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娘が生まれて1ヶ月が経った。

今からちょうど1ヶ月前のこの日、この時。
お腹の中にいた子とやっと会うことができた。

「やっと会えたね、よく出てきたね。」
そう言わざるを得ないような、長い長い時間がかかった出産。
我が子に会えた瞬間は、普段から涙脆いからきっと泣いてしまうだろうと予想していた私は、想像とは違い、笑っていた。
つい笑顔になってしまう、そんな感覚だった。

生まれた瞬間元気に産声を上げて私たちに挨拶してくれた後、すぐにすやすやと静かに寝息を立てて眠る。
「わー、かわいい子だね。」
そんな風に声をかけられた娘は、理想より少し小さく生まれた。
少し経過観察が必要となり、しばらく入院することになった。

2週間ほど入院した後、先生や助産師さんに笑顔で見送ってもらい、無事に退院することができた。
そして、同じ屋根の下で一緒に暮らし始めた。

よく眠り、気がついたように大きく泣いてミルクを欲しがっては、満足すると安心したようにまた眠る。
そうやって少しずつ大きくなった娘は、生後1ヶ月を過ぎると、顔の産毛も薄くなり、肌の色も健康的で肉付きも良くなってきて、もちもちの赤ちゃんになった。

彼女を囲む家族や親族たちは誰しも目を細め、小さな体を優しく丁寧に抱いてくれる。
夫は毎日、毎時間、いや、毎分と言っていいほど、娘を愛しそうに眺めては、娘と過ごす一瞬一瞬を噛み締めているように見える。

私は、こんな光景の全てに感動している。
彼女は、私にこんな景色を見せるために会いにきてくれたのかと、その奇跡を実感するたびに、つい、涙が出そうになる。
この子がくれた幸せを、どうにかして少しずつ返していきたいと思う。

生まれてきてくれてありがとう。私と出会ってくれて、ありがとう。
どうか、あなたが歩んでいく人生が、素晴らしいものになりますように。
不思議なことに、そんな風に祈るような気持ちになる。

今、娘は私のすぐ隣で、小さな寝息をたてて眠っている。
この幸せが、一瞬でも長く続きますように。
あなたに会えた喜びを胸に抱いて、ずっと大切にするからね。


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