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母の認知症 「認知症かもしれない」

母が、「認知症かもしれない」と言った。
いままではわかっていても認めたくないのか、ほんとうにわからないのか、どっちともとれた。いままでは脳がずれる、と表現していた。

母本人が一番不安なんだろうと頭では理解していたけど、
私も焦っていて、いろいろな手続き関係を済ますのに必死で、母に向き合ってあげることはできていなかったかもしれない。

祖母の名義のままの実家のこと、
銀行の代理人登録、
遺言書の作成、
任意後見人のこと、

母に何度も説明する。「認知症になってしまったら、面倒なことになるから、やっておこう」と。なんどもなんども同じ説明をする。

少し前まで「認知症にはならないんじゃないかしら」とお気楽な返事をしていた母が、

「認知症かもしれない」と口にした。
そして「このままあなたのこともわからなくなっちゃうのかしら」犬二匹をみて、「この子(犬)たちを最後まで見届ける責任があるけどできるかしら」

わたしは言葉に詰まってしまった。そのいまこの母の苦しみにどう返事をしていいのか、わからなかった。

いまのうちになにかやりたいことを一緒にやろう。
母がわたしを娘だと認識しているあいだに、母の認知症に付き合えるところまで付き合おう。


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