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時をかける父と、母と

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若年性認知症の父と、がんで逝った母について、30代の私が記録したエッセイ。幻冬舎×テレビ東京×noteのコミックエッセイ大賞にて準グランプリを受賞。
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#毎日note

母はどこにいるのか問題 -『時をかける父と、母と』Vol.19

『時をかける父と、母と』ー 若年性認知症の父親と、がんになった母が逝くまでのエッセイを連載しています。 Vol.19 父の寂しさが流れ込んでくる告別式を終えた翌日。朝ごはんを食べようかと思う頃に父が起きて来て、なんと喪服を着ていた。「今日お葬式かと思って」という。 昨日終わったじゃん、うまく話してたよ、というと、少し不安そうに、「そうだったかなあ。おれ、うまく喋ってた?」という。 隠し得ない父の寂しさが流れ込んでくる。私だって寂しいんじゃい。 ある日父が、「お母さんの

時をかける父との生活

ずっとこうしてはいられない。 だけどこの日々も、たまに、そんなに悪くない。 『時をかける父と、母と』バックナンバー Vol.1 はじめに Vol.2 私が笑えるために書いた Vol.3 かつての父はアメリカ人 Vol.4 60歳でアメリカ一人暮らし Vol.5 認知症ではありません? Vol.6 やっぱり認知症でした Vol.7 ここはどこ、私はだれ? Vol.8 「旦那を介護している」と思えない母 Vol.9 母の入院とがんの発覚 Vol.10 思いを形にできなくな