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死刑にいたる病

普段、邦画を観ることはほとんど無い私だが、かいばしらさんの紹介動画が心に残ったので観ることにした。

正直、紹介動画だけでうううっとなったのだが、阿部サダヲさんが好きだというのと、とにかく気になってしまったので観ることにした。ちなみにかいばしらさんのこの紹介動画も二回見た。二回見た上で気になってネタバレをGoogle検索した上で観た。

以下はネタバレが含まれる。 
話の説明では無く、あくまで自分の感想なので支離滅裂なのはあしからず。

冒頭、阿部サダヲさん演じるハイムラが川に花弁を撒いているシーン。かいばしらさんの動画で既にこれが爪だと分かっていて、なおかつコイツが殺人犯だと分かって観ていたが、とてもそうには見えない。パン屋で働くいい人そう。近所の人にも挨拶をして、そういった印象を与えるのが上手い人間だというのを伝える演技が上手い。阿部さんはいい人を演じているハイムラの演技をしているわけだ。まあ、ハイムラはそういうのを意識せず出来るタイプなんだろうね。人からの印象を凄く客観的に見れるタイプ。ちょっと分かる気がする。

主人公の雅也の家庭環境はお世辞にも良いとは言えない。気まずい空気。
雅也の母、襟子の「お母さん、決められないから。雅也決めてよ」と実際には劇中二回しか言っていないそのセリフは、普段から言い慣れてるというか、口癖になっているようなそんな印象を受けてちょっと腹が立った。
父親は初見、息子とコミニュケーションを正しくとる事が出来ないタイプの人間という印象で、やっぱりというか、息子の雅也に対して暴力を振るっていたり、母親を召使いのように扱っていたり。一言で言うならクズ。劇中後半、雅也が「本当のお父さん」と母親に言ったところを偶然聞いていて、その時のビールを飲むだけのあのシーンが、とにかく重かった。今にも激高して瓶をなげつけたり、ビールをぶっかけたり、グラスを叩き割るんじゃないかってひやひやしたけど、そんなことはなく、ただただ
「えっ、えっ、大丈夫?殺されない?あ、あ、お、おかわり!?おかわりですか!?大丈夫か?」と見ているこっちだけ困惑していた。
雅也も早く家を出て、縁を切ればいいのに。実家暮らしというわけではなさそうだが。でも母親のことは好きだったみたいだし。複雑なんだなあと、とにかくいい印象のない家族だった。

Fランクの大学に通う雅也。
学友も最悪だ。途中からでてきた女。雅也のかつての同級生らしいが、サークルの飲み会に誘ったり、もう、最初から腹立った。雅也もなんでこんな女の誘いに乗るんや。断れや。ってずっと思ってた。話しかけんな女!って。この女に対する気持ち悪さの原因はラストに分かることになる。

今更だが私は普段、テレビを全くと言っていいほど見ないので芸能人の知識は中学生くらいまでの知識で止まっているし、そもそも三次元の人の名前と人の顔を覚えるのが非常に苦手だ。阿部サダヲさんの知識はマルモのおきてで止まってる。
人の印象は髪型で七割決まると昔何かで見たが、まさにそれで、劇中、昔のハイムラの写真が出てくるのだが、あれ、阿部サダヲさん、かな……?くらいのぼやぼやっとした確信を持たない感じで写真を見ていた。なので私が雅也の立場なら、過去の写真を見て、あれ?この人どっかで見たな。なんてことにはならずに迷宮入りしてただろう。

この映画を観るにあたって迷った点として、拷問のシーンがあることをかいばしらさんが語っていたことが挙げられる。私はわりと感情移入し易いタイプなせいか、痛々しいシーンが苦手だ。この映画も始まって30分経たない場面で爪を剥ぐシーンがあるのだが、いいいいって顔をしながら画面を見ないように顔を背けた。声だけでも痛いのだ。画面なんて見てられん。そういうのはいいからと飛ばしたい気持ちになりながら、いいいいって顔で過ごした。
でも思ってたよりそういうシーンが短くて助かった。
女性が脚を切られたり、腕を切られてるシーンもあるのだが、絶対痛い!絶対痛い!!と声に出しながら観た。でもそっちの方が私は現実離れしてるというか、爪を剥がれる痛みは身近というか、爪の間になにか入るだけで痛いということは経験で知っているから痛みを想像しやすいが、足を切られて骨が露出したことは無いので、その痛みは「痛いやろうけど想像は出来ん!」という類の痛みなので、後者の方がまだ観れる。変だろうか。

途中、雅也が人を殺しかけたり、おかしくなった時は「どうした?どうしたどうした?」と声に出しながら見た。あれは洗脳されていたのだろうか。ハイムラの息子だと思っていて、雅也はおかしくなっていたのだろう。

でも雅也は真相にたどり着いた。
14歳の頃からおかしかったハイムラ。
その被害に遭ってた男。金山。
かわいそすぎる。悲惨だ。
なんて遊びをさせてるんだ。遊びじゃねえ。虐待だ。

そしてラスト。
やっぱり変だったじゃねえか!女!!!!

と、想像してなかったラストだったが、
なんだが気味が悪く見えた女を演じていた宮崎ゆうさんに拍手を送りたい。凄いぜ。ずっとなんだこの女は。失せろって思ってたけど、ラストシーンであーねってなった。気味悪さの答え合わせみたいな。
あの後雅也の爪が剥がされてないか心配である。そもそも生きてるんかな。

邦画ってラストは「あとはご想像にお任せします」みたいなのが多いという印象で。この映画もそうだったので、そういうラストが苦手な私はううーってなってる。もやもやするじゃん。

仮にも精神の病で休んでる今、観る映画ではなかった気がするが、役者ってすげーなってなったので観てよかったと思う。
かいばしらさん、紹介してくれてありがとう。チャンネル登録しておきます。

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