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九月のうた

誰からとなく等間隔に距離保ちライブハウスに本ベルの鳴る
驟雨過ぎ湖の桟橋に地霧湧き荒き匂ひの更に際立つ
微睡みて携帯落とす二人あり外国人と遠距離通勤の吾
休日を酒店に集ふ旧友と互ひに気遣ふそれとはなしに
二十代の飲み方となる若き日に出会ひし友と語らふ末に
食細き夏の果たてか腐を競ふ胡瓜とレタスは野菜庫のなか
戦世に焼かれし街はあなさびし数多の井戸と現れいづる



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