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地獄旅 8-4 北斗市~気仙沼 地獄地獄地獄地獄地獄地獄


前回のあらすじ!

駅泊!野宿寸前!ついに北海道にたどり着いた満身創痍ムイムイ。目標を達成したあとは…そうです、帰りましょう。家につくまでが撤退戦です。


旅も三日目。毎朝違う場所で目覚めていると、だんだん現実感覚が希薄になってきます。日常が壊れてしまうまえに、早く家にたどり着かなくては。

牧歌的メッセージがかろうじて北海道を感じさせるものの、ほとんどそのへんの住宅街の光景。地獄旅、どこにいるのか分からない写真が増えがち。

味のある看板。地図を確認したところ、函館に戻るよりもつぎの駅まで進んだほうがよさそうな場所のようです。歩きましょう。

プリザ&フラワームニュムニュ。電話かけたら「はいムニュムニュです」ってお返事してくれるんだろうか…いい名前

五稜郭の近くにいるようです。直進すれば札幌まで行けるらしいけど、とりあえず2.2km歩けば件の新函館北斗駅まで行けるみたいだから、そこから新幹線に乗り換えましょう…ん?2.2kmじゃなくて22km??

ウワーッ!札幌までの距離、直線距離ではないとは言え東京~浜松間くらいある!?
北海道の交通標識はスケールがでかいとは聞いていたけど本当にとんでもない面積。函館駅と新函館北斗駅もこんなに離れてたんだね…単に函館駅に新幹線ホームがあるんだと思いこんでた。

おかげでゆったりマンホールも鑑賞できる。いい絵だな…

IMPACTかカセットテープのインレタか、といった書体のHAKODATEが奥ゆかしい。

誰も知らない「今噂のエチケットドリンク」、アールキラー。
インターネット上でも情報が見当たらない気がします。謎。
実は劣化してテープが剥がれただけで、もとの名前が「シリアールキラー」だったら…ドラマが広がりますね。

お、五稜郭見えた。観光終了。帰るぞ!

というわけで、五稜郭駅に着きました。

しめやかにキネン・サツエイを敢行していきます。

ひなびた駅のキオスク。缶コーヒーが飲めればなんでもよし!

傷んだイカが味がある手書きの観光看板と、皆大好きHG創英角ポップ体。

駅前に「あおき」という、写真館だか喫茶店だか不明瞭な謎の施設があり、よく分からないHi-ENGが発生しているので記録しました。

色々過剰。やりたいこと やったもんがち
表現において他人に作品を発信するとき、技術やアイデアを一心不乱に磨き抜いていて誰かに見つけてもらうのを待つのも良いのですが、「駅前に土地を確保してそこに自分の作品を掲示しまくる」という、金パワーで強引にアメリカンドリーム門を自分の手でこじあける豪腕性には一定のロマンを感じます。『絶対に夢を掴み取る、そのためなら手段は問わない』を地に足着きすぎてる方法で実現した千葉の英雄、ジャガーさんの背中を見て千葉県民は育ってきたので…

電車移動の旅とは、このような「乗り換えのたびに発生する小一時間の虚無」の連続です。この街は見る所があって間が持ちましたね。娯楽が飲み物の自販機だけ、という駅でも大分ましなほうなので…

予定より1晩出遅れたけど、代わりにイカのマンホールも見れたので結果オーライ。そしていよいよ北海道脱出へ…

ここが 新函館北斗の駅だぜ。新銀行東京とか首都大学東京みたいな語呂の座りの悪さがあってどうも駅名が覚えにくい駅です。

新幹線のキャラがいきなりやばい。どうしてこんなキマってる感じなんだ?と思ったら、新幹線の上に何か変なのが…

ゲェーッ!宇宙的恐怖ずーしーほっきー!お前こんなところに!

名前と見た目だけは知ってたけど、ふいうちで遭遇して笑っちゃった。おなかのご飯つぶディテールが特に気持ち悪い感じなんだよな、昭和の仮面ライダーの怪人っぽさが…かわいいなあ。

ぬいぐるみ売ってたけど、ぬいぐるみチックなデフォルメなのでちょっと欲しいのとは違う感じ。できのいい立体安く売ってないかな…ヤケクソ気味のスタッフが描いたずーしーほっきーは大変良いです。書体も良い

どれも完成度高いけど、小学生にえらばせたら絶対ずーしーほっきー選ぶわ。俺もずーしーほっきー選ぶ。圧倒的凄み。

ダンボールで作ったまあまあ精巧な新幹線でくつろぐ桂文鳥師匠。

チューブからしぼりたての生新幹線。全体に新幹線を描くことを諦め気味の駅で大変良い。トロッコに載ったどうぶつ人間達がずーしーほっきーから必死で逃げるイラストも印刷されており、ファンシーな地球最後の日の光景。

「うつ伏せ」や「哀」がスタンプの題材に選ばれるゆるキャラ、ゆるくない

いつか北斗市そのものも歩いてみたいと思わせたのだから、ずーしーほっきー、観光大使の役目を立派に果たしています。生還トンネルから内地へ再び舞い戻りましょう。

メシ メシ ウホホ

最近ではガチャの景品として立体化もされた鰊みがき弁当だ。ご当地めしを食らう駅弁本来の魅力が素敵。

きょうは怪人像と遭遇する確率が高いな。新青森駅着。これはもう何の像なのかもわからんね。

もう同じ罠にはかからない!JR新青森からJR青森まで移動します。電車より路線バスのほうが早くつきそうなのでそちらに乗ったけど、バスっていつも乗るのにかなりの不安があります。どこからどれに乗るといつどこに着くのか、目的地を通るバスが複数あるときどれに乗ればいいのか、支払い形態は先か後か、手持ちの交通系電子マネーが使えるのか…。これこそ、ARとか何らかの未来インフォメーション技術でもうちょいどうにかならんものなんでしょうか。

再び青森駅。道の駅からの波及効果で駅の売店が「駅の駅」になりました。トートロジー。

ねぶた金魚の本拠地だ。かわいいなあ

ラッセラ~
ラッセラ~

あっ本物売ってる!意外と安い!!買います!!!

(2021年末現在 あの日から今もねぶた祭りが我が家では続いている)


キングオブ青森みやげ「気になるりんご」を購入。

コウナゴは知ってたけどオオナゴもあるんだ。普通の小女子が小公女セーラならこっちの大女子はTHE大美人・双葉理保といったところでしょうか。

ノヘ圏に到達。このハチノヘからニノヘイチノヘまでノヘノヘノヘとノヘが続きます。

さて、乗換え待ちの間に駅前の探索を…

なにっっ

(BGM:「ゴッドファーザー 愛のテーマ」)

土地勘のない場所で繰り返される過酷な宿確保と長い歩行距離…ムイムイの張り詰めていた緊張が常に限界を迎え、その心はナニャドヤラになってしまったのです…

ぼんやりとルートを確認します。18きっぷ使えませんよって明示してある盛岡行きメインルートと、18きっぷは使えるけど八戸を目指し海岸線を走るルート…あっ、岩手入ったらこっちも18きっぷ使えない第三セクター化区間に入っちゃうのか、そうしたら今回は盛岡ルートでいいや、海沿いはくねくねしてるからすごい時間かかりそうだし。

っていうか鮫駅!?気になる…いつか行ってみようかな(後日行きました)

さて、電車の中では疲労と地酒のせいでほとんど寝ていたムイムイですが、そろそろ帰りのルートを考えないとなりません。せっかく旅程がもう一日あることですし、まっすぐ帰る必要もないのですが…

金田一温泉?へー、金田一耕助とかと関係あるのかな…と思ったら名前の元ネタになった国語学者・金田一京助の出身地なんだ。まあ、こんな山奥の温泉に来ることもないだろうけど面白いなあ…(こちらも後日行きました。この時点から数時間もしないうちに、この町に伝わるもう一つの秘密を知ってしまったので…)

あっというまに一戸まで来てしまいました。さて、ここからが再び思案のしどころです。ルートが決まらない…

「BRTにも乗れます」という謎の文字列が書かれた18きっぷ。調べた結果、どうやらそれは鉄道が廃線になった区間がバスのような電車のような新交通システムに置き換えられた存在らしく、この近所にも海辺にBRTに乗り継げる区間があるというのです。せっかくだから鮫ルートで一度は検討した海沿いを通ってみたい。ルートの検討を重ねるムイムイですが…

なんか、どこをどう通っても、地獄の展開が待ってる気がするんだよな…

気付けば目の前にはJRの車両が。

センダイと並ぶトーホグエリアの巨大ターミナル、モリオカの都です。

せっかくだし冷麺食べよう!たしか冷麺が名物だよね!ってなったんだけど、どこで食べられるのかを全く知らない。結局駅地下かどこかで食べたんだけど、海鮮冷麺みたいなアレンジしてあったせいで『正しい冷麺』が分からない…このチョイスは完全に失敗だ!助けて食の軍師!!

釜石が近いからか。ラグビーそばっち。ヘッドギアをつけた宇宙で唯一の丼。

こっちは鹿踊りコスチュームのそばっち。こんな顔して野性的な格好を好むのもかっこいいぜ。
わんこきょうだい、この手のゆるキャラでは一番ガチのかわいさ。圧倒的。スイカペンギンと同じ人がやってるのかと思っていたのだけど、オガサワラユウダイさんという方の作なんですね。表情が生き生きとしている。


いちばんスタンダードなわんこきょうだいのグッズが欲しいな…と売店をうろうろとしていたら、カッパと座敷わらしのグッズも見つけました。そういえば遠野もこのへんだったね。東北楽しいかも…


ルート、決まらないんだよォ…

そろそろ決断の時が迫っています。とりあえず 海へ

ポケモン電車みたいなのが走ってるっぽいですね。一ノ関駅で記念撮影。

気仙沼まで行きましょう。そんな名前の歌手がいたな、くらいの知識しかない状態です。

ポケモンムードあふれる駅から一歩外に出ると…ん?なんだか、渋いな…

泥酔してふたりとも眠るウサギとカメ。飲み放題パンサー。ランディヴー。

暗い…街が暗い…

夏とはいえ、もうけっこうな時間です。急に周囲が暗くなってきたな。

疲労の色が濃い第一期ムイムイ団員たち。そろそろ目を背けていた事実と向き合わなくてはなりません。

(今日の寝る所、どうしよう…)

めんこいほっぺた。

あらかわいい。座敷わらしは「コレピク」を遊んでいた縁から関心のあったキャラクターなので、電車の待ち時間に実際の座敷わらし遭遇譚などをスマホで調べていたら…さっきの金田一温泉が「座敷わらしが出る宿」のある集落だったの!?一度行ってみねばなるまい!『座敷わらしをめぐる旅』という旅テーマが生まれた瞬間です。

後日振り返ると、なんでこんなに「座敷わらしのいる宿に行ってみたい」とこの時強く思ったかがよく分かります…これこそが、現れた家を豊かにするという座敷わらしの持つ妖怪としての力。旅館に現れたという座敷わらし、旅館に福をもたらそうと思ったら、そりゃあ泊り客を連れてくるに決まってるものね…無からお金は湧いてこない。すでにこの瞬間、自分自身が、座敷わらし伝説の中に取り込まれていたのです。「支払う側」として…!思ったより地に足ついた妖怪だね。

結局ストラップも買っちゃった。座敷わらし、かっぱ、無限列車です。

もう車窓風景が写真に取れる時間でもないので、いきなり気仙沼。

ポケモン達がお出迎え。渋いラインナップだな…

線路がぶった切られたように終わっていて、BRTと列車の乗り継ぎ駅になってる気仙沼。っていうか、本当にぶった切られてるんだな、これ。単に赤字だから廃止になったわけじゃなくて、震災と津波の影響なんだということを初めて実感として理解しはじめました。

行き先表示はこんな感じだけど、

本来こんな感じの車両が走ってきたであろうホームは

道路に敷きかえられています。

バス、いやBRTが入線してきた…

あからさまに周囲真っ暗なんだけど、こんなん乗って大丈夫?
一応この先にインターネットカフェがあるらしいという情報は得ていたのですが…とてもじゃないけど、宿がありそうな場所には見えません。やたらと揺れる元線路の道の上で緊張感に包まれています。万一寝過ごしたら、支払いこそパスで乗り放題とはいえどんな街に着くことやら…

完全に知らない郊外。

南気仙沼。ちょっと待ってこれほんとうにこんな場所にネカフェなんてあるの?思ったより栄えてないぞ…そもそも、もしネカフェがあったとして、満室だったらどうしよう…

本当に地図、合ってるの…?降りる所間違えた?もう廃業してるのでは?

プレハブの工事現場事務所の向かいにあるはずの「メディアカフェ・ティモーネ」。地図にははっきり表示されているものの、現地をストリートビューで見てみると…更地!びっくりすることばかりだね。

結局、ストリートビューの写真は2013年当時のものだったみたい。
あったよ!ネカフェ!

疲れた…うちのふとんで寝たいよ…



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