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時をかける父と、母と

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若年性認知症の父と、がんで逝った母について、30代の私が記録したエッセイ。幻冬舎×テレビ東京×noteのコミックエッセイ大賞にて準グランプリを受賞。
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#福祉

「旦那を介護している」と思えない母 -『時をかける父と、母と』 vol.8

『時をかける父と、母と』ー 若年性認知症の父親と、がんになった母が逝くまでのエッセイを連載しています。 vol.8 『旦那を介護している』と思えない母母から頻繁にくる愚痴だらけのLINEから、母にかかるストレスが尋常でないことは伝わってきていた。 認知症と診断を受けたものの、2ヶ月に1度通院して薬をもらうだけの状況が、父への十分な治療だとは思えなかった。母が大変なこともわかっていたし、福祉的サポートが必要な時期だと感じてはいた。母ももちろん承知であったはずだけれど、母の想

デイサービスを利用しはじめた -『時をかける父と、母と』 Vol.12

『時をかける父と、母と』ー 若年性認知症の父親と、がんになった母が逝くまでのエッセイを連載しています。 Vol.12 デイサービスを利用しはじめたということで施設Bと契約をかわし、はじめは恐る恐るの週1回利用。朝の10時頃に車で迎えが来て、16時くらいまで時間を過ごしてから、家まで送迎してくれる。連絡帳のようなものを渡してくれ、職員さんがその日の状況を報告してくれる。きっと子供の『慣らし保育』に似ていて、はじめは早い段階で「なんでこんなところにいるんだ。早く帰りたい」という