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秋になると果物は

八木重吉の詩に「秋になると 果物はなにもかも忘れてしまって うっとりと実っていくらしい」というものがある。秋になると、毎年しっかりと思い出す。 秋は人も実るだろうか。なにもかも忘れることができれば、少しは甘さが出るだろうか。寒くなるとどうしても輪郭を意識してしまうし、誰かと輪郭を溶かしあいたくなるし、会いたくなる。 数年前、大学の音楽サークルの後輩がプロデビューし、今年引退した。プロになるにあたって京都から東京へ旅立つ前に行われた最後のライブで、前座に呼んでもらったことが

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