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東北の神楽衆が直会でうたう神歌<御祝>

先日、宮城県沿岸部出身の方と話していた時に「ごいわい」の話が出まして。
この時の「ごいわい」は「大漁節」「どや節」など三陸地方で歌われている民謡のこと。

そして「ごいわい」で思い出したのが、ひと月程前にTwitterで見た「ごゆわい」の映像。
岩手県宮古市に伝わる黒森神楽のドキュメンタリー映画「廻り神楽」の遠藤協監督がアップしたものです。

神楽公演後の直会(なおらい)と思われる場所で、ひとりの歌い手が先導し、続いて全員で歌うのですが、ものすごく複雑な手拍子を打ちながら歌うのです。
一見しただけでは法則性がわからない拍子ですが、全員ぴたりと合っていて、不思議でとてもかっこいい!!「100いいねしたい」という気持ちを込めてハートマークを押しました。

そのことを思い出し、この動画がめっちゃかっこいいんですよ!とその場に居合わせた人々に動画を見せているうちに、自分の中の御祝熱が高まり帰宅後Youtubeで検索しまくりました。
自分用のリストとして、集めた動画を以下に貼ります。

▼黒森神楽の御祝


▼大償神楽の御祝

神楽衆による神楽の御祝歌 たいてい、歌は3つかけられる場合が多いです。 岳神楽と大償神楽でも、手拍子が異なっており、岳は5拍子、大償は7拍子となっております。

youtubeより


▼手拍子がないパターン


▼太鼓が入るパターン


▼独唱!

昭和30年台頃まで結婚式は勿論建前、屑やの葺き替え等で、夜のご馳走で必ず酔いが多少回った頃最初に唄われるのが御祝です、この御祝が出る前に一般の唄は歌う事が出来なかったものです、地域の唄・・残したいものです・・・・・

youtubeより


音源としては、「日本の民俗音楽」の「山伏神楽・番楽」に岳神楽の御祝が収録されております。(他にあれば教えて欲しい)

大償神楽が4曲(権現舞、鳥舞、松迎、蕨折)と、岳神楽が3曲(三番叟、普将、御祝)収録されているのですが、通常の公演で演じられる演目だけでなく、御祝を収録したのはすごいことだなぁと。
本田安次先生のセレクトなのでしょうか…ありがたい…🙏

私は現物を持っていないので、解説書が確認できないのですが、どのような解説がされているのかとても気になります。
ちなみに「日本の民俗音楽」CD版は都内のいくつかの図書館に所蔵されていて、借りることが出来ます。
また、CDレコードともに中古でも出回っているので購入も可能。全部揃えると10万円くらいしちゃうのでアレですが、内容は本当に最高です!

▼図書館の横断検索!便利!


また、御祝について書かれた記事などを検索してみたところ以下の2件が見つかりました。

三上敏視先生が取り上げてみたいテーマと書いておられるので、いつか本など出されると嬉しいなぁ。

基本的には直会に参加しないと聴けない歌なので、なかなかハードルは高いですが、いつか私も生で聴いてみたい。
夢がひとつ増えて嬉しい。楽しい。大好き!(突然のドリカム)

とりあえず、東北の神楽がかっこよすぎるので今後はもっと足を運びたい。
黒森神楽の映画「廻り神楽」も素晴らしい内容で、公開当時に劇場で2回見たのですが、このタイミングで改めて見たくなりました。

▼エトノスシネマでレンタル出来るようになったのですね!


▼予告編


日本全国に様々な民俗芸能があり、素晴らしいものがたくさんあります。
というか、民俗芸能があるだけで、今も存続してくれているだけでありがたい。
その中でも私はなぜか東北の芸能に惹かれてしまう。
理由はわからないけれど、お囃子が聞こえてくるだけで涙腺が緩んだり細胞がざわめくような感じ。
本当に芸能っていいものですね…

おわり

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