見出し画像

好きな(好きな)アルバム 邦楽編

好やきこです。
 15歳なので、15年聴いたアルバムの中で特に好きなものを紹介したいと思います。10枚です。
 といっても、記憶や判断力、知識の問題で、実際はここ数年... 小学五年生あたりから選んでいます。邦楽編です、ランキングにはなってません。

 ちなみに、とんでもなく長いです。何となく読むの疲れます。オタクの妄言っぽいところが多々あります。時間があるときにゆっくり読むようなやつです。時と場を考えて読みましょう。お願いします。

1、『Funeral』メル

 現在は「イズモリョウスケ」名義で活動しているボカロP・メルの2ndアルバムです。メルって呼び捨てしてしまった。メルさん!!!

 私が中学三年生になって、このアルバムに出会いました。曲を作るようになってから、様々なジャンルの音楽を漁りまくっているうちに、「ゴールデン・ジャーニー」を見つけてしまいます。衝撃。衝撃がぼかーん。そのままアルバムを聴きたくなりました。聴きました。

 ボカロ楽曲としては勿論、ドリームポップ、90'ロック、そしてアルバムとしての完成度ももうもうすごくて…。鳥肌が立ちまくりです。
 機械音声が苦手な人にも、苦手な人ほど聞いてほしいです。「ボカロ」としてのジャンルや文化を超えたような、体温のある一曲一曲に、心を奪われたままよい夢を見ることができます。

 何度聞いても、どこをとっても、彼にとって正しい音楽のような気がしますし、どうやらそんな彼の素敵な感性が私にぴったりはまっちゃっています。
 地に足はついているのだろうけど、何処となく不思議で温かくて、ダークネスな雰囲気が漂う1枚。
眠っているのに、認識できている映像が不思議な立体感で存在している感じです。

 このアルバムは、今の私にとっての背骨かもしれません。沢山聞いていて、沢山影響を受けています。それくらい、大好きな一枚です。

2、『Q』女王蜂

 あまりにも唯一無二、あまりにも最強すぎるロックバンド・女王蜂が、そして何よりヴォーカルのアヴちゃんが当時「最高傑作」と断言した五作目の作品です。

 メンバーの年齢や性別、その過去までもが明かされることのない女王蜂。その不安定なミステリアスを最大限に生かした結果がこのアルバムなのでしょうか。反するように、一曲一曲が生々しく存在しています。
 様々なジャンルの本当に彼ららしいサウンドが、前作よりも遥かに重みを増して私たちの前に現れます。恐ろしや恐ろしや。

 アヴちゃんから溢れてしまった過去やらなにやらを受け止めさせようと聞き手に投げているように感じるシーンが、多々あるんですよね。表現が間違っているかもしれませんが、少なくとも私はそう思っています。
 私は意志が弱いのでただ聞きとおすことしかできませんが…。

 たくさんの女王蜂を感じることができます。これが彼らであって、それ以外は全部まやかしだったのではないか。そう錯覚させるくらいのパワーがある作品です。(でも全部が全部彼らは女王蜂なんです。ごめんね)

 みんながみんなこういうものを作れるわけでも、作らなければいけないわけでもありません。ですが、過去を噛み砕いて盛り付けしたうえでの口移しを…。誰かにとっての正解ではなくとも、音楽をする意味の到達点であるのではないでしょうか。

3、『NEW ROMANCES』理芽

私の尊敬して止まない友人のような憧れ、バーチャルシンガーの理芽さんの1stアルバムです。全曲、シンガーソングライターの笹川真生さんが担当してます。
「食虫植物」の人です。

 正直に言って、度肝を抜かれました。ついでに魂も抜かれました。

 最近の若者は、スマホ片手に映画を見ます。私は断じてやりませんが。だからからか、「アルバム毎に音楽を楽しむ」という文化が、もう既に消え失せようとしています。
 そんな若輩者にも、楽しんで欲しい1枚です。

 オシャレに纏まってるようでいて、狂的に進行する歌詞や演奏。笹川真生さんのセンスや能力が光る中、理芽さんの歌声がそんな曲たちに中和しているかのような...。
 ですが、よく混ざりあっているはずなのに、1曲聞き終わる事に覚えているのは彼女の歌声の鮮やかな艶。

 驚きも驚きの連続。聴きやすく、それでいて理解しがたい影の部分をよく摂取することができます。

 理芽と笹川真生。この二つの、ふたりの才能が重なってできたこのアルバムは、奇跡でも偶然でもなんでもありません。当たり前のように、圧倒的な世界観を携えて、圧倒的に名盤として佇んでいます。 
 音楽ファンだと思っている方なら、本当の聞くべきです


4、『教育』東京事変

 伝説の中の伝説の中の伝説、のはじまり、東京事変の1stアルバムです。
凄いのは最早当たり前。その壁を凌駕するとんでも作品です。
「この世のすべて」みたいな感じの一枚です。森羅万象すぎます。

 東京事変を結成したシンガーソングライター・椎名林檎さんが、林檎嬢が語った通り、「おもちゃ箱をひっくり返した」ような作品です。いろんなジャンルの、それも上質な音楽が隅から隅まで楽しめてしまうんです。しかも、日本最高級の、最強級のロック・サウンドで。すごすぎ。

 ビュッフェとかオードブルとか、そんなんの比じゃないです…。説明できよ。林檎嬢の艶やかで鮮やかな歌声が、形を変えながら日本最高級のバンド・サウンドと共鳴する様は、圧巻の二文字しか口に出せません。ないほどになんでもありで、その名前を付けられた「なんでも」の型紙がまさかの伸縮自在。なんそれ。脱帽。
 一曲一曲のクオリティがもんんんのすごく高く、いや高いんですよ。そこに遊び心だのスパイスだのがなんだのが混ざるとどうなるか知ってます? 感動です。

5、『吹き零れる程のI、哀、愛』クリープハイプ

 みんな大好き私も大好き、クリープハイプのメジャー2ndアルバムです。このアルバムからクリープは普通のロック・バンドみたいに3枚シングル出して〜をやってます。羨ましい。

 インディーズの頃より泥臭さが減って、聞きやすくなった印象があるこのアルバム。抜いた棘を大事にしてみる、みたいな印象があります。
 程よい(程よい?)風刺が歌詞にズドンと散られているせいか、1枚としてのストーリーを繋げる作業があって楽しいです。結構爽やかですし。でも全然さわやかじゃない気がする。ええ。

 演奏も進化していて、それによって世界観がさらに浮き彫りされている気がします。もう感服以外の手段がありません。磨きがかかったってこれかって感じです。偉そうに口きいてんじゃねえ、て感じの感想になってしまった。

 前作より〜みたいな評価が多いですが、私は!!!こっち派です!!!普通に好きです。やっぱり聞いてて楽しいし、危なげなく熱量を味わうことができるアルバムだと思っています。大好き。


6、『PIANO CRAZE』H ZETTORIO

 日本人アーティストという括りでございます。鼻に色をつけた面白恐ろしピアノトリオ・HZETTRIOの3rdアルバムです。鼻の色は、演奏するときに自動的に変化するらしいです。ひゃー。

 父の「YouTubeでとんでもないの見つけた」をきっかけにハマったこのトリオは、なんかもうとにかく凄いんです。人間じゃないんですよ。
 重力のなさすぎてありえないピアノ演奏、どう考えても彼にしか出せないキレのあるベース、遊び心がありすぎてもはやかっこよすぎるドラム…。もう文字面がエグい。

 そんな彼らの三枚目のこのアルバムは、前作からさらに爆発力を増した、楽しく鋭く、かっこいい作品となっています。アルバム全体の切り口や一曲一曲の切り出し方が本当に全部好きです。かっこいいのに可愛い、かわいいのにかっこいい。おもしろすぎるんですよ。

 もちろん彼ららしく、老若男女問わず楽しめる内容となっております。基本ポップに進行する作品ですが、それを上回るように鮮烈に降りかかってくるサウンドがもうなんかなんか、何も言えないくらい凄いんです。ほんと、色がついて目に見えるくらい、形がはっきりしている音楽です。
 是非、映像付きで見てほしいです。ライブ行きたい…。

7、『サイエンスの幽霊』平沢進

 偉人・平沢進さんの、師匠の2ndアルバムです。初期統合三部作の二作目にもあたりますね。どうやらプログレにも分類されるらしいです。

 私が数ある平沢作品の中で、なぜ初期のものを選んだのか...。簡潔に言うと、作品自体がシンプルに好きだからです。私にとって師匠のアルバ厶は、平沢進の作品だから好きだったりします。これはとてもいい意味にとらえてほしい。
 ですがこの作品は、そういったいい意味での垣根を越えてしまう程好きなんです。「科学と祈りのはざま」という作品テーマが、ある種私の探求している課題に近いですし、何より聞いていて楽しいという。

 正直このアルバムは、めちゃめちゃ聞きやすいです。テクノ・ポップでありながら、民族音楽だったりストリングスだったり、カントリー・ウエスタンだったりと、振れ幅が非常に大きいのも魅力です。それでいてこの統一感。そして、彼にしかなせない見えちゃってるけど秘めたる狂気。

 聞くこと自体は、また理解すること自体は、彼のほかのアルバムよりも安易であると思います。ですが、なんか聞くのが危険な気がするんですよね。洗脳されそうで困ります。ほぼ毎日聞いてるんだが。


8、『観測』花譜



 稀代で奇跡のバーチャルシンガー・花譜ちゃんの1stアルバムです。全曲すべて、ボカロPのカンザキイオリさんが担当しています。彼女の初期の活動を集約した、プロローグのような存在でもあります。

 全体的にJ-ROCKやJ-POP色が強く、とても聞きやすい曲ばかりです。アルバムとしての纏まり方も、本当に秀逸で優等生すぎる。花譜ちゃんの淡く優しい、そして無防備な歌声がとっても素敵に、シンプルに心の奥底へ落ちていく感覚が、本当に心地よくて。

 ですが、カンザキイオリさんらしい、若者の反抗心や蟠りを煮詰めたようなロック・ナンバーも収録されています。ギャップに驚かされますが、私はどの花譜ちゃんも好きです。

 カンザキさんの言いたいことではなく、カンザキさんが花譜ちゃんに「教えてあげたい」感情や感覚をにじみ出ていて、そういったパワーのあるアルバムなのかもしれません。そんなカンザキさんの意思を違う形で私たちに寄り添ってくれる花譜ちゃん。本当に色々な一面がある、最強コンビです。

 今回は選出しなかったのですが、花譜ちゃんの二作目である「魔法」は、そういったパワフルさが前面に押し出されたアルバムです。花譜ちゃんの歌唱力も圧倒的に上がってますし…。 
 お願いですから、どっちも聞いてください。なんでもします。


9、『ブラックホールディスク』日向電工



独特の世界観でニコニコ動画をジャックするかの如く現れた、正体不明のボカロP・日向電工さんのアルバムです。既に投稿されている9曲にさらに1曲がプラスされているものの、ちゃんと作品のタイトルがしりとりになっています。

 このアルバムの購入者の目的の大半が「良質な音質を求めて」だったと思うんです。もちろん、各曲の細部までがニコニコ動画版なんかよりも比べ物にならないほど立体的になっているんですが、そういって買った人って、多分不意打ちを食らっちゃったと思います。
 それは、どの曲にもアレンジが加わっていて、さらに激しく、そしてより美しさが増しているからです。大問題すぎる。

 彼の(彼女の?)描く孤高で寂しくて、それでいて血気の盛んな世界線に、本当にあっという間に虜にさせられてしまいました。

 私たちの血潮に常にこういったビートが刻まれることはもう少なくなってきているのでしょうか。このアルバムを聴いているとすごく心臓が速く動きます。どくどく。

 個人的には、初回限定版に同梱されている朗読劇「地下世界文化大系」も本当に色濃くて素晴らしと思います。てにをはさんの緩急ある台本に、関智一さんの朗読がどことなく心地よくマッチしています。おいしい。
 日々の刺激が足りない皆さん、ぜひ、聞きましょう。お願いします。


10、『全知全能』ポルカドットスティングレイ



基本的に常に何かを企んでいるロックバンド・ポルカドットスティングレイのメジャーデビュー作品にして、初のフル・アルバムです。

 前人未到のハイカラギターロック!をついに大ボリュームで体現したこの作品。絶対にまねできないmv、積極的に面白すぎる4人のSNS…。そういった企みでファンを魅了し始めていたポルカドットスティングレイ。このアルバムは、技術もセンスも着々と着実に得ていやがるなあ…、と思わされました。ちぇ。すごすぎ。

 彼らは聞き手の意見や好みを常に反映して作品作りをしているので、そりゃみんな喜ぶんですけど、それを抜きにしても最高にかっこかわいい。それでもちゃんとロックしてる時期だったので、そんな彼らのある種の主張とかもちょっとだけのぞけることがうれしいアルバムです。ギターソロとか。応援しよ。

 ポルカのアルバムは基本全部聞いていて、どれも好きなので絶対載せようと思いまして...、今回は好みでこの作品を選ばせていただきました。やっぱロック好きなんで。いや、ポップポルカも勿論大好きなのですが。感情がめちゃめちゃ。
 フルアルバムは勿論どの作品も最高の聴きごたえです、とりあえず三作聞いてください! ついでにハイカラが凝縮されたミニアルバムもどうぞ...。


 10作品でした。ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。そしてすみませんでした、喋りすぎちゃった気がします。無駄なことは省こうと思ったんですが...無理でした。

 次回は洋楽編です。また長いです。よろしくお願いいたします。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?