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2週目。はじめちょろちょろ

鍋でご飯を炊きたいとは、ずいぶん前から思っていた。
流石にまだ自炊者ではないとはいえ、炊飯器は使ってきた。でも意識してご飯を炊いたことはなかった。

レトロネイザル経路において、味とにおいは一体化するらしい。
レトロネイザル経路。ご飯とはなんとも関係がなさそうな響き。

IH対応の土鍋がないので、わざわざガスコンロをひっぱりだした。
お米をじゅうぶんに水に浸し、中火にかける。
いつもはスイッチひとつだから、時間がゆるやかにかかる気がする。
これで美味しくなかったらどうしよう。
ぼーっとしていたら、危うく火を弱火にするタイミングが遅れるところだった。危ない危ない。

ふと「はじめちょろちょろなかぱっぱ」が頭を流れる。
今やったのはどちらかというと「はじめぱっぱなかちょろちょろ」だ。
作り方の違いか、本を読み違えたのか。
調べてみると、どうやら「はじめちょろちょろなかぱっぱ」はお釜で炊く時のやり方で、土鍋の場合は釜と違って熱がゆっくり伝わるので中火で始めていいとのこと。一安心一安心。

土鍋と釜の違い。レトロネイザル経路。料理の科学を、少し体験。

意を決して鍋の蓋をあける。
一面の白い米粒、湯気、湧き立つ少し甘い香り。
よかったよかった。ありがとう先人たち。

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