十月のうた

児等の声階下に響き手をとどむ在宅勤務に倦むゆふぐれを
不可思議の力小櫛に宿るとふ母の形見のなほ色褪せず
せめぎ合ふ芒とセイタカアワダチソウ秋の果たての堤の際を
時雨する夜の明け窓に陽の入りて初冠雪のアルプス仰ぐ
真白なるアルプス望む集落に空穂の生家は静か佇む 
チクタクとこの音空穂先生は聞きけむオエの振子時計よ
縁側に坐して踏石に足を置き眼を閉じ瞼に夕の陽を受く
 

※七首目は禁じ手の動詞を4つ入れてみました。


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