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時をかける父と、母と

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若年性認知症の父と、がんで逝った母について、30代の私が記録したエッセイ。幻冬舎×テレビ東京×noteのコミックエッセイ大賞にて準グランプリを受賞。
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#介護認定

「旦那を介護している」と思えない母 -『時をかける父と、母と』 vol.8

『時をかける父と、母と』ー 若年性認知症の父親と、がんになった母が逝くまでのエッセイを連載しています。 vol.8 『旦那を介護している』と思えない母母から頻繁にくる愚痴だらけのLINEから、母にかかるストレスが尋常でないことは伝わってきていた。 認知症と診断を受けたものの、2ヶ月に1度通院して薬をもらうだけの状況が、父への十分な治療だとは思えなかった。母が大変なこともわかっていたし、福祉的サポートが必要な時期だと感じてはいた。母ももちろん承知であったはずだけれど、母の想

介護認定ってなんだ -『時をかける父と、母と』 Vol.11

『時をかける父と、母と』ー 若年性認知症の父親と、がんになった母が逝くまでのエッセイを連載しています。 Vol.11 介護認定ってなんだこのころの私は、焦ってもいたし、あっという間に迫り来そうな限界を、先んじて感じていた。 父に福祉的なサポートが必要なことはもう明らかだったし、もともと父の主治医からは「介護認定を受けたほうがいい」ともすすめられていた。結局母の病気のことが大きく背中を押す結果となったが、いよいよこのときがきた。 「みながすなる介護認定といふものを、我が家