてくれました。

まぁ、悪い外星人だったのでウルトラマンに倒されるのですが(あっさり説明)(中身は濃かったですが、実際に見てみてください)

その後現れる外星人第0号メフィラス。
こちらは事前に告知の合った通り、山本耕史さんが演じられております。
彼は地球に予め住んでおり、元々コンタクトする予定であったと口にします。(そのため、3番目に登場しましたが0号を自称するのです)

彼はザラブとは違い、地球人に寄り添ってもいたと思います。
本人も地球を好きだと口にしておりました。
彼は宇宙の技術を不平等にすることなく日本人に教えることを口にしていました。
ただ、彼は地球人を兵器として扱うことを考えており、
ウルトラマンは地球人を生命として考えていたため、敵対することになります。
ちなみに禍威獣はこれまで日本にのみ出現していました。
その理由は彼の暗躍によるものであったと推察されています。
(どうして彼がそのような行動をとったのかも劇場で見てみてください)

・そして最後に現れたのは―――


ここは事前告知などで出ていない重大なネタバレを含みます。
実際に鑑賞後の閲覧を推奨いたします。

地球人に未知の技術を提供し、兵器として活用しようとしていたメフィラスですが、
その技術をウルトラマンに奪われ、戦うことになります。
しかし、その最中、彼はある存在を見つけてしまい、地球からの離脱を決意しました。

その存在とは―――

ウルトラマンと同じ、光の国からの使者「ゾーフィ」です。

ウルトラマンをご存じの方なら分かるかと思いますが、
最終回でウルトラマンは死にます
その死後現れたのは宇宙警備隊隊長「ゾフィー」
そのオマージュになります。

ウルトラマン最終回の話をざっくりと説明すると
宇宙恐竜ゼットンとの戦いでウルトラマンは命を落とす
→ゾフィーが現れ、ウルトラマンに光の国へ帰るように告げる
→しかし、ウルトラマンは「自分がいなくなったらハヤタ隊員が死んでしまう」「自分の命をハヤタ隊員に渡して欲しい」と断る
→「そんなに地球人を好きになったのか」と告げ、彼は「命を二つ持っている」と言って、その一つをウルトラマンに与えることでハヤタ隊員とウルトラマンが分離してもどちらも生き残れるようにした

という展開でした。
命を2つ持っているって何?って思いますよね。ウルトラの星では命の固形化に成功しているのです)

今回そのオマージュであるゾーフィはなんと、
地球を滅ぼすことにします。
と、いうのも、メフィラスによって地球人が簡単にウルトラマンと同様の兵器に変わることがマルチバース(多次元宇宙)に広まってしまったのです。
その危険性から人類滅亡のためにゼットンという兵器(今作では兵器です)を使用しました。

これが本作品の所謂ラスボスになりました。

詳細はやっぱり見て欲しいのですが(補足的な説明ばかりしている)
個人的にうれしかったのはこのゾーフィの声を演じられているのは、
なんと山寺宏一さん!
エヴァンゲリオンでの加持リョウジ役をやられていて、庵野監督繋がりなのかなとも思いました。
これは事前告知なかったのでびっくりしました!

・最終対決にて―――

これもまた重大なネタバレになるのですが、
ゼットンとの最終対決にて、ウルトラマンは次元の歪みに捕まってしまいます。
その後ゾーフィと対話するのですが、それはさておき(さておくな)

この展開、強大な敵を前に自分が死んでしまうかもしれないと分かりながらもその選択を行い、次元の狭間に行ってしまい戻れなくなるというもの、
これってウルトラマンダイナの最終回と同じ展開なんですよね。

ウルトラマンダイナ最終回

これはダイナを演じられていたつるの剛士さんも同じことを思ったようで、

と呟いておりました。
これが個人的に超胸熱で、思わず「ウルトラマンダイナと同じじゃん!ウルトラマン!何とか生き延びて!」と心の中で叫んでしまいました。
(ゼンカイジャーファイナルライブツアーで生つるのさん見た後だったので余計に)(ウルトラマンダイナを演じられていて、スーパー戦隊45番目の戦士、ゼンカイジャーの主題歌を務められていたのです)

つるのさんからのリプ返信(ただのマウント)

他にもコスモスの映画のオマージュもあったようです(が詳しく無くて分からなかった…)

初代ウルトラマンだけでなく、他のウルトラマンに対するリスペクトも高く素晴らしい脚本だなと思いました。(これ考えた人マジで天才ですよね)

だばっと書いてしまいましたが、是非劇場で見て欲しいなという気持ちと、
ウルトラマンを知らない人が見て、ちょっとでも「え、そうなんだ!」って思ってくれたらと思います。

・余談

ちなみにM78星雲のウルトラマン達って、実は元々地球人と同じ姿だったんですよね。
それが、ウルトラスパークという人工太陽のようなものを科学で作った結果、今のウルトラマンという姿になったのです。
あまり想像つかないでしょうけど、ウルトラの星ってウルトラ族以外の種族が滅んでいる実は結構荒廃した星なんですよね(その代わり技術力は頭一つとびぬけているようです)


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