大人になっても夢って持つんだなって話

子供の頃の将来の夢は漫画家だった。仲の良い、絵の上手い友達の夢が漫画家だったから、私も便乗した。
それに漫画を読むのが好きだったし、下手だけど絵を描くのも好きだったから。
そういえば小学生当時は漫画を模写しながら絵を描くのが好きだった。
模写したもので一番覚えているのは某少女漫画の朝チュンシーン。ベッドシーツで胸元を隠すヒロインと、その隣で半裸で眠ったままのイケメンの構図。これを聞くだけでたぶん私のことを知ってる方々ならば、私らしい幼少期を過ごしているなとわかることだろう。
ちなみに漫画家の次は歌手になりたいと思った。カラオケが好きだったから。ただそれだけの理由。

子供の頃から私の夢は目につく身近なものの派生したものが多かった。
本を読むのにハマった時期は作家になりたかったし、歌手の倖田來未が一日ホステスママをしたってニュースを見て「私もホステスになりたい！」なんて思ったこともあった。

そんな風に単純に、すぐに見たものを真似したがる癖が昔から、そして今もよく思う。

私がYouTubeを始めたのもそんな感じだった。
それまではろくにYouTubeなんて知らなかったのに、仕事を辞めて、今の旦那と同棲を始めて、家に一人でいる時間が増えた頃からYouTubeというものをよく見るようになった結果。。。
「私もYouTubeの投稿をしてみたい！！」
そんな感じで始めたのがきっかけだった。

ジャンルも囁き声の雑談ASMRをメインにしたのも、たまたまそのジャンルにハマっていたからだった。
きっと、主婦のvlogにハマってた時期ならそれを、ゲーム実況にハマってた時期ならゲーム実況をしてたに違いない。
ちなみに今はVtuberにハマってるので、いずれはVtuberに手を出すかもしれない。。。

私の両親は20歳もそこそこの頃には私を育てていた。
両親とも若いのによくここまで育ててくれたと思う。
そんな２人に大人になってからの『夢』ってものを聞いたことがなかった。
そんな夢を語るところを見たことのない両親に育てられた私。大人になると将来の夢ってのは無くなるものなのかな、なんて私は思っていた。

だけど意外と私の周りの友人たちからは、やりたいこと、やってみたいことへの『夢』をよく聞く。
今の時代、それらが流行っているからか。
「YouTube始めてみたいんよなー」という友人や、「実はゲーム配信してるねん」という友達まで。
他にも声優を目指している子や、イラストレーター、歌手を目指す子から、Vtuberに憧れてる子までいる。

彼らはみんな私と同世代の社会人を経験している大人だ。20歳そこいらで子供を育て始めた私の両親よりも年齢は上。私も当時の両親の年齢を軽く超えている。サザエさんよりも年上だ。

彼らの中には私の両親と同じく若くして結婚して、子供を育てている子もいる。だけどみんな、何かしらの憧れや夢、やりたいことを抱いている。

私は現在、なんとなく楽しそうだからって理由でYouTubeを始めた。
配信もして、こうやってnoteに文も書いたりして。ネット上で楽しい『活動者』というものを続けている。
これが私の今の夢であり、趣味でもある。

そういえば両親から『夢』は聞くことはなかったけど、『趣味』はいろいろ聞いてたな。
父親の趣味は音楽を聴くことと、自分の発言で人を笑わせること。オヤジギャグっぽいのが多いので、よく家族からは面倒くさそうにされているが、それはそれで本人は満足そうにしている。きっとドエムなのだ。

母は猫の世話と、ディズニーランドやシーへ行くことが趣味らしい。期間限定のグッズ集めが楽しいんだとか。
毎年、夏を過ぎると「今年のハロウィンは〇〇の××が欲しくてな！」と良く呪文を唱えてくれる。

そういえば子供の頃の将来の夢ってのも、趣味の延長だったのかなと私は思った。
漫画家ってのも絵を描くのが好きだったからだし。作家になりたかったのも、本を読んで自分もこんな面白い話を書きたいなと思ったからで。
歌手もそうだし、ホステスにいたっては面白そうだからと実際に経験もしている。

夢って大人になっても持つものなんだな。それもごく普通に。子供の頃に夢や憧れを持っていたみたいに。

だけど子供の頃のように将来に向けて成長と供に大きく目指すものとは違うのかもしれない。
もちろん、子供の頃から大人になってからも同じ夢を持ち続ける人はいるだろうと思うし、大人になってから大きな夢を抱く人もいるだろう。

だけどもっと小さく、気楽なところから夢や憧れってのは生まれるのだろう。
それも好きな趣味から始めれば良いんだから、始まりはきっと私のYouTubeと同じくらい気軽なものなんだな。
なんて、私はYouTubeを始めたきっかけを思い返しながら、ふとそんなふうに思った。